羽が生えた
獣の人は
鋭い牙と
鋭い爪で
社会の飢えを
飛んでいく
牙から滴る唾液と
爪から滴るドス黒い血液が
夜の街を歩く不眠の人の頬に
優しく触れて誘う
堅く閉ざされた建物 ....
野良犬が
片足を
引きずって歩く
なあ、お前
そんなに今日の
月は重いのか
自分には感じられない
重力と引力に
足を引かれて
野良犬は
今日も
片足を
引 ....
{引用=
空を
ただよい
流されていく
やわらかな白を
ばら色に染めながら
闇に墜ちていった日
あなたは秋の夜になった
星座があなたの中をさまよい
....
響こうとして、やめた
あの鐘の試行錯誤が
静かに鳴っている
レンガ造りの壁/床/屋根
その全てに
すべからく神は宿るのだと
その象徴として
誰か ....
カードが散らばる
ばらばら 散らばる
揃っていたと 思っていた
カードが散らばる
ばらばら こぼれ落ちた
手持ちのカードは
揃えていたつもりだったけど
あなたとの会話が
成り立 ....
誰が故郷を思はざる
遠く離れているけれど
暮らす場所は違うけど
私が望むは 故郷の発展
私の心は 兵庫県民
たとえ 今の住みかはちがっても
迎賓館も高速道路も
はっきしゆって 知った ....
あの頃の私は
お父さんはなんでもできる
と信じていた
あの頃の私は
日本が一つの星で
アメリカが一つの星で
その間を新幹線が
走っていると信じていた
あの頃の私を
懐かしく思 ....
黴臭いなにかに誘われて
踊り出た夕闇、上弦の月
静かに静かに
子守唄を唄う乳母の横を
ちいさな孤独が通りすぎた
(それは駆け足で
(夏のにおいがした
てらてらと蛍光灯に ....
パンの匂いが、する
カラスの鳴き声で割れた
やわらかい世界の殻
甘い時間をむさぼったあと
すべてが失われていくまで
もう僅か
あなたは足の指の先まで
すっかりふやけ ....
砂まじりの夕焼けが
河口の水面を鏡にして
車のクラクションまでが
赤方偏移すると
空がどこにあるのか
行方を見失ってしまい
だんだん宇宙になるその正体を
冷たく知ることになる
....
心に三つの部屋があるとする
そこには「快楽」「悲愴」「現在」が個々に存在している
それは対極的で遠く 人によっては近い存在
本来人は、「快楽」「悲愴」に記憶を分別できる
分別するための部屋 そ ....
おぼろ月夜の
淡い光に
照らされて
陽炎のように現れた
秘密の扉
ゆらゆらと
揺らぎながら
こっちへおいでと
誘っている
この扉の向こうに
何があるの?
ためらい ....
日常の 些事に惑いながら
とある都市の 私の小さな小さな
城の一室へ帰りを急ぐ
神田に一万円握り締めて行き
二千円で購入した『魯迅選集』全十三冊
文字たちよ
そして魯迅先生は何とお ....
まだ僕が光っていた頃に読んだ
あの小説を
僕は今
追いかけている
きれいだと思った
その物語の裏側を
僕は今
走ってるんだ
ああ
此処こそ
本当の物語だったんだ ....
君との想い出を抱いて 死んでいけることを誇りに思うよ
目的を持つように見える人々の間を
さも目的があるような顔で私も歩く
ミュージシャンとは付き合うなと言う私に
詩人とは付き合うなと笑いながら君
そんなごもっともな意見を思い出しながら
....
追いかけるのはいつかの夢
{ルビ揺蕩=たゆた}うのは幸福だったころの記憶
抱きしめるのはあのひとの気配
口づけるのは囁かれた愛のことば
燦燦たる陽のしたで赤く爛れるのは向日葵の花
瞬きの ....
ていきあつていきあつ
と いっしんに唱える、
上空を
旋回するビニールの屋根
めがけて
いっせいにひかりは弱まった。
自転車にのって上昇したのだ
こどもたちは眼下にひろがって
車輪 ....
蝉の羽の剥げ落ちる夕暮れなのでしょうか 今日のような日は
ぬるい空気に溺れるように わたしはただ息をするのです
頭の中で
蜘蛛の子が散った
炭酸に身体を
浸したみたいに
鳥肌がたった
放心状態の間は
あまくも
からくも
ならなかった
ちゅうぶらりん
そういやと
他人の言葉を
....
今何周目?
同じところをグルグル回っていると自分が今どこにいるのか
解らなくなってくる
いつだってここに来ればたくさんの詩があり
いつだって会社に行けばたくさんの仕事があり
いつだっ ....
追い詰められているのは分かっている。
足りない機転をきかしてそれをどう切り抜けるか。
気付いているのは皮をめくって最初に見える虚実だけだから。
分かった振りをしてみたって理解には到底程遠い。
....
"夏終り ボンネットには 鳥の糞"
今年の夏はあなたをドライブに誘うはずだったのに
一緒に滝でも見に行こうと思っていたのに
帰りの車の中で「実はさ…」なんていうセリ ....
わたしは新参者だから
とにかくにっこりと会釈する
「こんにちは」
と声をかける
するとにっこり
が返ってくる
けれどもそれは
返ってくるばかりで
声をかけるのはいつもわたし
それ ....
油蝉の断末魔に
ふりむくと
老婆がひとり
まどろんでいた
石段にひろげられた紙の上に
硬貨をひとつ
投げてやった
老婆は顔を上げると
おれの目を
じっと見つめた
あくる日
老 ....
世界が揺れてる。
心が揺れてる。
だからなか。
真っ直ぐ歩けない。
心頭をとぎ澄まし
目をつぶる
全てを忘れる
時に身を任せる
いくつもの悩みと
共に歩いてゆく
苦しみを押さえ
足を踏んばる
星に願いを込め
窓辺に一人歌う
さようならさよう ....
デクノボウと呼ばれ
馬鹿にされても平気だ
誉められもせずとも
気にしない
グッと我慢して
耐える
そして忘却の彼方へ
前を向いて歩く
弱い犬はよく吠える
強い犬はおとなしい
....
東京は寂しい街ねと あなたは笑う
その横で繰り返し相槌を打つ 機械が僕
{引用=(ここは陸橋の下の小さな公園で)
(ふたりだけで)}
遠い日の忘れ物に あなたは愛お ....
なんだおまえら
と、思うはおやつの頃の喫茶店の中
やつら
梟みたく囁いて昼間の光に盲目になっている
バードキス
ひどく汚い音
男は小太りで
ああ、豚骨の匂いがしそうなくらいぎ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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