観察日記の
最終ページにある
やさしさは時に
人を不幸にする
の文字が
青く滲んでいる
向こうには
形跡が虹みたいに
消えていて
雨でも降ったのか
経験のように
過ぎ去る日々はま ....
始終電車の中で揺れているような一日だった
駅のホームで一息をつく
そんな感覚でベランダへ出て
ジーンズの裾を捲り 風が吹くのを待つ
どこか遠くの方では
花火が上がる音が聞こえている ....
なぜ君ら
かかわって来るんだ
少し黙れよ
雨の日に
濡れる右肩
君に見とれる
必要ないんなら
教えてくれない
やめるから
青春時代の青臭い
どうにもやりきれ ....
矛と盾を生み出して
火の無いところに煙を立てる
白と黒を混ぜ合わせて
どっちとも取れる色を作る
そんなもんです
軟体動物に串を刺して
こいつにも ....
ラジオステーション#12で
女たちの嬌声がはじまっている
ぼくたちは通信を確立しようとする
月は襞におおわれながら、
打ち破られるのを待っている
低周波電流で筋肉をびくつかせ
煙草と硝煙の ....
もういいかい?
まだだよ
なんて二人して楽しかったね
だけど君に見つかったとき
言えなかったんだ
好きだって事
学生時代みたいに
遠くから眺めてそれだけで
僕ら幸せなのかな
走ってい ....
酔っ払って
海岸に
遠くの音
ひずみの向こう
波は立ったまま
立っている
寒いのは
恋人を連れていないから
あたたかい手を差し伸べる人を
遅くまで起きていても
誰も叱らない ....
きみを傷つけてみたかった
やさしくなって、ね
実家に帰ると
父はいつも
私にポテトサラダを薦める
それが彼の好物だから
私はマヨネーズが好きでない
それでも父が皿に盛ったポテトサラダを
一応は受け取るようにしている
それに気 ....
荒涼とした原野に
流転の種は解き放たれ
十五夜の月が
黄金色の蜜を
大地に垂らし
豊潤の実りを
見つめている
舞う種は地に根付き
芽は硬い殻を破り
一息呼吸する ....
「 シジン 」
詩を書くひとが すべて詩人というわけじゃない。
詩のような生き方が
詩そのも ....
昨日 おかんが泊まりに来た
おとんとの惚気話、散々聞かされた・・・
おかんよ
これでも うち傷心やねんで?
まぁ仲良うしてんねやったらエエんやけどな
今日 おかんが帰った
そしたら ....
「あと1分」
無骨な声が響きわたる
モニターは緑の直線を描いている
注射痕で赤紫に染まった
骨ばかりが目立つ手に
わたしはくちびるを そっとつける
将のなまぬるい肌が微か ....
犯した過ち数知れず
されど今更如何にもならぬ
二度と過ち繰り返すまい
幾度と自戒し
新しき日々を積み重ぬ
体いっぱいに
内臓や肉や骨を詰め込んで
さあ出発だ
横断歩道を渡り
魚の肌を横切り
宇宙ができる以前から咲いている花を
アスファルトに練り込みながら通り過ぎて
コンビニとともに混濁する
....
070925
こけら落としの上演には
伺いますと
従兄弟のこけしが呟いて
お財布の底を覗いてる
たった一枚
見せ金の一枚だけが
身を固くして ....
ねぇ、なんで生きていなきゃいけないの??
─それはね、君という人 が、この世に必要だか らだよ。
でもさ、人はいっぱいいるよ??
僕1人消えたって、他にいっぱい人いるじゃん
…僕、 ....
ぎらぎらと
眼の光る犬が
飼い主に首輪をつながれ
通りすぎた
わたしもあんな眼で歩き
いつも空から{ルビ観=み}ている飼い主が
今日という日にそっと隠した
見えない宝を ....
弟と川辺で遊んでいると
親戚のおじさんが流れてきた
僕達の作った小さいダムを壊しながら進み
ちょうど僕と弟の足首に引っ掛かるようにして
おじさんはやっと止まった
おじさんは皮膚の中で ....
捨てられた便座の{ルビ蓋=ふた}が
壁に寄りかかり
{ルビ日向=ひなた}ぼっこしている
日射しを白い身に浴びて
なんだか
とても幸せそうだ
わたくしは
懐古主義者なので
懐中時計を買った
てのひらに
すっぽり収まる大きさで
二時の後に
六時になったりする
マイペースな銀鼠色の
愛いやつである
『浪漫主義』を
『ろま ....
ガラパゴス やりすごす
クアラルンプール 来る不安ブーム
イングランド 韻が乱動
アメリカ あ、目に蚊
オーストラリア どうするといいのか
フランス 腐乱す
....
・
駐車場で暮らす人と知り合いになった
駐車場の
車一台分に四角く区切られたスペースに
うまくお布団を敷いて
机を置いて
入れ替わり立ち替わりする車のヘッドライトを灯りにし
雨が降れ ....
手の平
すり抜けて
失ったもの
ひとつ
ふたつ
いくつ
手の平
合わせて
守ったもの
ほんの
かすか
わずか
最後の夢見 ....
猫になりたい
しなやかな肢体を丸めて
吐き気をもよおす雑踏の臭いに鼻をひくつかせて
大きなエメラルドグリーンの瞳は死んだ目をしたサラリーマンを捉える
コンクリート砂漠の片隅で
1、2、3 ....
のぞいてごらん、おまえは蓮華畑で興奮している、鼻腔を刺激する春の芳香のなかで、何かを追いかけ、また何かに追われて、ちいさな蓮華の花を踏み潰すたびに熱くなっている、いけないことをし過ぎて気持ち良くなった ....
街に日が射して
コンクリートの
続く壁面が白く発光しているのを
たよりにつたって
あるいて
その擦り傷のようなざらつきの
わずかな影のさき
壁の尽きるところの
晴れや ....
…ま、いいさ
使い古されたすべてが私の背後から
無意識という意識でこちらを覗く
見捨てられることなく許された場所に居て
許されたことで
私はこの瀬戸際の苛立ちを
自分の記憶に埋没さ ....
すらすらすら
どこからともなく現れて
消えていく景色を
すべて言葉にできたら
なんてらくなんだろう
すらすらすら
思っていることと
考えていることは
少しちがうけれど
どちらもう ....
ふうせんガムを背につけて
うそつきが空を飛んでいく
「らいねんまでには戻ります」
いいから降りて働けよ
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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