春雨サラダを作る君
窓の外では
春雨が降る
ベランダでは猫が鳴き
誰かを招き入れている
泣き声が少し気になるよ
僕は君と猫を見ながら
ギターを弾いている
....
その種たちは
花を咲かせることができなかった
人間だけでなく
他の生き物の目に留まることなく
存在すら知られずに
消滅するしか道はなかった
生まれた時は
生きていこうとする意志と
花を ....
心配そうに見つめる 君 「大丈夫だって」
言い聞かせるように繰り返していた あのとき
なんで 素直に 「ありがとう」って言えなかったのかな
隠してばかりだった 隠していれば強くなれると思って ....
橙色荒野に吹く風を/纏う鉄蒼色の軸/宵の時間を世界の涯へ/進む列車があるのです。
地平の橙色が揺れ墜ちる。
墜ちる百億回目の繰り返しの狭間、僕は祖父の遺した部屋の隅でアップライトのピアノの ....
海だ
群青の腕で絡めとられた僕の右足は
ゆっくりと沈む
息はもう随分前からできなくなっていた気がする
でも、
このしばらく使わなくなっている口からは相変 ....
ガタンゴトン ガタンゴトン
少し湿った 夜の闇を身にまとい
姿を隠した列車が
一等星の星屑で出来た
青い銀のレールの上を走ってく
窓から外をのぞくと
夜露がきらきら輝いている
うすい ....
時々歩いてきた道を振り返って
何か落としてはいないか
何かを忘れてはいないか
確認するけれど
そこで思い出せたものは
忘れ物なんかじゃない
手にさげてたカバンの中
奥深くに入ってたも ....
地図を持って出かけよう
行ったことない街へ出かけよう
僕は知らないけれど
地図には載ってる街へ行こう
地図を眺めて知ったつもりになるよか
自分の足で歩いてみよう
そしたらこの手の中の小 ....
いつか、
絶対に来ない
来ることのないいつかへ向けて
わたしはリンゴを収穫する
重たい実をぷっつとハサミで
ずっしりとしたひんやりが手に
枝はお辞儀をして
チャオ
それ ....
今日のデートの話題は 『宗教と法と税金』
話を聞いている僕は楽しいけれど
うなづいているだけの僕に飽きてないのかな
あまりにも無知らしい僕に 母親は「新聞を読め」と言い
兄は「ニュ ....
いったい
何ページ目で
キミは現われて
何ページの何行目で
いなくなるのかな
何ページも
何ページも
キミを綴るのかな
まぁそれが
理想なんだけどな
ぼくのノ ....
死に際の無様さを焼き付けた思考
業火に狂い、踊り
痛みの感じぬ体を切り刻む
吸い尽くされた活き血は
妄想をも蝕み滅びゆく眼球
死にたいと願う誠の矛先に
愚かさと醜さと汚らわしさを
熱 ....
クジラは人間の
小便が好きだった
防波堤の影に隠れて
小便をする人間を見つけては
そおっと近づいて
その慎ましやかな水の流れを
うっとりと眺めた
もしあそこに
小さな虹が架かったら ....
長い髪がその頬を撫でれば
僕も負けじと指でその頬を撫でる
その指をあなたの細い首に巻き付けて
ゆっくりと締め付ける
偽りではないならば
微笑んでみせて
そして両手で持った刃物を ....
ふたり向き合って立ちつくした
夕立の中
ごめんね
サヨナラをいうのが
遅かったね
キミはハンドバックから
夏の名残りのキャンディーを取り出す
なかなか紙が剥がれない
そう言って ....
窓辺に置いていた
ベゴニアの鉢から
ベゴニアが生えてきたので
窓の外へ投げ捨てた
こうあって欲しいと望んだことが
そうなってしまった悲しみ
小さな風がカーテンを揺らす
窓辺が少し ....
あんたのために
時間をさくことが
めっちゃ贅沢に感じるんや
だってな
たった三十分さくだけで
一週間分の幸せを
あんたはくれるんやから
湯気が
飛行していた
カーテンを閉めたら
夏がくるので
放っといた
そこから
出て行った
遠くの海で
波が
砕けているのは知ってる
花柄の
シャーベットに蕩けて
....
うめぼしのソファーに座って
染み付いたズボンを僕ひとりだけで舐めた
醒めながら 醒めないよう
従順なイルカの飛沫の上で
一緒に眠ろうって誘い込んだけど 君は黙ったまま
いっそのこと抱 ....
∞∞ 商品ラインナップ ∞∞
「つぶつぶ果肉入り、炭酸オレンジジュース」
ついに登場、新感覚オレンジジュース。
果肉が沈殿しているので、よく振ってお飲みくださ ....
消えそうな色でうたいます
いいでしょうか
薬はひつようないのです
となりにおいてください
わたしの手に ふれるときは
愛したいときだけにしてください
薬はひつような ....
目玉が二つあるのに
両方とも自分のものなんて
悔しいじゃない
違う目でみることが出来たら
失敗しないのにね
僕と君の目、一個取り換えてくんない?
いい取引だと思うんだけどなぁ ....
君のところへ 行く道すがら
雨が降ったのか、夜道は濡れて
デラデラ黒光りしているよ
ここは 冷たいアスファルトの道
吐く息も白く、
蛍光の電灯に照らされて
冷たい ....
わたしは 向日葵になりたい
テレビの上の花瓶からのぞく ちっちゃなちっちゃな 向日葵でなく
昔、由香と毎日みた 校庭の おっきなおっきな 向日葵に
春、双葉をひょこっとだして 子どもたち ....
冷房の効かない部屋で
冷たい水でよく洗ったトマトをまるかじり
お母さんは
「下品よ」
って、言っていたけれど、一人暮らしの今だからできること
今年の夏は、伊豆には帰らない
愛する人がで ....
最近、
あまりにも些細な
イヤナコトに気を取られ過ぎて
イライラしていたかも知れない
ちょっと先の夢を追いかけ過ぎて
足元が覚束なくなっていたかも知れない
....
だあれもいないところで
なあんにもないところで
泣きたい。
目が腫れあがるまで
泣きじゃくりたい。
けれど
そよ風が
「お静かにお願いします」
遠くに住む母からの電話
....
透明な海
透明な空
澄んだ音
ゆるりと時
苦しい思い
苦しい時間
苦しい気持
苦しい運命
今風を読み
飛び出そうとする
羽を何回も広げ
明日の為に
蒸し暑い夜、
バッタリと畳に倒れこんで変死したように微睡んだ。
お腹が痛いのはきっと生理だからです。
私には誰もいない。
誰もいない。
誰もいない。
誰もいないったら。 ....
切れ ぎれの 言葉
あきらめて しまったのではなかったの?壊れた
どこか が 壊れた 回路を使って
発信する 音波 短波 放送 ラジオの
音 声 が 強まったり弱まったりする ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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