朝、青空が落下する。
二階の窓からデモ隊は逃走する。
<Let me be taken, let me put to death――>
倒れこむ、ここは勇敢な大都市。
どんな勝利も、ぼくは ....
夜な夜な吹き上がる怒りは何だろう?
現実の仮面を外した時
押し込められた感情が
吹き出すのだろうか?
知らぬ間に
無意識に
それが普通だった
....
今まで黙っていたけど僕はイケメンです
突っ込まないで下さい 突っ込みは後で受け付けますから
皆さんここは黙って僕をイケメンと認めて下さい
今日だけ僕をイケメンってことにして下さい
一度やってみ ....
蝉が7年地中に居る間
僕はその上を這うように生き延びて
美味しい場所を探しては
コソコソと移動を続けた
そんな僕にあなたは
「以前の君はそんなじゃなかった」と言って
これが今の僕だとは ....
空に散らばる
こころたち
鏡のように秋ひかる
テーブルのうえで
キスをしたのは
からだにいいから
夕方にそまる部屋で
影の色ですれあっていた
しあわ ....
あの青は知っているのだろうか
大海の向こうの優しさを
国境を越えた憎しみを
アスファルトに染み込んだ綺麗な血の匂いを
埃まみれの文字に隠された秘密を
届かずに色を失う百億のコトバ達を
....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている
朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
一日の終わる校舎のチャイム。
毎日、毎日。
チャイムは永遠に鳴り続ける。
僕たちは限られた回数だけ。
胸を打たれる。
今日もまた、チャイムが鳴った。
少し淋しげに。
あなたは
きえそうなひかりのまえで
手をかざしている
胸元から
オイルの切れそうなライターを出して
何度も 鳴らす
うつくしいけしきの
まんなかにいる
いつも
き ....
ひと夏のあいだ
あおぎ続けていた団扇
骨だけになって
白いプラスティック
手に馴染んできた
縦じまの持つところ
右手を呼んでいる
いつから皮が剥がれ落ちたのか
水かきの無い手のひら ....
砂時計の砂は落ちる
落ちる
落ちる
やがて砂は無くなってしまう
またひっくり返す
落ちる
落ちる
確実に砂は落ちていく
また砂は無くなってしまう
砂は時間の速さを教えてくれる
時は ....
つきのかわらだ
夜の雲われて
あいつのこころ
鉱物みたいに
ちらばっていた
高速道路の空に
そいつを置きざりにした
強く踏み込んだ
つきのかわら ....
私たちは 繋がっている
無意識下で
現実で
私たちは元々ひとつだった
思想 心理を越えたところで
だから
愛しい
恋しい
憎らしい
寒気を感じるほどのあつさが続いている
語られざる
おおぜいの屍がたてる衣擦れの音は
長い間やみそうに無いのだった
窓の外も中も
もう屍でいっぱいだった
ことに気づかない振りを決め込んだ周り ....
OD(オーヴァードライヴ)
ペダルを踏んだら
尾てい骨から急激に入り込み
心室を除細動する
「見ろよマスター、あいつドーパミンの出し過ぎで下半身をフレンチ95に吹っ飛ばされたっ ....
黄昏を渡った虹
それはそれは
綺麗なものでした
黄金に染まる雲
茜に滲む木々
そして
太く丸い七色は
星のように輝いたのです
半円の真ん中であなたを想い
背中が夕陽に溶けだし ....
永遠をください
愛情も、友情も、信頼も、生命さえも
いつか朽ちてゆくのならば
何故与えたのですか
永遠をください
終わりのない世界
無限の{ルビ刻=とき}を
一人待つ少女
恋人が遠くから手を振って
駆け寄って
笑顔で温かく迎える
そんな恋人たちのそばを通り抜けて
僕も笑顔になる
誰かが今日
どこかで ....
ダリアには毒がある
私はちっとも知らなかった
友達ん家の庭先に
昔咲いてたあのダリア
おっきな真っ赤なあのダリア
あれもやっぱり毒だろか
ちっとも知りやしなかったけど
それでもや ....
何万年もの前に裂けた傷口を塞いでよ
僕等の粘膜が混ざるのを望むのは
溶液だった彼等の本能かな?
だけど生成する気体は過剰反応しすぎて
拒絶反応を起こして分離したから
僕等こうやって穴が空いた ....
さようならに染まる夜の向こうに君はいて
こっちとあっちでチクタク秒針
多分 君はもう寝てる
その頃 私は浴室で現在未来を考える
今日生きていた 明日も生きていたいって
シャワーの中で ....
散々酒を喰らった翌日に
原因不明の痣が三つ
手首と膝と足の甲
手首はきっと
ブレスレットにぶつけたのだろうし
膝のは多分
這ってトイレに行ったとき
けれども足の甲だけは
どうや ....
ある夜 街はずれの広場で
夜空を天幕がわりに
サーカスが催された
楽隊のない 静かなサーカスだ
曲芸師たちはみな骸骨
水晶のように無色透明なのや
黒曜石のように黒くつややかなのや
銀色の ....
夏の終わり
りんりんと鳴く虫の音の響く夜の淵
なまあたたかいぬめり気が
頬をなでる
セックスを終えてアパートを出た後の
このにおい
夏のにおい、のような
記憶のか ....
お前は私の心の中に入り込んでいますね。
お前は私の脳内に仕掛けられた時限爆弾のようにも思えます。
でもお前は私に人並みの感情を教えてくれました。
お前の苦しみと悲しみなどを思うと、
私 ....
気まぐれな
夏の恋に傷ついた
氷の心
{ルビ尖=とが}った氷が
音も無く溶けゆく
晩夏の宵
やがて
秋の虫の音は
一人きりの夜に
無数の鈴を
鳴らすだろう
....
眠るまでの少しのあいだ
自分から発せられる
においを嗅ぎながら
内側から人間の
かたちをなぞってみる
それから
夢の世界にたどりつく
夢の世界に浮かぶ雲
彼もまた
眠るまでの少し ....
彼のことを何も知らないのに好きになって
好きになって好きになって好きになって
今 勝手に玉砕した気になってる
仕事の帰り車の中であなたの姿を見た気がしたの
それだけで嬉しくなって驚いて ....
僕の願望
蛇口から漏れる水滴
僕の失望
冷蔵庫で腐るウインナー
僕の希望
洗濯機の回転数
僕の渇望
テレビの七色ドット
僕の欲望
毛布の温かさ
僕の羨望
君の絶望
木造の教室 木の机
窓辺には忘れられたひまわり
真ちゅうの遊具 ゴムタイヤ
子どもの消えた{ルビ聖所=サンクチャリ}
子どもどころか
風と雑草とさえずりと
{ルビ旅人=おれ}だけか ....
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