階段の下をくぐって
木の合間を通りぬけ
何かと狭い思いをして
ようやくたどり着いた
いつもは人が落ち着かない
そそり立つような
建物の合間にできた憩いの場
モグラの巣にでも
お邪魔した ....
大きく見開いた目は
何かに驚いたようであり
何かをじっと
見つめているようであり
何かを必死で
探しているようでもあり
そして
見えている全てを
ごくごく自然に
受け止めているようで ....
紙面に一字一字綴っても
前に進めないし
後ろに戻れないし
涙も乾かないし
常に左手には消しゴムを
弾力、四角、純白、
これを死んでも維持する為
使う事はない
他の生き物は
紙 ....
人は死す為 生きている
生は罪か 死は罰か
征き着く先は 堕ち征く底は
永遠の果て
君を想う いつまでも
この{ルビ躯=むくろ}はいつか朽ちゆくが
この心は永遠に
朽ちることはないだろう
この心は永遠に
君のものとなるだろう
人の事なんてわかりませんよ
俺に求めないで下さい
いい加減自分の事を
考えてあげたい
俺に求めないで下さい
070903
寝付きが悪いのに
門司港発、佐世保行きの
各駅停車の寝台車に乗って
旅をする
ネットカフェなんて何処にもないから
疲 ....
*
澄んでいく記憶の端から
水色の汽車が走り出します
ため息や欠伸といった
水によく似たものたちを
揺れる貨車に詰め込んで
透きとおる空の下
滑らかなレールの上
どこまでも
どこまで ....
顔が
いい感じで
寝転んだ姿が
可愛くて
何を考えているのか
よくわからなかったけど
ちょっと好きだった
京王線が好きで
就職したら
千歳烏山あたりで
一緒に暮らそうって
言 ....
雨音が
逝く夏を囁くと
水に包まれた九月
通り過ぎた喧騒は
もう暫くやって来ないだろう
踏みしめた熱い砂や
翡翠いろに泡立つ波も
日ごと冷まされて
さみ ....
たくさんの詩(うた)を綴ってきた
陽の当たらない
たくさんの詩を
だけど
無駄なものはない
駄目な子ほど
可愛い
わたしが 褒めてあげなくちゃ
他に 褒めるひとなど ....
良くできたうめぼしは
故郷の懐かしい味がする
すっぱさのなかから
忘れかけていたものが顔をのぞかせて
こんなんだったよね
と問いかけてくれるような
ほどよく皺くちゃで
秋アカネの ....
ひこうき雲が ゆったり
拡散しながら 高度をさげて
着陸場所を さがしている
地につくまえに すっかり
消えてしまう というのに
ー圏外ですー
見えない壁に阻まれて
打ち砕けていく
想いの断片
わたしの中で
バラバラ散らばる
感情の鋭い破片
拾いあつめようと
無造作に触れて
斬ってしまっ ....
もしも、もしもだよ?
笑わないで聞いてね。
…話す前から笑ってる。
真剣なのだから笑っちゃだめ。
そうそう。
その調子で頑張って聞いて。
もしもね、わたしが、いや、あなたも ....
君は 今
自分がどんなふうに立っているか
知っているかい
言葉は 心をあらわし
表情は 心を語っていると
そう 思うだろうけれど
本当に
今 ある 自分を
本当に
....
そ だ あ 照 声
ば か な ら が
に ら た さ 聞
居 が れ こ
て 笑 る え
く え と る
だ ば と
さ あ
い 嬉 た 優
....
今あなたが食べた
その秋の実は
一年に一度しか実がならない
そんな生き物なのです
人の一生の中では
わずか五十回くらいしか
作ることができません
この秋の実ができるまでに
冷たい風 ....
優しさに包まれて
フワフワしていて
気持ちが良い
体の力が抜ける
心の傷も
今日の辛さも
皆聞いてくれる
正しいんだ、と分かる
風呂に入り、汗を流し
ビールを晩酌
体が痛い ....
名前はまだない
さんざめく光に晒されて
大声で泣き叫ぶ貴方は
まだ名無し
名前はもうない
業火の奥で真っ白になり
静かに手を合わされる貴方は
もう名無し
....
辛い事や苦しい事
楽しい事や嬉しい事
どちらを選ぶかと聞かれたら
僕は前者を選ぶ、もちろん後者も否定はしないが
何故かはよく分からない
それは多分多くを学べるから
そこから這い上が ....
太陽の抜殻が
うすく影をのばし
速度を落としていく
過ぎゆくものはみな
風の一部となり
思いとともに
彼方へとはこばれた
恋人がいま
海のまんなかで
夏の手紙を書いている
....
水や峡谷の国の演者が
水や峡谷の音を奏でれば
それが水や峡谷なのか
おまえの水や峡谷はないのか
孤独が{ルビ蠱毒=こどく}になるまでに
自身の何を殺してきたのか
それと ....
あなたに笑ってほしい。
そのために私は、いつも笑っていようと思います。
どれほどの悲しみが、みじめさが、苦しみが、この胸に渦巻いても、
あなたの前で、私は泣かない。
馬鹿な強がりで ....
簡単な語彙、
まるで水の中の魚みたい
な、こと。
喉に、つかえた繭を探して、
見つけて
瑞々しい言の葉、を
邪な ....
こうしてようやく眠りにつく頃には文字は無意味。それより、
倒れ伏したベットから耳に入る、とぎれがちな 車の音が好きだ
それは―、日々の重複を語る白紙の上で、最終行でしたためられる
幽霊達も愛用 ....
耳の聞こえない少女は
街中の人気者です
街の人たちは
人には言えない汚い言葉を
ここぞとばかりに少女にぶつけます
シンジマエ
アバズレバイタ
ジゴクヘオチロ
....
砂時計を反対に傾ける
上が下になって 下が上になる
視界が虐に成り
死海が逆に鳴る
餓えが舌になって 従う絵になる
逆さまにされることにより 再び時は創られる
女と旅に出た
列車に乗って
読み方の分からない駅で降りた
駅員のいる改札を
通り抜けるときに
よい旅をと
駅員に声をかけられた
ありがとうと言い返したが
もう駅 ....
いつかゆく
このばしょ
やんわりとした
ひとたちへ
ふりかえりつつ
おくる
おもい
ありがとう、と
ごめんなさい、の
リフレイン
わらっていてください
ぼ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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