夏を組み立てていく
プラモデルのような朝のひかりを
丁寧に地上に接着してゆく
おじさんの他は
みんな寝坊をしている
夏は
すこしづつ組み立てられてゆく
おじさんが
こつこつと夏 ....
残暑見舞いを書いて
少しは凌ぎやすくなった季節を迎えたの
季節の移り変わりが
少しずつ感じられるようになって
毎日 緑の中で呼吸している
ときにまぶしいきらめく光に目を細めながら
いつ ....
ひばりが鳴いている
ゆっくり世界が侵食され
何かが弾けて
色が交錯する
ひばりが落下する
待ち望んだ世界は
こんなにも未熟で柔らかい
捨てられた忘却
ひばりが囀る
縁によって
木立 ....
そこはかとなく、
北西から、遥か遠く。
足もとに見えた、紅い小さな花びら
を、
夕立が流して。
コート紙の上、並ぶ記号は、
....
あたたかな不誠実、
かいまみえる色濃い(恋、来い。)
世界の果てでなら あたしのかおは、
みたこともないほどの美人になるんじゃないかしら。
(だって世界の果てってきっと真っ暗よ。) ....
あるメロディーを聴いた
けたたましい騒音の中から
あるメロディーを聴いた
さかまく日々の雑音の中から
街に集まった人びとは
メロディーに合わせて歌を歌った
どんなに綺麗 ....
時間は、斜めから溶け合う頃になって
辺りはいつの間にか曲がり角になって
それは
人生、
とは呼べないような私たちだったり
生きている道のことだったり
例えなければ綺麗だったのに
....
「それじゃ速すぎる。もっと
ゆっくり見なくちゃ分らないよ」
昨日、ぼくは結婚した友人とともに
見張り番をしていた。
肉体に閉じ込められた見えないドラマでもある
その愛を、
イメージ通り ....
月の色
映すはいつかの
面影か
眠り忘れる愚かさも
思い出させる
刃かな
真実という刃に
恐怖を無くしてから
僕は涙を失いました
欺瞞、憐れみ、敵意、
人は存在に反応して
その反射を自制しない事を
正しいと思い込んでいる
大 ....
塩水を沸騰させていくと
綺麗な塩の結晶があらわれるように
なだらかな腰のラインをしたたる
あたしのためのその汗を
沸騰させて沸騰させて
もっと沸騰させて
そうや ....
きみもいま
地球の重力のなかにいる
月を見てる
おなじ引力のなかにいる
もう二度と
積極的には会わないひと
さいごの約束を
ふたりで破ったのは
何年 ....
07/08/27
易しいお刺身の作り方入門
元板前の9さんが考案して
活き作りに挑戦できるのだ
誰だって活き作りは冒険だ
お刺身は息の良さが建前だ
....
私がそっと振り返った時
小路に桜が咲いていた様に思う
その頃はきっと未だ
手の中の光は消えそうに無く
目の前の空は透き通る様な晴れ
私がそっと振り返った時
小路に桜が散っていた様に思う ....
明けない夜はないけれど
夜しか知らない人がいたら
永遠の夜は存在する
夜に生まれて
明ける前に死ぬか
夜しか目覚めないで
朝を見ずに死ぬか
したらば
夜は永遠となる
永遠が遠 ....
ジリジリと太陽が
アスファルトに焦がれる思いを
告げる午後二時の
濃い影がさす
向こうには
枯れてしまったシクラメン
欠けてしまったクリスタルの花瓶
半分腐りかけの林檎
止まっ ....
私達は
狭い空の鷹
傍若無人に翼を広げ
疎む声は聴こえない
私達は
晴れた日の雷
平穏無事を突然壊し
嘆く声は聴こえない
私達は
樹林の中の焔
湖の厚い雲影
白い壁の ....
僕らの前に希望は無い
北には星が輝かず
月達もまた起きぬまま
僕らの前に道は無い
南に奔らぬ雲の影
雨達もまた光らぬまま
僕らの前に光は無い
西の向きには廻らぬ風
雪達もまた舞 ....
なんだろう こういうの
心がちょっと 痛む感じ
夏の景色は とても蒼くて
なぜか なぜだか 涙が出た
それはとても
ひどく懐かしくて
僕が帰るべき場所
....
音が雨の滴のように
はじけた
波紋を描き
拡がった
ふわふわと飛ぶ綿毛のように
繊細だけれど真っ直ぐな意志を持った
事象の拡散
空よりは高くはない
ただ、
この丘から見える景色をながめている
「素直にしているの?」
「凛としているの?」
そんな問いかけは
この宙に、あてもなく溶けていく
....
君は言った
「この世界は素敵ね
私と貴方が出会った奇跡
神様に感謝しなきゃね…
あ〜…素敵☆」
あはは
こいつ「馬鹿」だ
俺は言った
「別れよう」
感情が泡の様に生起する
産まれては消え、消えてはまた気まぐれに現れる
胡蝶が視た夢の様に儚い現実
ある時絶対だと信じた世界の認識は
すぐに別の大きな波に浚われ、記憶の深淵にゆっくりと沈み込んで ....
少し前まで
座っていた席の下に
置き忘れた
飲みかけのペットボトルを
扉を閉めた電車は
線路のかなたへ運んでいった
きっと
作業着姿の誰かが
忘れたゴミを
無表情 ....
松葉杖を
ついて歩く人を
追い越し
ふいに立ち止まり
背後を振り返る
その人のずっと後ろで
松葉杖をつくより
もっと不器用に
びっこを引く小さい姿は
あの頃のぼく ....
Tシャツに汗の滲む
夏の朝
長方形の紙パックに入った
烏龍茶を
ストローから吸いこみながら
けだるい道を歩いていた
全力で走った後ならば
あっという間に飲み干して
....
こすってもこすっても
とれぬ三日月の影を
外套の裾にまとわりつかせながら
深淵なる闇の中を 独り歩く
遠くに見えるはおぼろげな光
温かき人の光
手元にゆらめくはうつろな光
冷たき心の ....
ゾウはゆっくり移動する
一日に自分の足で
歩けるだけ移動する
長い一生
ゆっくり過ごす
人間はせかせか移動する
大人は特に
せかせか歩く
短い一生
自分の力だけじゃ足りなくて
....
これは 真白と言うのでしょうか
何も 何も描かれていない
ただ 何処までも 広い平面
どうして いつ
私はここへ来たのでしょうか
気が付くと
この場所に立っていました
今日という ....
静けさや
雪降る音も
聞こえたり
己が頭中の喧騒も
白い氷に埋めてしまえ
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