水の鈴が鳴っている
鈴のあとを鈴がゆく
葉の上
土の上をゆく
手と手をつなぎ
生まれる音
伝えたくて
仕方ない笑み
呼吸を疑い
息を受け入れ
あきらめと ....
夏が揺れている
真っ暗な部屋の中で
一本のロウソクの火だけが
ゆらゆらと静かに
揺れている
ゆらゆら ゆらゆら
揺れている
なぜかこの小さな光は
夏を表している
夏に咲いた人の魂 ....
バスが停留所を見失って
行方不明になったことをニュースで知った夜
しばらく停留させてほしいと
誰かが私の家を訪れた
誰かと思ったらあなただった
あなたは風呂の小窓から
夜空を走るバスを指さ ....
チューシャは少女のようにはしゃいでいた。午後の陽射しが強いスジャータ村の大きな木の陰で、普段はサドゥなんかがルンギーとして愛用するオレンヂの布を大地に広 ....
自覚するのに長い年月を要した
幼くも美しく純粋だった俺の魂は
お前達によって偽物と摺りかえられた
未だに鼓動を打ち続けているという事は
俺はまだ生き続けているんだろう
傷口が腐って ....
その宝飾品と衣類と化粧の下には
さらに振る舞いと言葉とで巧みに隠蔽された
冷ややかで歪んだ醜い獣
疎外感を恐怖に感じ慄いた女
覚醒し、一瞬で遠退き二度と戻れ無い事を
想像しただ ....
探し物
こうず まさみ
1冊の名簿が どうしても見当たらない
その名簿をもとに
宛名書きしようとした矢先のことだ
空いた時間に片付けようと
気負 ....
感嘆符が飛びだして夏
焼き鳥の串をあつめて五線譜
「貴女はご自分に酔っていらっしゃるのです」
思いがけない言葉に顔を上げた
彼は静かに私を見つめて煙草に火をつけた
(どういうこと?)
いぶかしげな眼差しの私に彼はこ ....
夢のつづきは いつも
さむいものを 育てていた
ぼくらが たがいの
希望に なるのだと
むつびあった あの場所から
青くさんざめく世界に立っている
青くさんざめく世界で歌っている
君に届け 君に届け
君って誰だっけ
なんて思いながら
青くさんざめく世界に立っている
青くさんざめく世界で歌っている ....
六月の香りの入った
お手紙
あなたから
お久しぶりです
から
始まって
麦わら帽子をかぶった
七月の夜に
なぜか さみしかった
その日の
星がひとつだけの夜に
かわい ....
小さなバス停を飼った
小さい割にはよく食べた
それでも店員の言ったとおり
あまり大きくはならなかった
一日に数本小さなバスが停まった
行先はどこでもよかった
夜、明かりを消して床に着 ....
【盲目】
何も見えない
だから
赤や青が
どんな色かわからない
モナ=リザの微笑みも
ムンクの叫びも
どんな絵かわからない
母の顔も
父の顔も
わからない
....
遠くで
律儀な救急車がうなっている
吸血に余念のない 藪蚊のように
近くで
躾のない飼い犬が吠えている
違反者を追う パトカーのように
傍らで
しかめっ面が息をこらしている
縄 ....
姉は病み。妹は明朗。
ふたりで一輪車をこいでいた
手をつなぎくるくるくる。
くるくる。狂おしいほど恋したいの
こいこい。恋なんて物狂いの種
コインをトスする子供の遊び
今日はどちら ....
よく見てごらん
雨がまっすぐに降ってくるだろ
時折り銀色に光るのが
あれが雨の涙さ
空の悲しみが見えるだろ
よく聞いてごらん
雨が小さく跳ねるだろ
時折り痛そうな音がするのが
あれ ....
幸せの白い兎
幸せの白い兎
金持ちの
デブの
禿げの
じじいの
家来の
狩人に
生け捕りに
されました。
じじいは言いました。
....
暑さの夏がやってきた
海に 浮かぶ 船が眩しい
かもめ 達が 銀色に光り
海へもぐり 魚をとる
見上げる 夏空
雲が ゆっくりと 流れ
眩しい 光が 汗を光らす
青 青とした ....
夜はネンネコリン
お月さまのすべりだい
つるつるすべって夢の中
坊やは銀のお船にのって
夜の国へまいります
夜はネンネコリン
お星さまのガラス窓
きらきらひかって夢の中
坊やは銀の ....
調和しようとした
紙を破っては
どこか自分調和しないかと
宇宙と調和したかった
青いたくさんの目にみられながら
必死に抵抗したけど
まったく意味はなくて
....
緑の茂る丘に
白いワンピースの少女が一人
遠い 遠い
どこか遠くの星見てた
まだ星は見えないだろう?
いいえ ちゃんとあるの
みんな見ようとしないだけ
星は いつも私たちを見てい ....
僕が死んでも世界は止まらない
人一人の死なんて関係ないんだ
世界には 全然
君が死んでも世界は止まらない
けど
僕の世界は止まるんだ
君と過ごした世界が
なんて言ったら大 ....
さようなら
つぶやく刹那に涙あふれ
ごめんなさい
嗚咽と涙に息つまり
沈黙の先
届かぬ懺悔にまた夜がふける
ありがとう
・・・やはり届かぬ独り言
私が嵐 ....
何も悪いことしていない
「死刑じゃないだけマシだろ」
殺してくれたほうがマシだ
けれど 罪を認めるわけにはいかない
何も悪いことしていない
「吐いたら楽になるぞ」 ....
お母さんとお風呂に入っているときに
あなたはここにいたのよ、と
お母さんは自分のお腹の部分を指差しました
私はその中がどうなっているのか
とてもとても知りたくなりました
急いでお風呂から ....
底の少し剥がれた
スニーカーで、歩く
レンガに反射する光が
私をほんの少し
焼いている
とりあえず深呼吸
一回、二回
排気ガスは気にしない
それすらも
世界の一部だと
言って ....
父が咳をした
ここのところ体調を悪そうにしていたから
「大丈夫かな」と思った
声には出さなかったけれど
母が布団を干す
ここのところ腰を痛そうにしていたから
「大丈夫かな」と思った
....
そう厚くない 空の層から
シャワーは今日もふる
せせらぐのは 大気の雑踏内を
散歩するようなきもちにして
{引用=がくぶちに青から赤
藍から藤へと染めこんで
雨が恋する}
さ ....
始発のバスのプシューという音がして空を見上げると光輪ができている
空気は蒼い
シンボルの時計が印象的だ
人が疎らに歩いていて噴水が噴き出し始めた
途端に駅の雰囲気が変わった 小鳥が囀 ....
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