6月の雨だけは、好きになれないと君は言う
灰色の世界
色とりどりの傘が舞う
弾く雨音
きらめくメロディだけが欠けている
人混みの中を駆けていく
足音がやけに響いて
不協和音を ....
あの時すれ違った道から私達は始まっていたのかもしれない
悲しくて泣いて帰った道でもあり
嬉しくて隣に誰かいた道でもある
あなたとの新しい出会いだったのかもしれないと
それはきっと運命な ....
それは波状的に
ワタシに繰り返し降ってきて
そのたびにワタシは
戸惑い 恐れ
そして
喜び 酔いしれた
歓喜の雨は
最初は小さな透き間から
だんだんと浸透して
....
吐血しながら走ってます
当然のことながら痛いです
生まれ変わってきたあの悪が
皆なんだと励ましてくれます
先に帰った胸にも響きます
傷は完治してもなく
とどめをさすものでもない
....
にちようびのまひる
夜勤から帰ってきた母が
茶碗を洗っている父に
仕事の愚痴をまくしたてている
母はこのあたりでは聞かない
すごみのある口調でしゃべる
南のほうの言葉だと聞いた
なに ....
それはそう
・
時計の針が
・
空を見上げたときに
・
現れたんだ
・
時を刻む者さえ
・
息を潜めていたんだ
・
町中の時の音色さえ
・
止めてしまう魅力があったんだ
....
´
生まれたての
ダッシュされない
耳の美しいカアブ
描いて
´
(何か音)
聞いたこともない
さわれない
見る
ことも
青空に
シャープ
黒鍵に落ちる
細い指
....
これは悲しいからでた涙じゃないんだ
怒って煙草に火をつけたら
煙が目に染みたんだ
だから悲しくないんだ
煙草がイライラを消してくれると思ったのに
煙草が心の涙を呼んだんだ
今年の猛暑が終わったら
私の愛を語らせて
ハイネのように
秋を愛するあなたに
りぃ りぃ りぃ と雨が降り
渇いた大地を潤してゆく
六月は
晴れたり曇ったり
そしてこんなにも雨が降ったり
(もうこれ以上叩かないでくれ)
庭にはやっと咲いた花たちが
....
梅雨の季節に入り
自分の住む街にも雨が降り始めた
テレビの天気予報では
しばらくの間はこのままだという
ぼくは家の中
ここにいる限り雨には濡れない
家の屋根がある限り雨には濡れない
ぼく ....
荒浪に飲み込まれて
傷つき
疲れて
乾いた涙
視界は狭まり
小さな世界
行き先を失った俺は
迷い人
誤解を解く術も知らず
ただ生存するのみ
埋めた気 ....
いいことなんか ひとつもなかった
この町でも わたしは
今日も
歌をくりかえし くりかえす
『会いたいときに あなたはいない
空よ せめて 笑ってほしい
そうじ ....
洗濯機がぐるぐる渦を巻く
三角定規とおにぎりと三角ポールが遊んでいる
ぐるぐる
ぐるぐる ぐる
規則的な息継ぎかと思えば裏切る
裏切りを楽しむように遊んでいる
水面は影と光を映 ....
半ば くらい世界を 見たよ... と
おもい あがった 少年
トマは 12歳
素もぐりで もぐっては
金の さかなや 銀の 貝を すなどった
伸び あがった ....
真実が、
私を知っていれば、
それで良い。
くちなし
花の粉
白の香り
さよなら
六月の太い風
さよなら
六月の深い闇
くちなし
花の粉
白の香り
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う
たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
ガラスのそとは{ルビ嵐=あらし}
あらしのなかの{ルビ緑=みどり}
義理の父母が使っていたという部屋は
揺れると天井からヤスブシンが降ってくる
容易に眼が利かなくなってしまって その葉 ....
飛んでいる、みたいに
自転車を漕ぐ
坂道を下って
手を広げて
風の翼が
背中に生える
目を瞑れば
何もなく
自分の宇宙が
自分の未来が
見える
飛んでいる、みたいに
自 ....
懐かしい音楽
懐かしい想出
懐かしい時間
懐かしい会話
パイプオルガンの音
チョコレート
グレープジュース
ハム
時間の塔を抜けて、今
空洞の時間
時間の動きが遅くなった。 ....
あたたかい雨を
窓から眺めてて
ああ
私は孤独なんだ、と
唐突に気付く
もう
お前なんて
どうでもいいやって
そんなふうに言われるの
こわくて
・ ・
大粒の雨 ....
まるで子供のように
花火が見たいなんて言うから
僕は少し呆れ顔で 君の頬つねって
君は少しふくれ顔で 僕のマフラー締め付ける
眠りから醒めた街の片隅
潰れかけのディスカウントショップ ....
指先だけで、そっと
窓を開いてみる
隔てていた向こう側には
空の海があり
紙飛行機を飛ばす
誰宛てとかではなく
紙飛行機を飛ばす
そこに、意味なんてない
ここは海だろ ....
会社をやめて独立したという古い友人と
ひさしぶりに私のアパートの部屋で飲んだ
これが意外に儲かるんだよ
と言う友人は、自動販売機になっていた
胸には常にテレビのようなものを映している
あ ....
君の大好きな置手紙
中には宝石と綴られた文字と
紛い物の輝き
俺の宝石に嫉妬しているのは誰?
君の宝石に惑わされているのは俺?
「そうじゃない、そうじゃない」
自分見失 ....
産まれ落ちて流した涙
その一筋に意味があるなら
どうかそれを悲しみの色に 染めたりしないで
柔らく抱かれ搾った叫び
その一声は嘆きではなく
祈りなのだと
....
執拗に繰り返される数式の羅列は
消去されなかった断片の無意味な証明
刻々と崩壊してゆく領域では
溶けてしまった細胞への慕情と
ただ存在の痕跡だけを知らしめる
万華鏡の街にヒビが入って
あっけなく砕け散るのは僕の視界だ
その後に残るのも世界かい?
公園のベンチにエイリアンが座っている
その口は動いているのに閉じ ....
可能な限り開け放された
円い3つの堅牢な
窓枠から誘われて
無力に為る儘
飛ばされ来た庭
果実の花には
漂白のしろ
そして
滑らかに舌に添う
蜜のとろみは
翅をもぐより ....
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