指の形を覚えている
緩やかな節への流れと
その静かな温度を
ある日私の地平の向こうへと
吸い込まれていった
橙の夕暮れも透明なカラスも
かつてはその指を知っていた
今は置き去りに ....
神様は
木でも
炎でも
時でも
影でも
宇宙でもあると知った
ただ
天を仰いで
贖罪や救済を求めるのは
少し違うと思った
人 ....
ここから見える景色は
いつも同じで
夕日が沈む頃になると
誰かが食事を用意してくれる
食べる物には困らないが
自由がない
いつかこの狭い空間から
逃げ出そ ....
いつからだ
ものうさを知りながらも
おれたちは
後悔の猿ぐつわをはめて
家を出る
時計を振り切ろうとしながら
車のメーターなんかに
気をとられていると、見落としがちな
機会もあるぞ ....
マラリアのような空の下 猫の親子が歩いてる
僕は極楽鳥の羽を漁って そいつを黒服に売り渡す
いかしたスーツとネクタイが どうにも癪に思えたから
嫌味を隠したその口で 「素敵ですね」と呟いた
街 ....
アナタ言えますか?
グラサンかけてマスクして銀行に行き、モデルガン持って窓口で・・・
「貯金したいんですけど」
アナタ言えますか?
大火事を消火活動中の隊員 ....
朝、ぼくの季節は二十五歳で
ざらざらとした空を
東から西へ
たとえそれが夢だとしても
渡って、どんなにボタンを押しても押しても/押しても
改行できないでいます
ぼくが、ベーコン ....
どうも ありがとう
そこそこ元気でやってます
たぶんなにかを毎日忘れてる
からなんでしょう
ところで あなたは?
と聞き返せないところが
なお茜の空に消えてゆきそうです
....
うつぶせに寝る
一週間分疲れたからだを
ほねつぎの先生は
大きい手の親指で
ぐぃっ ぐぃっ
とのばしてくれる
「 マッサージしてもらい
すじがのびると
....
パソコンの電源を落とした
画面の暗い鏡に
カーテンを閉めた隙間から
入る一筋の日射し
うっすらと照らす
ぼやけた私の白い頬
暗い鏡に映る自画像の
背後の壁に
風にたなびく ....
市松模様の浴室から
明日 飛行機が堕ちるなんて夢を見る
あの娘の声が聞こえる
淫らな色が石鹸で隠されている
シャワーで罵倒を洗い流す
何かに怯えた眼をしていたあの娘のこと
誰も知らなく ....
霞みの径がいくつかに枝わかれして
闇は星運きに尋ねられるくらい澄んでいたから
夢をどこまで昇れば神さまに会えるのか思いあぐねた
うまれ始めた虹をいくつか過ぎる夢
きのうの歌を唄う夢
大気をよ ....
拝啓の文字が
背景に消えそうな
若くたよりない
母を呼ぶ声は
遠雷をおそれる
風鈴がからだを揺らして
細い糸にぶら下がっていた
そして大人になった今
いつしか切れた糸が
まだ頭につい ....
確かに通り過ぎていく時間と 多すぎる人々
その中から 出会えてココにいる 奇跡
全てが 未来へと続く偶然
心って素直になろうとするたびに
そっぽを向いて
伝えたいこと 伝わらなくて ....
ピンクの象と黄色のキリン その横で
下の青いにんげんがお父さん
真ん中の赤いにんげんがお母さん
いちばん上の黄色いにんげんが尚ちゃんです
そんなふうに
わたしたち家族が積み上がっている
6 ....
Tetrastich《仏》四行詩
* * *
君にその言葉が必要で
それを言ってあげられるのが僕なんだったら
飛んでいってでも伝えるよ
だってそれこそが僕の使命だから
....
陽は、夏を忘れさそないように眩しいけど。
風は、確かに冷たくなってきて。
もう、寒くなるんだな。
また、寒くなるんだな。
忘れかけたい記憶に。
ちくり、ちくりと刺さる。
....
その男は
音もなく戸口に立っていた。
帽子を深く被って
顔はよく見えない。
ーあんたの夢を買うよ。
ー・・・
ーあんたの夢を買うよ。
やっと答えた。
ーどんな夢 ....
嫌い
大嫌い
何もかもが嫌い
顔も見たくない
消えて欲しい
…ごめんね
子供の頃から場当り的に生きてきた俺は
ドブネズミのように美しくはなれない
ビルの屋上から町を眺めている
ここから見下ろすこの町の風景は煌めいている
ドライブする恋人たちが全速力で俺を祝福し ....
鏡に向かって言ってみる
私は一番
私は人気
私は憧れ
私はステキ
私はおもしろい
私は偉大
私は素晴らしい
目を開けると現実の私
少し泣きそうになる
....
歩いていく
あのひとの背中が見える
ふと
立ち止まって
花に顔を近づけて
思い切り息をすいこんで
花の香りが
たくさんあのひとを
満たすだろう
そんなところが
好き
それは
ぼくの唯一の甘えだったのです。
ぬるい優しさにつかるうちに
優しさってものを見失い
ちゅうとはんぱな愛情に
ホントウの愛を迷子にしました。
手にしていた ....
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された ....
そこに在ること
そこに至ること
全てに何かがあり、何かに至るスタンス
それを神の指針と言うのであれば
それは間違っていないのかもしれない
孤独
それは在るべきものに対する否定
否定
....
朝
金色の光が入り込む階段をかけおりて
ゴミを捨て歩き出す
金色の光の中を
喉が潤いそうな朝の空気を沢山吸い込んだ
朝ごはん
ビルやマンションはサングラスに反射 ....
空
壮大な大自然を
僕はベランダで今、
見つけた
朝日を浴びた雲は、
黄金色の小麦畑のように風になびいてる
とてもとても
ゆっくりと、ゆっくりとして
僕の影
闇を見て
光を知れ
ワレ悪を憎む
ワレの中に愛は光る
僕の中に悪は居る
居住権をあげれば愛が良く見える
居住権をあげないと悪は
カゲで悪さをヒタ ....
言葉が流れて澱んで溜まってく
まるで壊れた雨どいから雨が漏れていくように
雨が降ると体のあちこちの古傷が痛んで
時々心臓辺りも何だか嫌な思い出に傷んでくるようだ
雨は嫌いじゃない
....
分かり合えないこの距離が世界だ
理解できるのは相手の心ではなく理解不能という言葉
自分すら世界の内容物であるのならやはり
私には自分自身をさえ理解することができはしない
分かり合えようとい ....
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