砂漠の砂でお城を作る少女がいた
お城は少し難しいから
山を一緒に作ろうか
そういうと、少女はにこりと笑って頷いた
私たちは少女の背丈くらいまである山を作って
真反対から穴を掘り ....
エレベーターの扉が開く
僕はそろりそろりと入り込む
ボタンを押す
ボタンが無い
扉が閉まる
エレベーターは動き出す
下がっているようだ
時折上がったりもする
なかな ....
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて
....
遮らない丘
ひとつを声に出してみれば
心音
と、一日の間で生れ落ちていくもののような
確かな揺らぎを伴った答えが
僕らの間には流れ込んでいる
広い、広い丘
両手を広げれば満ち足りていくよ ....
あなたが切り離そうとしてるもの
悩むくらいなら
私が愛してあげます
思い出に罪は無いと
信じていたいじゃないですか
いつか私を
そのように切り離したりしないで
そっと信号を発して ....
お互いが見えなくなったら
左胸を合わせて抱き合おう
お互いの背中から
悔いを打ち込んでつなげよう
言えなかった気持ちや言えなかった言葉
流れ出て交じり合う
声なんかいらない
胸打 ....
いいんだよ?
泣いてもいいんだよ?
いいんだよ?
笑ってもいいんだよ?
いいんだよ?
怒ってもいいんだよ?
全て貴方の勝手だよ?
だから
別に貴方が ....
かなしみを優しさにかくし
くらやみに羽をとざしたあなたに
はやく
夜明けが
おとずれますように
優しい羽を
ひろげてとびたてますように
ころころと
ころがり逃げることばをおいかけて
さかみちをわたしもころがる
わたしとわたしをかたちどるわたしとの境が
あいまいなゆうがた
おさかなもとりも
ちらばりおちるかきの実も
わ ....
愛のかたちってどんなもの?
触れるとやわらかくて 弾力があって
姿をかえていくの?
愛に種類はあるの?
色や 大きさや あたたかさで
区別できるの?
愛ってつかめるの?
とらえど ....
拝啓
やあやあ
初めましての方も
そうでない方も
こんばんは
梅雨特有の
湿り気たっぷりの中
いかがお過ごしですか?
じめじめの空気に
雨の日の
あの優しい ....
刃が
葉のかたちを描く
死と夜は出会う
羽と羽以外のもののあいだにさかいめはなく
常に常に激しく
すべては行き来しつづけている
わずかに曲がるからだの線に
寄 ....
言葉に挑んでみる
言葉の世界は広くて深いので
何もしなければ
言葉に溺れてしまう
バタバタするのではなく
全身を使ってバランスよく
綺麗な姿勢で泳ぐのがいい
言葉に向かってみる
言 ....
放課後の学校は静かで
でもまだどこかにざわめきを隠していて
傾いてきた栗色の光が
少女たちの瞳を
大人びてみせる
窓は少しだけあけておかなければならなくて
そこから
教室じゅうに清新な風 ....
なんでなんでどうして
って言って
夜を剥がしに行く
いつのまにかあたしは幼くて
剥製の群れを連れている
星空の綻びを探しに
ちいさい旗振って歩く
光の川も渡る赤い長靴
無茶ばっ ....
埃くさい
骨組みだけの
濃いひかり
会いたくなった
確かめたくなった
現実にはピンとこない
でもいつも
イメージだけを
感光紙に翻訳しなおす
....
白い花
バナナのように
焦げて
梔子よ
腐ってゆくのは
それは
常
ではないのだよ
白い花
バナナのように
焦げて
あたしは知ってる
あなたがとても孤独なこと
あたしは知ってる
あなたが笑いたいのに笑えないこと
あたしは知ってる
あなたは実は泣き虫で
ほんとはとても、シャイなこと
あたしは知ってる ....
いつのまにか
溶け込んでいた、世界と
私との接着面に
体温計をさしてみる
ゆっくりと
開いた手のひらと
大気との間
握ることはせず
また、摘まむこともない
少しずつ ....
いま じぶんには
まだ 見えていないものが
あると ためらいながらも
言わねばなるまい 最大で
ひとり 必要ですと
関連作品→http://po-m.com/forum/show ....
2007/06/28
ブラックライトアップ同盟
Wikipediaによると、
日本のライトアップの嚆矢は
1963年神戸ポートタワーだと ....
ときどき浮かび上がる記憶の断片
もっとよく見ようと手を伸ばすと
するすると溶けるように消えてしまって
あとにはもどかしさばかりが残って
鮮明に思い出そうとすればするほど
ぼんや ....
青い空には なんにもないけれど
天使が住んでいるの
今日は行けないとあなたが云った
抑揚がなくなるときのあなた 読めなくて
心が痛んだ
好きだよともう何度もいってくれない
Ican ....
虹がミドリで怖い
茶色がミドリで怖い
喉の奥がミドリで怖い
目を瞑るとミドリで怖い
近所の肉屋がミドリで怖い
ドアを開けるとミドリで怖い
黒塗りのベンツがミドリで怖い
彼女の浮気の言訳が ....
新種の君に
逢いたくなった
波は引力に導かれ
おおよその生き物はSynchroしてる
僕らは元々繋がっている
逢いたいなぁという想いだけで
愉しい瞬間は揃ってる
取り払っ ....
他人に優しくしたいなら、
それは、とても簡単なことだ。
その人の事を何も知らなければいい。
けだるく 深く
大気はうねり
緩い曲線を描く
高曇りの靄に
太陽は弛緩して
街路樹 空をくねらす
小鳥の声 空の波紋
雲は雫で出来ている
まさに夏 夏の昼下がりに
木々 ....
ポーチの中には大切なものがいっぱい
チャックが壊れたのを人のせいにするのはもう嫌
その澄んだ目には青がお似合い
君に光を そう誓うよ
小さい頃の思い出はどうしても消えない
あの星を君のた ....
放課後には少しはやい 午後
夏の始まりを
逃がさないように
自転車同士
つないだ手
ふたり 風になって
長い長いお休みは
もうすぐそこ
追いかけるように
でこぼこ道
スピードを ....
笑いながら抜けた永久歯、
人生を箇条書きにするならば。
目が醒めたら口にガムを放り込む 噛んでから思い出す行方知れずの歯 目の前でミントが揺れる そして眠りに誘われる
銀のブリッヂに嘘を ....
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