付けっぱなしのテレビから
砂嵐が流れてきました
コオロギの鳴き声も
少しずつ増えていきます
私は耳をすませて
色々な音を聞いているうちに
どこか遠くへと
意識を流しました
暗い部屋の中 ....
鏡を見ると耳がない
ああ、なんて愚かなんだろう
僕はいつの間にか落としてしまったのだ
どの路地にも落ちているたくさんの耳
あの中に僕のも落ちているんだ
耳とは喧嘩したことさえなか ....
冬、夜の霧雨
ダンボール屑が散らばる
指先でつまめばいともたやすく引き裂かれる
ダンボール屑の前には公園
入口で何度も何度もバイクのキーを回し続ける青年
横には彼女らしき女性が ....
粉雪 降る中
歩く
ふたり
企業戦士のあなたが
病気になって
始めて 訪れた
たおやかな 日々
あなたには 悪いけど
経過も いいと
先生の折り紙付きだし
仕 ....
蝉の鳴かない朝でした
胸の端からほどけてゆくひかり
できたばかりの海は睫毛に乗る軽さ
静かに浮かぶ顔に人知れず声を燃やす
髪を結んで横たわる
約束、と呟いて水より生まれし数字を ....
二十歳の黒髪のような、
ブルックリン橋から、曙橋を繋ぐ空が、
未踏の朝焼けを浴びてから、
青く剥落して、雨は降ることを拒絶した。
とりどりの青さを、さらに青く波打って、
空は、傘を持たずに、 ....
炭 酸 ペ ッ ト ボ ト ル の 蓋 を あ け れ ば
名 前 の な い 星 た ち が 突 然 あ ら わ れ て
天 ....
BGMは
ラブランドアイランド
ボロボロのサンダルが
歩くたび地面とこすれて
気持ちいい
けだるさ
全速力で駆け抜けたら
オアシス、はどこだ
途中コンビニで
エロ本を買おうと ....
過去にどんだけ後悔があっても
今にどんだけ情熱を注いでも
ぼくは。
反省はしても後悔はするな、なんていわれても
やってみなけりゃわからない、と背中を押されても
ぼくは ....
野っ花
なんで花は
こんなに美しいのか
僕はいつも不思議に思う
鍵っ子が道を尋ねてきた
僕の帰る方向はどちらですか
僕は少しいじわるをして
どちらでもない真反対の道を指さした
鍵っ子はありがとうとお礼を言って
その方向へと歩き出した
僕 ....
お母さん
ぼくのパンに
そんなにごてごてと
ピーナッツバターを塗るのは
やめてください
まったく
胸糞が悪くなるんです
春の息吹に薫る若草よりも
熟れた艶やかな林檎よりも
蜩の鳴く暑さに揺れる海よりも
あたしはもっと輝いている人と思われるのです。
ふわふわ浮かぶ風よりも
さらさら流れる ....
完全な中庸などないと知った日に
校舎の壁は夕日に照らされ
赤々と美しかった
{引用=あの日
誰かが言った
「さよなら」に
返事をしてしまった
僕がきっと馬鹿だったのだ}
泥に被 ....
070913
ぼん ぼん ぼん
ぽろろん ぽろろん ぼろろんろん
ぼろぼろ ぼろろん ぼろろんぼん
ボボボボ ボボボボ ボボボホボボ
ふーふる ふ ....
白く閉じた世界で
差し延べる手を待って
ただここでうずくまって
心は冷えていくの
白く閉じた世界で
零れた熱はどこへ?
いつかの虹も枯れて
消えていく空の色
....
昨日 死んだ筈の鳥が
黙って 今日 生き返っている
其れは結局意味の無いことだと気付いて
今更 涙が出る
感情なんて
要らないものだろ
燃やしてしまえよ
憎しみしか生まれないだろ
....
ちょっとだけ
前向きな自分
ちょっとだけ
頑張ってる自分
そんな自分を
好きと思える自分
ちいさなしあわせ
探し歩いて
遠回りして
やっと少し見えてくる
ずっとそれの繰り返し
失敗するのが怖かった
同じことを繰り返すのが怖かった
でも始めなきゃわからない
始めてみなきゃ終わりもない
....
きみが眠っている間に、
きみをゆるめる。
きみは包帯に巻かれていて、
包帯はとてもきつく巻かれていて、
ぼくはいつもゆるめたくなる。
自分がきらいで、
自分 ....
大人は大概
子どもに無理に
ピーマンを食べさせますが
実際のところ
ピーマンの栄養価なんて
たいしたことはありません。
だというのに
子どもが美味しいと思うはずもない
緑色してひど ....
ひねった!
手首が痛い!!!
やってやんねえ。。。
ゴミ大家。。。
鼻毛出てるぞ。。。
ゴミ大家。。。
口が臭いぞ。。。
ゴミ大家。。。
....
上昇気流
跋扈閉じて
跋扈と化す
あくなき闘争と
美談
不思議に思う私
いつの日にか
また会える
その日をノゾミ
カナエタマエ
....
ここをまっすぐ行くと自由になれる
そう言われて
僕は街灯の下に立っていた
街の光は
人々を魅了し
増えていった
僕の後ろには
小さな明かりの
小さな町
僕は本当に
これ ....
ほっとけないほっとけない
ほっとけないほっとけない
ほっとけないおまえがほっとけない
ほっとけないと思っていたおまえが
いまはほったらかしているおまえが
ほっとけないほっ ....
はんぶんこ
君と僕との間を
はんぶんこ
もう言葉は必要ないね
其れはすごく素敵だね
けれど
言葉以上の愛を語るには
それだけじゃどうしようもなく
物足りない
そうだね ....
僕が結婚相手を選ぶときの判断基準 それは
おいしい豚汁を作れるか、否か
僕にとって結婚とはそういうもの
君がどんな音楽を聴くかとかどんな映画を観たとか
どんな本を読むとか実は漫画しか読ま ....
ものの5分
たちまちにして脳は働きをやめ
sexual desire のなきわが脳髄は
深き休みに入れリ
花畑の隅のベンチに座り
ビールに酔い
心地よ ....
仮眠のつもりが中途半端な時刻に起きてしまった
私を迎えてくれたのは激しい頭痛
朝に降る雨のようにしばらく止まない予感を孕ませながら
私はもうどこへも行かないから
望みどおりに寝かせ ....
出だしのことばにつまったままの僕に
アルフレッドの声が聞こえてきた
日常を越えられない世界で
はいずり廻る者達のための
優しい歌が好き
この世 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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