もう
何もいらない
あのひとさえ
こころから遠ざかって
あの過去の記憶も消えうせて
ああ
そうなれば
どんなにいいだろう
わたしという存在
それは無用なものなのに
昨日の夕焼けの事を
思い憂うこと勿れ
だってそうだろう
朝焼けに向かう方が
近道じゃないか
ここは
夕焼けの墓場
毎日毎日死んでしまうから
ここにそっと葬られるのさ
見て ....
こちら、さよなら商店です。
さよならの代わりに役立ちそうな言葉を取り揃えて御座います。
どうぞ、どなた様もご自由にご利用ください。
一、
面倒くさいなら
荷物をまとめて
あたしの内から ....
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
衣類を剥いて 手足を縛った
跡が残るように きつく きつく
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
....
「じかにふれてみればわかる」
男は女の手を握り
宮殿内を歩き回った
久しぶりの休日だった
彼女は大理石の花瓶の中で
プリマのように くるくると
まわってみせた
も ....
椅子の並んだ暗い部屋
映写機の背後に立つ人が
かちっとスイッチを入れる
闇をつらぬくひかりの筒
スクリーンに映し出す
交差点を行き交う
無数の人々の足
試写室の ....
だるい西でカーテンが
光に負けて
ゆ、ゆ、ゆ、
項垂れるように光になり
ほら、カーテンの
半透明の脱力が止まらない。
橙色へ、ゆ、ゆ、ゆ、
痛みを伴って、どうして ....
建築中で骨組みの
家の前で
彼はぼうっと立っています
皆それぞれ忙しそうに
柱の上や足元で
とんとん釘を打ってたり
しゅっしゅとカンナで削ったり
重いバケツを運んだり
....
白昼夢ドッヂボール
{注回転かけたら=ソフトバレーボールを親指と人差し指でつまんで投げると、下におちていくボールを投げられる。}
{注こうじくん=友達}が怒ったから、
「ごめんなさい」
{注う ....
{ルビ呑気=のんき}な仮面を被っていても
ほんとうは
わたしもあなたとおんなじように
ひとつの大きい影を背負って
流浪の旅路を歩いています
木造校舎の開いた窓に
手を振って ....
寂れた教会に嘆きの歌声が響く
優しい旋律が辺りに流れ出す
顔の半分が壊れた銅像
それでも神に祈りを捧げる
老婆は今日も来る
一縷の光が導く明日への階段
希望の後の絶望を ....
刹那の叫びの声のする方
深紅の瞳をした少女が
何も言わずにこちらを見ている
赤い扉は未だに開くことはない
指を売った少年が残りの指を売りに出す
手の中には掴む事の出来ない金 ....
いつか、迎えの時が来る
そう信じている
だが、実際の所は何も来ない
遠くの街から響く鐘の音
その鐘は見たことがない
僕らは未だその街に住むことを許されていない
想像の中の街の姿 ....
コロッケは生活の象徴
雑然としたテーブルや
家族の遠慮ない声
今日という一日の繰り返し
晩ご飯はコロッケがいいな
ミンチとじゃがいも、あったね
二人でやると早いよね
....
巡り来る時が
交錯する瞬間
ゆっくり、たおやかに
観覧車が宙に弧を描きはじめる
小さな箱の中では
あたしとあたしの中の永遠のこどもが
膝と膝をくっつきあって
回る…ね
....
鼻腔に遺された
親友のお骨の匂い
身体に染付いた
病院の匂い
金木犀でもなんでもいいから
どうか消して
いい香りで
わたしをいっぱいにして
まるで終わらないみたいな、空
彼岸に乱れる紅の花
音もなく太陽が黄道を{ルビ傾=かし}いで
ふっと、突然に夜を連れて
気が付けば昨日よりも深く
夜が、深く、沈んでいく
音の響きは明らか ....
湖畔の部屋
ガラス窓には
夜のみずうみが
黒い火事のようだ
町にむかう橋
ふたり見つめる
光たちの流れ
ふたり去来する
湖畔の部屋
ガラス ....
最近 急にお前が大人びて見える
きっと俺がまだまだ幼いから、しゃべりづらかったんだな
{引用=
ごめんな
}
子供っぽくてごめんな
お前の好みの男 ....
家庭崩壊 間際に、パパは今その団欒を取り戻す準備
夕食さえ愛せれば早く帰るだろうけど、ママの手料理じゃマズイ。
社会崩壊 間際に、社員は今その原稿を見直す準備
残業も愛せれば出世するんだろう ....
I wish I had wings, I could fly like a bird.
Though we have foot to walk and jump,
do you still ....
夜の街は
冷たい
君の手を
拾って
僕は行く
遠く
銀河へ
寂しくはないよ
寂しいから行くのさ
寂しいところへ
寂しくないように
遠く
銀河で
星が
駆け抜 ....
予感する、
みどりの枝葉は
たわわなきんを孕み
ひとときの甘い溜息や戸惑いを
その足元に散りばめる
枇杷色の、
おぼろなる気配は
風の匂いに神無月の宵闇を語り
遠くなった声の記 ....
およそ人の来ない舗道に倒れてから、ずっと静寂に身を預けていた。手や足は動き方を忘れてしまったようだ。
このまま寝てしまおう。駅まで20分。終電にはもう間に合わない。歩く気力も無い。
音楽は流れては ....
きみのゆびさきが
ふれたところから
かなしみが
そっと
しみだして
やがて
あふれだす
僕たちが約束した
「いつか」は
もう きっと
永遠に ....
(彼を舐めれば桃の味がすると知っていた。)
愛の言葉を軽く口にするあなたの耳障りな断片を
くちびるで閉ざした
気だるい夕立の中
ぼやけた視界の中心核となった
あなたの背中が牙を ....
黒髪を 風にすいては色もなく
岸辺に咲いた 白い花
ひんやりうずく 視線に限られ
カラスアゲハは はねを日に焼き 沈黙を舞い千切る
ドラムに合わせ雨が降り
やがて収まると静かに
霧が会場を包み込んだ
うす く うすく
疎らな客席が冷たく
こちらを眺め
舞台を突き刺している
照明は雨霧をかわし
なんとか会場を ....
ロクに眠れない夜を過ごす内に
頭の中に小さなモンスターが生まれた
ヤツは俺に囁きかけてくる
やってしまえ
気持ち良くなれるぜ
ドロドロした渦に抗うのは止めて
身を任せて狂気を解き放て
....
追憶の草むらに少年が一人佇んでいる
阪神タイガースのキャップを目深に被り
みすぼらしい水筒を肩からぶら下げて
自分の人生よりも遠い場所を
睨み付けながら少年は佇んでいる
水筒の中にはジャック ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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