舌がある
それで君を舐めようか
冷えた舌先が触れるとき
君の肌で
どんな音がするか
固まった
ちいさな
ちいいさな結晶が
溶ける音がするか
こんなすこし暑い季節なら
しゅと
音が ....
サイコロをふって
コマをすすめたら
梅雨入りのため
一回休み
と、出た
しかたなく
ぼくは軒下で
ほかの誰かと相合傘の
あなたの後ろ姿
おとなしく見送った
蒸し暑い夏場の午後に 蒸し暑い車の中で
君は何故だか一言も喋らない
目はただ前を見つめるばかり 目はこちらを向かない
なんだか寂しさを憶えて なんだか恐ろしさを憶えて
僕はラジオ ....
夜になっても暑さが残る
冷房のない自分の部屋で
ロウソクが一本転がっている
なぜそこにあるのか
何一つとして思い出せない
よくわからないまま
火をつけてみる
小皿に固定して電気を消した
....
彼女は言った
「くらげぷりん」
を食べたい
僕は方々探した
聞いても誰も知らなかった
デパートに行って恥をかいた
ばかにされた
悲しくなって海に行く
堤防から網でくらげをすくっ ....
みんな悲鳴のかたちをしてるから
みんな無視って
君はいう
だもんでコチョコチョ
脇腹をくすぐってみた
バコ!
えー、君の悲鳴は僕の悲鳴に変わりました
めでたくないけどメデタシメデ ....
変革の決意はいつも 必要になったギリギリで
くだらん言葉にまぎれ 唐突に真理を突く
すぐ雑多に流され それは
まぁ 消える 終わる 忘れられる
怖いものは克服したい
冒険心と裏 ....
絶対割れない泥団子だよ
あの山の土と水に
恩と憎しみ混ぜて
ぎゅぎゅと固めるとできるんだ
それを繰り返すこと十年
鉄のボールみたいでしょ
と少年に手渡すと
彼はすぐにコンクリート ....
前を向いて歩こう
すこしずつでいいから
ゆっくり ゆっくりと
でもね たまに立ち止まって
後ろを振り向いてごらん
そこには ほら
あなたにしか見えない
....
埒もない想いに身を委ねてしまうのは
この季節特有の気紛れと
触れて欲しい
昨日までのわたしを脱ぎ捨てた
わたしのこころに
この瞬間に生まれ変わった
わたしの素肌に
季節は夏
....
高尚な講評の歓談を眺めていると
自分の階層が何段か下であるような気がしてくる
それがどれくらい卑屈な自嘲から這い出ているか
大した意味を持ってないのは分っているつもり
朝目覚めさせた雨音は ....
薄い蛍光灯と
白い壁の部屋で
壊れる寸前でいた
強い太陽の光と
自然色の街並みを
瞼で焦がれていた
鍵など掛かっていない
歩けないわけでもない
ただそこにいた
壊れる寸前 ....
雨の日の一日は哀しげ
眩い光が地上に届かない
太陽が恋しい
でも雨は全てを洗い流す
私の心の澱さえも浄化していく
さらさらと
しずしずと
雨もいつしか止んで
見える太陽は一層輝 ....
姿を現した下弦の月は
その身に赤いワインをなみなみ{ルビ湛たた}え
少しずつ傾けながら一滴二滴
色の無い世界が浸るまで
あの子の涙が染まるまで
夜の終わり色を失くした月高く
....
街の灯(あかり)は黄昏て 人々はすでに足早に 暗がりの道を歩いていた
その中で私はたった 独りで人ごみの中を 希望すらもたずにたたずんでた
一番星は宵の明星だと沈みかけていく月と太陽が 教 ....
ずっと、将来や自分のために肩肘はってエイコラやってきましたが
結構、自分のためというのはしんどいです
失敗すると、たいていブルーになってしまいますから
これからは、誰かのために良いコピーをと ....
うしみつどき
中途覚醒して はなびらふる
回廊を あるく
すれちがう 影たちのなかに
わが血族を 見いだすまで
分かりました
と、子ネコは言って
二度と君を捕まえません
と、ネズミに約束したものの
握手しようとした指先から
鋭角の爪が伸びてきます。
分かりました
と、ネズミは言って
二度と君 ....
みんな記憶の再現だ
サービスも
愛も
期待も
あやまちも何もかも
青く割れた
西の方角
夜が割れた
みんな記憶の再現だ
サービスも
....
七月の終わり
七月が終わり
七月の尾張で
あやまちを共有化する
ベクトルの終着
ベクトルの出発
七月の終わり
七月が終わり
七月の尾張で
....
断続的に降る雨からハッカと血の匂いが漂った
あの徒刑の夏から、ハッカと血と雨とは混ざりあっていた
断続的に逃れる排水溝から排水溝へ、ひとの話を信じないぼくと
自分の話を話さないきみと、秒針の ....
飲み干したはずの水は
グラスいっぱいに湧き
混じるように
切なさが膨らんでいく
追いかけている錯覚に惑わされながら
通る道
目の前には車が、車が一台
言い聞かせる胸の内に
光る笑顔 ....
それはしずかな夜だった
雲が姿かたち変える
星がぱちくりとまたたく
君はきっと見ていない
どうして宇宙が透けて見えるの
夜はふしぎだ
魔力があるにちがいない
うっそうとした森によ ....
この赤い空を見て
あなたは何を思う?
この星空を見て
あなたは何を思う?
この雨雲を見て
あなたは何を思う?
この稲妻を見て
あなたは何を思う?
私はね ....
うちの近くには東京タワーがいっぱいあるのだと
思っていた――
飛行機の目印の塔だと教えられても
理解なんか出来なかった
信じられなかった
ではなく
知らなかった
東京にも住ん ....
東京には空がない。
そんな事は
遠い昔のおはなしになってしまった
新都心でも今はやりの高層ビルディングも
空に浮かんでいるよう
眼下には千切って零した緑の森と
トミカの車が血脈のよ ....
夜色のドレスを纏って
等身大の鏡に向かった
そこに鬼が立っている
奇怪な言葉でしか
表現できない
気持ちを持った鬼
涙を持って行ったのはだれ?
涙を持って行ったのは
朝になれば ....
夏の終わり、堤防の匂いが心地よく
僕らはまた夜を掻き混ぜるのです
僕の腕を引く君の手が少し、緩んで
近眼の僕の視界には唇
「好きです」
十号玉が一斉に横顔を照らして ....
夜、高台に吹く風は
ほどよい冷気と湿り気を帯びて
ふわり
汗ばんだ髪をすり抜けて
着古したスエットを撫でて
僕の涙をもさらってゆくのです
「昔、イカロスという天 ....
このパーティションさえなかったら
あなたの目を見つめることが出来るのに
このパーティションさえなかったら
あなたの華麗なキータッチを眺めていられるのに
このパーティションさえなかったら ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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