蝶のかたちの光の前に
家より大きな花があり
ひとりの影を映していた
小鳥は話しかけた
誰にも届かなかった
道につもりつづけた
同じ姿と響きを持ち
確かに共に居たも ....
あたしは、
綿のスカートを翻して逃げる。
誰もいない、
....
長く続く階段の上
不可思議な夜の海辺で
泳ぐ魚の背びれを掴み
果てしない街灯りに照らされて
泳いでいたんだ
無くしてしまった言葉の代わりに
表情とかジェスチャーとか泳ぎ方とか
色んな ....
古ぼけた木のテーブル
二つきりの椅子に、コツコツと時を刻む柱時計
君と過ごした場所は
優しく霞む、想い出の中に
君は寝台で本を読み
寒がりの僕は暖炉の前で蹲り ....
ハタチの彼女は或る未明に首を吊った
自殺は美しいものなんかじゃないと
それは彼女だってとっくに知っていただろう
ただそんなことに構ってはいられなかった
葬儀場で見た横になった彼女は ....
自由が欲望を抑圧する
整理されない感情は
内へ内へと
静かな沼の中は
崩れゆく不安でひしめき
儚き夢は
虚空に消え
一瞬の希望は
断片のごとく
日々を過ご ....
日々の鬱積した思いに
声を大にしたのはいつの事であろうか
五月雨の季節だったのか
晩秋の頃だったか
心の渇きがひとしお責め上げ
胸糞さぶい空っ風が吹く
継ぎ接ぎだらけ ....
070731
砂の器に
砂を盛る
砂の台を
飾り立て
沈思黙祷
午前5時
蜩の声がする
夏の朝は気が早い
立ち上がり
走り去る気配に
....
2004年8月の寒い朝 うっすらと霧のかかる山と目と鼻の先にある一軒家で(それらの間に樹海が広がっている)君は縁側に座って漬けていた大根を洗っているおばあさんの様子を見ている 昨日は森の近くまで行った ....
成長しない生き物と浜辺を歩いた。
あ、願望を乱射している、
と気付いたのだけれども。
海に巻き込まれて記憶は消えていくのでした。
無関心でホームラン。
明日も電車は出るんで、しょう、なぁ ....
それはもう忘れてしまった
昨日の西日 花に影の影
差し掛かる 虚ろに未だ遠い
七月の躊躇する落日
嘆きを忘れましょうと
ひぐらし 存在しない八月
午後に喉を潤す 打ち水の跡形
かわりゆく気持ちの中
かわりゆく日々の中
自分自身さえも
信じることが出来なくなった
この気持ちが
本物なのか
それとも
偽物なのか
....
斜光のまどろむ講義室
ノートを広げて座る僕と
入口には車椅子の男の子
授業までの待ち時間を持て余し
ふたりは
ノートの隅に書かれた
シュレーディンガー方程式の
井戸の中で
はにかみ ....
帰ろう
帰ろう
君が住む場所まで
還ろう
還ろう
君が逝ったその場所まで
孵ろう
孵ろう
君のその体の中まで
返ろう
返ろう
君がいた場所まで
何もかえり ....
ガラス時計から
コードは生まれ
世界のどこか
不協和音の子供たちの
空を信じてやまない
平和とそれ以外が
夏に調和したら
秋の足音が
もう道に迷っている
夕暮れの歩道橋で見ている風景
行き交う人波が思い思いに辿る家路
西と東と北と南を結ぶ交差
自分の影と誰か達の影が
重なってはゆっくりと離れていく
言葉を交わす事さえ無い
デジタル時計は ....
記憶の中でざわざわとゆれる
届かない手のひらを裏返す
もどかしい程に幼い記憶
それはいつまでも声になる事無く
心を刈り取って行く
まるで古びたロープが
音も無く千切れゆく様に
静かに
....
この言葉達がこの作品自体を破壊する
私が私の奴隷になってはならない
この言葉達がこの作品から自立するが為に
自らが言葉である事を放棄する
自らの存在意義を放棄した先に
真の自由が待ち受けてい ....
男性は自らが余りにも単純過ぎたが為に
未知なるものを求めてきた
女性は自らそのものが未知であったが為に
自然に生きようと心掛けた
男性が見出してきた未知なるものは
最終的に女性に吸収されてき ....
僕はなんでも欲しかった
「意味がないもの」なら、なんでも欲しかった
僕は僕も欲しかった
あの子を僕の代わりにしてたから、あの時はあの子も欲しかった
あの子は頭が悪かったから ....
泣いた
別れがつらくて
自分が、
自分だけが可哀相で
荒んだ感情に とがった心で
向き合えば互いに傷ついていく
しょせん人間はこんなもんだよ
エゴでヒトを傷つけていく
戦のない平和な世界を 望めど叶いそうもない
いつの時代も 戦 ....
もう、止めようか。
からっぽの砂時計を眺めるのは。
明日の風が吹いても、砂は入らない。
「泣き砂」でも入れようか。
どこにあるか解らないけど。
ほら、上を見てみ。
....
07/07/30
不連続な顔を揺らして
新幹線の列車が通る
チラチラと漏れる明かりが
旅情を誘うが
いつまで経っても新幹線と呼称さ ....
するうり
抜けるような巣立ち
さようなら、無垢な瞳
降り立つのは戦場
ナイフと機関銃どちらを選ぶ?
踊るように
歌うように、あなたは
永遠を空へ放った
よごれた手のひらで
つ ....
恋の磁石で
くっつき合った心と心
ユリゲラーでも
曲がらない
固く結ばれた絆
リロードも
追いつかないほど
君に言いたいことは
まだ、たくさんあって
溜め込んだ想い
....
プールの底から見上げた太陽
薄く白くキラキラ光って
青い水の中から見上げた君の
細く白くしなやかに踊って
水面から浮かんで見るよ
見てないフリしてさ
でもほんとはじっと見つめて ....
/水膜現象
ざざあ、と音を立てて降る雨の中を走っていた。暗い。フロントガラスにぶつかり続ける雨は視界を著しく遮り、ライトの届くその先を見通すことはできない。ワイパーがぞんざいに動き、僅かな間だ ....
与党が歴史的大敗をした日
雷は空に{ルビ皹=ひび}を入れるどころか
あのピカドンのような
世界の全てを一瞬に包む光で
家々の中に身を寄せる私達を震わせた
再び空が真白く光ると ....
紙片は消えた
あなたが消えたら泣くだろう
きっとごそごそ
探すだろう
きらきらした
部屋の中
あなたがいたら撫でるだろう
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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