彼女が僕のために涙を流したとき、
僕は何も言えなかった
彼女のために泣きたいと思ったとき、
僕は涙の流し方を忘れてしまった
そして僕はいま
ただ一人で涙を流す
わたしは
とらえたものを
ひとつ ひとつ
千切って 割いて
溜め息の風に
流します
永遠は
はかないもので
だけれども
信じずにはいられない
だからわたしは
....
たっぷりとあふれんばかりに
湛えて
零さないように歩くアナタの
《ブンサイ》がウラヤマシクて
一滴の飛沫さえと
舌をのばしてもとどかず
しかたがないので
自らもとめようと
行間のふちに ....
そぞろ吹く風に
重たいベクトルは
もうないようだ
藍色がはやく降りる
虫の音がしている
秋はどこからか
煙の香りをさせている
それがこころの
鏡のな ....
紅い空に足跡
群れで飛び立つ帰りの鳥たちが
カイトを引っぱって
うごく星座の結び目たち
ゆうぐれに影の成す
シンクロのダンス
花が半ば眠りそうに
しおれていた
風が吹いても
....
孵化を望んで
親鳥は 卵を抱く
来る春を想って・・・
けれども
いくら 温めても
孵らない 卵も
時にある
それは 自分だと思い
つまらなくて 石ころ ひとつ
蹴る ....
ホットチョコレートみたいな
カオスが溶け出して
俺のフィールドを侵食し始める
午後四時の憂鬱から逃げ出して
俺はインターネット・カフェから
状況の報告をする
俺はこ ....
淡い淡い夕日
ほら、顔に映って
ぴんくいろだよ。
きみ、ね。恋してるでしょ?
なんでわかったかっていうとね。
ココロの音
すごい音量だよ。
あたし、もう気付い ....
子供は死んだ喜びを抱いて
大人は生きた悲しむ大地に
鳥が飛んだのはその三日後
平安時代の山上憶良が和歌を読む
「明日にでも助かる命ここにありあが泣いても山はく ....
夏の終わり、風
やわらかく
それは
肌ざわりも色彩も
二本目の煙草に火をつける
木陰はずうっと黙っている
つくつくぼうしが縁をとる
夏の終わり、風
....
今日も呑めない
酒飲みながら
待ってる 待ってる
来るのを待ってる
今日もどうせ
返事は来ない だけど
待ってる 待ってる
返事を待ってる
くだらねー 仕事 して
今 ....
必要な世界を吐き出す為に
必要な世界を選び取る為に
咽喉仏に針を突き立てる
冷やかな笑いと冷やかな汗
そしてすぐに熱を持ち始める
冷静なんかじゃ居られない
ふざけた顔を真剣な顔にして
真 ....
昔はよく強風でガタガタ音を立てていた窓
今はすっかり静かに落ち着いてしまった窓
家の所々の窓は割れているものもある
新しいものと取り替える必要はない
割れた場所から外の空気が入ってくる
それ ....
叶いかけた夢
そっと地に置き
踏み潰す
地は染まる
紅く
(紅く)
失いかけた光
優しく抱きしめ
光消す
辺りは染まる
暗く
(暗く)
永遠を抱きしめ
夜濁す
空っ ....
やがて来る 浸水した床下から
新しい手が生えてくる
風が走り去った午後の遊園地
ベンチには黒い影が二つ 揺らめいている
そして二つの風船 雲の彼方へ消えていった
全ては千切れた羽の様 ....
あの人は今が旬だから なんて言いますけれど
今は夏なのですか 冬なのですか 秋ですか春ですか
輝ける時はいつですか
あの人は今が旬だから なんて言いますけれど
季節は巡り巡るので ....
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
....
夏は
出番が過ぎたのか
まだいてもいいものか
わからずに
うろうろと彷徨っている。
秋が後ろからせっついて
夏は途方に暮れる。
もういいから
夏よ、おやすみ。
ゆっく ....
雑居化した荒れた町に
人通りの無い
青葉町商店街
アーチのネオンは灯らず
生態的ニッチが小さくなる
デパートの中のマック
コンビニが流行る
町からは心が無くなる
話をすれば楽に ....
あの娘は北極を指して
箱の中に飼われた鴉を飛ばした
夕焼けを見る前に眠っていたから
羽根の色を知らなかったらしい
夜が明ける前に眼覚めていたなら
硝子の破片で怪我をすることも
無かった ....
我ガ大日本帝国ハ戦争ヲ永久ニ放棄スル。
国ノ交戦権ハ、コレヲ認メナイ。
他国ニヨル攻撃ニ対シ、武力ヲ以テ当タル行為ハ全テ禁ズル。
ソレニ依ル国土ノ喪失、又ハ国民ノ生命ノ喪失ヲ、国民ハ甘受セヨ。
....
「昨日の夜、何してたの?」
(何か隠してるわね)
「うぉっふ」
(何か隠してると思ってるな)
「そう?でも夜中まで携帯が鳴りっぱなしだったわよ」
(何か隠してると思ってると思 ....
まったく信頼のおけなかったあなたの言葉たちが
今になって痛い程、頭の中でくりかえされる。
(離さない、すき、 特別、 一生・・)
{引用=ひとりで、食べる 朝食。}
....
石川遼くんが
プロとする緊張感と
すがすがしさのなかでプレーをした
プロに参戦した記者会見でそう言っていた
なんと覚悟のある言葉であろう
なんと受け入れのある言葉であろう ....
溶け出した日々の力は
透明な糸巻きに絡め取られ
季節の風景を作る
色の音は季節ごとに変わり
風を数えながら進む
わたしは縁石に座って
二階の窓から聞こえる
にぎやかな声や音を
大学生たちの
麻雀で明かす楽しい夜の
酒の宴の
どよめきに
泣かされていた
{引用=悲しいことは ....
ため息の瞬間は
一度落として再浮上させる
ギアチェンジのようだ
うまくいかない
何度もギアを入れ直す
あなたは
うまくギアが入らないねと
やさしく言う
うまくギアが入ると
ギアが入っ ....
がっくりと
落とした肩を拾う
何かの実のように
赤く色づいて
種を持っている
やがて発芽する
青くてたくましい
力を持っている
肩は落とした数だけ
冬を語っている
肩は拾った数だけ ....
今
コウちゃんはプチ家出中
あるじのいない暗い部屋には
ただ
散乱するユニフォーム
ことの起こりはこうだ
高校生のお弁当タイム
コウちゃんは
意気揚々と開いたらしい
すると
....
薄紙は
とても破れやすいから
私はいつでも
言いなりになる
ことばの数だけ
肌を重ねて
ほんとうの恋は
最初だけだと
いつのまに
私は気付く
あとは
薄くなぞるだけ
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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