こんなときだから
あなたのこと
思い出してみる
洗いざらしのティーシャツ
良く似合ってた
防波堤にふたり
たたずみ
いつまでも夕陽を眺めてた
はにかみ屋さんで
口下手で
....
端と端を重ねる
皺の無い
平たい一面は
矢車菊の
透ける
セイロンブルー越しに
どんな景色も
チタンを含み込んで
深く
人魚の尾ひれを
千切り
旋廻する
気高さ ....
スイッチを入れて
ゆっくりとまわり出す
瞬間が恋だとしたら
スイッチを切るまで止まらない
換気扇はいったい
どれだけのため息を
換気しなければならないだろう
と、扇風機が
首をふりなが ....
いまがいつかわかっているのか
6月といえば、日本は全国的に雨季だ
雨というだけで憂鬱で、湿度は高く、足元は危ない
どうしてこんな時期に、しかも、わざわざ選んでまで
― ....
地球の半分を勢力下に置いてしまった
巨大なハリケーン
天空を翔る
黒龍の赤々と輝く画竜点睛
歴史の営みのという織物に
鮮やかに織り出された
謎を問う図柄
潜在的な電圧を保った ....
こどもの頃棄てたはずの手が
壁の中で指をならしている
むかし山の小川に浮かべた舟が
朝のトイレの水面をはしっている
出会った人も別れた日々を憶えずにはいられない日々
雀たちの六月 ....
過去を連れ子にして裏通りのレンタル暗室に潜り込み
かなしいを現像すればドン・ケツァルコアトルになって叫ぶ
旧友と連絡を取れなくなっていくのが
誰かが離れていくのが 誰かと親しくなるの ....
もし この街が 爆発したら
僕は 君のそばに いるよ
だから 君は 僕のそばから
離れないで 僕の腕の中に 居てほしい
もし この街が 爆発したら
僕は 君に対し ....
暗闇に立つ
金の門を抜けると
石段を下りた{ルビ洞穴=ほらあな}に
横たわる{ルビ棺=ひつぎ}があり
三日前に死んだその人は
音も無く立ち上がる
茨の冠を額に巻き
槍に刺 ....
カーテンの奥
小鳥が
嘴を
丸い頭を
囀りを
柔らかな羽毛を
昼の日のひかりのように
自分で決めれば
そこが
スタートに
なる
スタートラインは
つくるもの
誰かのつくる
スタートラインは
君の
それじゃ
ない
スタート ....
隣の家の畑から
一輪の花が
「おはようございます」
挨拶をした
それは隣の家の
おばあちゃんの声に
そっくりで
腰は少し曲がっている
お辞儀草みたい
ちょん、と触ると
にこ ....
はじめて吐き出したのは
六月の熱風うごかぬ午後
ぶあつい電話帳をパンツ
いっちょうでまるでそれ
久しぶりの童貞のSEX
川がギラギラ白くて
宇宙最小の孤独の単位 ....
北の方角では
青年が祈っている
切実なその願いは
祈り、というより叫びのように
わたしのたましいに遠くから響いてくる
薄いカーテンの向こうでは
洗濯物が揺れている
梅雨の晴れ間と聞い ....
将来の夢を語り合うよりも
明日のテストに向けて
たくさんの単語を関連もなく
覚えることの方が大切だった
そのときのぼくの夢は痛かった
将来の夢を描くことよりも
今の生活を脱する方法を
....
透明な青い海を
濡れるのも構わず私はかきわけた
海の先には 知らぬ土地があるのだろう
無力な私でも
行きたいと願う夢だけは与えられた
あなたはそんな私を無様だ、と、笑っていた ....
真新しい緑を横切って
くろい雨雲の拡がってゆくのを
部屋から見上げて思うことといえば
これから生まれ落ちようとする水 の
暗さとか、濃度とか。
おそろしくとおい日に
ひとはみな 水か ....
すべてが逆転するという学説もあったんだそうだ
時間さえ逆行するとも言われていた
じゃあぼくたちの親が
冷凍棺桶から起きてきて
またぼくたちを叱ったりするのかな
そしてぼくたちはまた小さく ....
梅雨空が
あさぎいろに変色しはじめるのは
いいもんだ
たとえ群青色にならなくとも
散策の途次で
草いきれが臭ってくる ....
子沢山の家に
末っ子の鼻垂れ
多分食べていると思う
かんでもかんでも出てくる
腹をすかせ
食べ物に飛びついてくる
生存競争
お姉ちゃんがおしめ替える
朝のトイレも大変
とにか ....
― 太陽は人気者でした。
それはそうだよ
だって、僕がいなくちゃ生命そのものが存在しないんだから。
見てごらん
みんなが僕を慕ってる
作 ....
剣、と
よぶのを避けたくて
声はひとつの
武装と知った
ちいさな胸を
軋ませてゆく重みが
町だとするならば
すべての指が
ともされる
祈りのなかを風は、
振り返 ....
道を割る五つの草の上に
頭と両手と両脚を乗せ
冷える音を見ている間に
夜はふたつすぎてゆく
色の名を持つけだものが来て
建物を貫き 声を曲げ
闇のなかの虹
寒さの粒を ....
僕等はもう
交差する事なんてない
そう知った朝
僕は魔法使いになった
悲しい色を
幸せな色を
世界中に伝えられる
人の心を捕まえて
揺さぶる
まだ力は弱くて
世界中には届かない
....
もしもし もしもし ――
もしも、もしも、しもしも、しもしも、
A:林檎ジュースのような苦しみかい?
B:冷やさなくていいよ常温で
A:甘い方の苦しみかい? 飲んじゃえよ
B:飲 ....
午前4時
ほの白く ほの青い 四角い窓から
まちの寝息が
明かりの粒子が 舞い込んでくる
街灯は 夏の虫を誘って
ゆれるように強く
黒い瞳に ひとつずつ
真珠を入れて
まばたきもせ ....
人で溢れる駅前の交差点
無造作に張られた映画のポスター
二人で決めたいつもの待ち合わせ場所
先に着いた僕が君を待つのもいつものこと
時計の針のもどかしさ
いつまで経ってもなれない ....
詩を書くのが大好きな僕は
真夜中だって夢中になって書いちゃうよ
君を創るのは僕だからね
君の街の酒屋でペンと紙で作曲するように詩を書いていれば
君が中央の机の上で踊り出す
人々 ....
こんなことがあってね
あんなことがあってね
生活がどうにもならなくてね
愛した人と別れてね
こんなことができなくてね
あんなことが叶わなくて
考えに来たんだ ....
JAROって何じゃろ?
これは切実な問題だ
すこぶる切実な問題だ
私はこのしょーもないシャレと30年間格闘してきた
JAROって何じゃろ?
答えはわかっている わかりきっている
問 ....
4582 4583 4584 4585 4586 4587 4588 4589 4590 4591 4592 4593 4594 4595 4596 4597 4598 4599 4600 4601 4602 4603 4604 4605 4606 4607 4608 4609 4610 4611 4612 4613 4614 4615 4616 4617 4618 4619 4620 4621 4622
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