ヤだよ。
俺の心に開いてるのはピアスホール程度の小さい穴じゃ無い。
なら心ごと噛み千切ってくれ。
俺を傷つけて良いのはお前だけだぜ。
都会的な駅の風景に紛れ込んだ
荷かつぎの老婆は
自分は昔からそうしているのだと主張するかのように
背中の荷を左右に揺らしながら
いつもの朝を始めている
満員電車の中
上等な仕立てのスー ....
071003
乳児院が廃院となって
ガレージセールで売られてる
買う予定のない人も
子供付きならばと
好奇の目をして立ち寄って
ガレー ....
十月の、
霧雨に染みて
薄紅いろの細胞膜が、
秋桜、
空に透ける
十月の、
夕暮れの風に惑って
枇杷いろの金木犀、
満ちる、そこらじゅう
それらの
秋という色や匂いに混 ....
らんぷ一つのテーブルに
湯飲みはひとり
ねじれた影をのばして立っている
窓の外から聞こえる
鐘の音や鈴虫の唄
歪んだ唇を開いた{ルビ縁=ふち}からすいこみ
器の形のままに入 ....
重力を凄く感じて、体がズシリと重い、ずっと続く倦怠感
あの頃の私の体は、何の言う事も聞かなくなっていた
それを余所に君は、蝶のようにヒラヒラと軽く舞って見せる
妖精みたいな君が、どうしてこんな薄 ....
ひらたいいしをえらんで
すいめんにむかってなげた
とんで
とんで
とんで
しずんだ
しばらくのあいだ
ぼーっとしてた
いぬがとおりかかって
わん、とほえたから
ぼく ....
あまりに静かなので
どうしたものか
耳を澄ますと自分が
階段になっていることがわかる
踊り場には
温かい春の光が落ちて
多分そのあたりに
思い出はあるのかもしれない
遠くで ....
窓を大きく開け放ち
男はそのままの姿勢で倒れこんだ
夜風にカーテンがゆれるだけの
ささやかな部屋
カーテンの色はミントブルーで
男の好きな色なのだった
思い出の中で静かにゆれている
今も ....
昨日の充実
明日の希望
今日の生甲斐
今
今の命が
息吹くとき
隣にいるのは
いつも
君
僕の命の半分は
君の心
僕の頭の半分は
君の命
....
恋人のお母さんが睨みます
子供の恋人が苦笑いします
なぜ??
私には学歴がないから..
こんな世の中にしたのはだれですか
名乗り出なさい
そう言っても
....
君と出会わなきゃ良かったなんて思う
こんな憎めない笑顔の価値が当たり前になるなんて
君と出会わなきゃ良かったなんて思う
どんな残酷な別れ方でも愛していただろう
君と出会わなきゃ良かった ....
どこまでも見渡せる
深緑の大草原に立った僕の
目の前は限られていた
可能性に限られていた
右にも左にも前にも行けた
でも後ろにだけはいけなかったので
遠くに微かに見え隠れする
夢のような ....
秋を肴に一編の詩
まずいな
無口な月が雲隠れ
うまい酒は
そうあるものではないからな
あのひとがいなくなった
突然 ぼくには
あのひとにはもう会えない
おそらく ぼくには
辛い肴 ....
やさしい足で走っていたら
胸まで砂の入る転びかたをした
目の前にある白く小さい手は
逆光で誰ん手か判らないまま
わたしはその手にすがろうとはしない
胸に入った砂が肺で
雑ざりあって ....
石を投げたら
海に波紋ができた
ルーツ
無駄にして
深いところに落ちる
波紋を見上げて
できそこないの光に触れる
棒読みの辞書の中に
金字の注釈 ....
湿ったソファーに沈みこんだ
少女の
くちびるからもれる
母音の
やさしいかたちを
泡にして
水槽のふちに
浮かべている
*
贈られた模型を
にこやかに受け取り
持ち帰って ....
思いっきり声を上げて泣きたいのに
それすらも出来なくなってしまった
感情とはこんなにも脆く儚い
くちびるから洩れた
やわらかな言霊は
鮮やかな弧を画いて
森の揺れる夏の午後
無垢な白い笑い声を背に
七色の橋を渡って
空を掴もうと伸ばした
ゆびのすきま
棚引く髪の小高い丘のうえ
....
君は僕の貸した小説
『楢山節考』
『田紳有楽・空気頭』
『北回帰線』を
一ページも読もうとはしなかったね
君は僕の貸した詩集と句集
『山之口貘詩集』
『夜のミッキー・マウス』
『西 ....
窓辺のロンリネス そこにいないで
翼ある者たちよ 飛び立て
あの青く澄んだ{ルビ高処=たかみ}へと今こそ
求めるものはあまりにも遠くて
追いかけてた夢にもはぐれてしまった
あきらめないで ....
瓦礫に腰かけて
悩んでいる天使がいた
天使でも悩むんだ
と僕は云った
天使だから悩むんだろう
と君は云った
そうかもしれない
どうして悩んでるんだろう
と僕
翼が汚れているか ....
気安い同情とクレジット・カード
じつに雑多なものたちを乗せ電車が行く
(混沌、混沌。コントン、コントン……)
プラットホームにいびつに立つ 性欲と性欲
....
ゆつくり
どんどん
まつたり
まだまだ
じかんも
こころも
おかねも
からだも
まだ
だいじょうぶ
なの
きつと
あるけ ....
濡れ縁に向かって
みずみずしい素足
包絡線ぎりぎりで飛ぶ
剥がされたもの
必要無かったもの
水に自分の貌を写したり
他愛無いうたにひるんでみたり
はるかな結末への
錯誤ははじま ....
小学生の頃、学校から帰ってきて喉が渇いていたので
冷蔵庫を開けた
コップに入っていたアイスティーがあったので早速飲んだら
それはブランデーだった
それが初めて知った大人の味だった
今でもブラ ....
遅れて跳ね返った言葉が心を抉るイカれたディレイ
自分が吐き出した言葉繰り返すだけのイカれたディレイ
覚えのない言葉が俺を突き刺すイカれたディレイ
忘れたころに響きだすイカれたディレイ
....
フローラ…
春の木漏れ日を浴びて
深呼吸する君は綺麗で
僕は隣で寝そべったまま
君の横顔に見惚れていました
フローラ…
摘み取った花を結い上げて
冠を纏った君の姿は
....
マシュはとなり町の病院で死んだ
マシュが愛した
マシュの本屋では死ななかった
マシュは本屋だった
この町一軒の本屋だった
マシュの店は正方形
そこにふるびた黄色い本
この ....
真夜中に突然、玄関が開いて自分が帰ってくる
という光景を、ベッドの中から眺めるのは
とても不思議な気分だ
ああそうか、俺死んだんだよな、昨日の朝
死因は自分でもよく分からないけれど、
きっと ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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