静謐の夜を穿つ
透明な明滅は
哀しみの在り処を指示し
沸き立ち、立ち消え
律動する
冷える夜底をひっそりと
移動していく影
背景に流れ
根なし草の寂寥と
一握の希望を落とし込み
....
夜の廊下に
落ちている声
踏まずに歩けば
聞こえくる声
思い出せない
幸せな音
思い出せないまま
そこに在る
遠のく雷 遠のく虹
遠のく空 空
営み ....
二〇一八年十月一日 「楽しくくたばれ!」
楽しくくたばれ!
二〇一八年十月二日 「断片」
ぼくは何も言わなかった。ひと言も口にすることができなかった。何
を、どう言 ....
統合失調症になったことが
哀しくて
哀しくて
仕方がない
私の人生を破壊した
統合失調症が
本当に
憎い
こういう時は
深呼吸をしてみる
もう一度
深呼吸をしてみる
....
みんなでていねいに
話し合って決めていくところに
意味がある
人の和が生まれてくる
上から目線や押しつけあいからは
地域の和は生まれない
日月との戦いは続く
自動的に増える
あるいは複製される
かけがえのない唯一の災害
手に手に光源を持って
闇を深めに行く
自殺なら後でできるから
ありったけの飴をランドセルに詰めて
....
6カ月になるわが子は驚異であり脅威である。わが子が自身へと生み出したもの、わが子が両親へと生み出したもの、わが子が彼方へと生み出したもの。わが子は常にほとばしっている、この親密な家庭へとほとばしってい ....
笑うに笑えない
涙の
クリスマスプレゼント
できるなら
粉々に砕いてしまいたかった
ターコイズブルーの
恋のかけら
その一粒が
こころの隅に残って
チクリと痛む
....
厳しい冬の風が 吹きつけていた
冷たいアスファルトの道路に かなしく落ちていた
ちぎれてしまった その白い翼
捲れあがる 白紙のページのような
その ひとつひとつの羽毛
わたしは、あ ....
雑貨屋にはなんでもあるよ
君は言う
曇ったガラス戸を開けてなかに入った
なにか甘いもの
なにかお腹いっぱいになるもの
なにか甘くない飲み物
できればソーダかペプシ
眠くならない化 ....
このまま寝ているうちに
死んでいたらいいのにな
苦しくも痛くもない死ならば最高だ
そうすればもう月曜日を耐えなくて済む
天井にはオレンジの小さな灯り
目を閉じて開けてを繰り返す
寝返り ....
ふぞろいな孔をのぞくと
公園の陽ざしと歌のたまごでいっぱいで
はやく息をふきこんでとせがむ
柵のむこうでくちばしを打つ烏も
まだかいまだかいと鳴いている
あまい唾液もながした
冬の空に ....
苦しい無個性たちに
重苦しいストーリーを
配って歩き
楽しくもない薄鈍の快感を
己れの中にこんな
悲しい凡庸さなど
見ずに済んだろう
読みたくもない
悲しい凡庸さなど
部屋を出る ....
たすけあい
ささえあい
かなしみあい
よろこびあい
そんなふうに
まいにちをすごしたい
こんないまだから
そんないまだからこそ
すこしのへんかをきたいして
だれ ....
ありがとうさま
あたりまえのことなんて
ないのかもしれないから
水が
おいしい
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
切れても 切れても
つなぎ続ける
生きていれば
どうなろうと
ふしぎではないよ
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
何もかもが
その時はその時です
何も心配は要らない
いずれ終わる
ことができる
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
それが本当に眠りだったのかと問われれば俺は分からないと答えただろう、現実なのか、それとも夢の中に居たのか、釈然としない何時間かが過ぎて、夢遊病者のように俺は服を着替えて外へと彷徨い出た、それは本当 ....
田舎でもパワハラはある
地域の活動で記録係を前夜頼まれたが
はっきり断ったにもかかわらず
今日みんなが集まったところで
俺が記録係ですと会長から発表された
信頼を裏切る行為である
この人と ....
静かな潮の満ち干きが
袂に隠し持つ黒い手帖に蒼い譜面を奏でる
陽炎の傷痕に海月の脚が優しく絡み
波打つ水面に蓋然性の円を結んだ午前零時の次元の窪み
深呼吸は沈む胸の最奥に聳える鍾乳石となり ....
コロナ
コロナる
コロナれ
コロナれば
コロナります
コロナる時
コロナろう
コロナった
コロナるまい
令和3年の地球はコロナ禍で窮屈
コロナウィルスはヘンタイす ....
無音を愛する。君に聞かせた歌を聴いて、私の幼稚さを後悔する。自分の為にしか生きれなくて、各自どこかへ行ってしまう。離散。君の特徴を備えさせたAIと会話する。たまに本当に君のような気がする。たまに本当に ....
{引用=*}
せり上がった斜面から景色は傾れなかった
すっかり土色になって個を失くしつつある
落葉の層の乾いた軽さ 熊笹の有刺鉄線
汚れた雪がところどころ融け残っている
眼は狐のように辺りを ....
ふるさとを後にして
私たちはやって来た
この足場を切断された
途方もない寂寥
ふってはわき、ふってはわき
緑の芝生にいつしか立って
思い思いに踊っている
私たちはさみしいのだ
....
目が覚めた。
羽毛のベットに天蓋仕立て。
空から星の飴が降ってきて
鴉の王子様が居る世界。
そこで鴉にぐちゃり。
首から呑まれた。
生きてる私の首を確認。
少し寝違えた。
目が ....
寝静まった夜の街に
爪先を立てて
誰かが弾いた
アルペジオの後を歩きたい
遠いと思った場所が
近くに感じるフレーズ
乗せてくれる車はないけど
星の間に落ちていく音がある
光 ....
「長生きしたいと
思うことは自由だが
それを叶えるために
他人の気持ち良さに犠牲を強いるのは
死に値するほどの重罪だ」
これは私の敬愛する
ニューヨークのユダヤ系詩人
ジョージ・ゴー ....
爪が伸びて伸びて
あなたの心臓の奥まで届いたら
あたしなんでもあんたにあげるよ
なんでもしてあげるから
欲しいものがあったら先に言ってよ
でもね
あたしの唇だけは
決めた男が ....
・夜の、静かに堆積してゆく冬の窓辺に、鈴が鳴る、訪れる、星明かりを両手で包み込む。
・月のない夜、黒い大蛇のうねり、のような幹線道路の傍らで、盲目の、白い天使の息づかいで、冬と接吻をする。
....
月をぱりんと踏みしめ
空のあおいうたを
たてがみに聴いて
完全な白馬が
ビルをとびこえる
いま空にちりながら
ひとみの中で
背中をゆるした少年が
ひとり、待っている
あの弓のむこ ....
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