君のまつげが
ふいに
揺れて
まるで手のひらに
雨粒をうけるように
かなしみを
見上げている
そうして
たった今降りだしたかのような顔をして
胸の中に一気になだれ込んで
....
僕の書く詩に出てくる
君という二人称は
とくに中身をもたない
かといって読む者ひとりひとりに
語りかけるような無防備さも
僕はけして持ち合わせていない
いわばそれは揺 ....
枯葉舞う木々の間を抜ける
空は青く澄んでいる
ただ青く 雲も無く 澄んでいる
肌寒いのに思い出すのは夏の海
生まれ育ち たくさんの大切なものをくれた町
それを壊して逃げだし ここに来た
....
あなたは
いつも楽しそうだけど
時々
みんなから離れて
ぽつんと一人で
カメラをいじっているよ
わたしが寄っていったら
笑って
たまには
わたしの写真を
撮ってくれるから
思 ....
ほんの10年くらい前。
ケータイなんて持ってなかった。
ケータイすら流行ってなかった。
あの頃、どうしてたっけ。
ひとりぼっちの時。
誰かにメール。
誰かに電話。
....
私は孤独な夢占い人だから
出会いをむかえる度に カードをめくってきた
カードをめくりながら
いつも 次のカードを夢見ている
いつも 次のカードを夢見ている
私は孤独な夢占い人だから
....
たいしたことじゃない
季節の変わり目に強がって
いつも風邪をひいてしまう
そんなもの
僕が消えた夜は
あの人はなんて優しかったんだろう
なんて泣き屋は呼ばなくてもいい
きりぎりす
....
君は幸せになる権利があって。
僕は君を幸せにする義務があるんだ。
雨は去り
野は息を継ぎ
有限を照らす
まぶしさをやめず
かけらは香る
満ちた川を
鳥は離れる
雨を追い抜く雨のほうまで
文字は幾つかつづいてゆく
声や羽が ....
はじめまして。
夫との初めてのドライブの別れ際に、あなたのことを聞きました。
あれから2年。
ようやくお会いできましたね。
あなたがいなくなってしまった歳を、夫はもう5つも越えてし ....
現在という塊の中から
わたしの輪郭だけを残して、わたしが
蒸発していく
夕暮れの空は赤く発光し、届かない高さで
じっとして居る
いったい、わたしは何に忘れられたのだろう
浮遊す ....
ループを拡げて拡げ切ったその先にあったのは……
白く輝く 暖かい光の大きな河だった
恋 矛盾
愛 矛盾
切 矛盾
願 矛盾
祈 矛盾
心 矛盾
希 矛盾
望 矛盾
あなたの幸せを願っているのに
あなたを求めてしまう
....
潔いさよならを
口づけられて
風は目覚める
おびえたように
冷たく急ぎ
風は目覚める
それを
避けるでもなく
受け入れるでもなく
花は巧みに散ってゆく
孤独の定義を
....
虹は
見つかることで
虹になるから
虹かもしれないね
僕たちこそが
あの虹の
おもいでの
半分くらいを
間違わずに済ませたら
上出来だとおもう
ごらん
途 ....
どんなに鮮烈な映像も、感情も
あとからあとから
注ぎたされる
とろりとした夢水に
輪郭を曖昧にして
とらえようとするほど
淡くまぎれてしまう
過去と未来の、あるいは
前世と来世の狭 ....
天を突き通す パルス
尖塔を仰ぎ見て
コートの襟を立てて
足早に通り過ぎて
石畳を睨みつけ
落ち葉のささやきを
スケッチしたなら
帰るべき部屋で
レトルトは加熱され
言葉 ....
いつだったか君には言ったと思う
僕のあの焦燥が今もなお蝕み続けているだなんて
滑稽でもう嘲笑いなしでは語れない。
「わたしの無知ね」
だなんて心底笑いあえていた頃が懐かしいとか
....
かなしみに拘泥されない不確かな日常の
脱却ひとつ、その方法の すがた
今日をかなしまないためのほがらかな
ひとつの、方法 そのすがた
脱却するそのすがた は
鳩の豆鉄砲くらった猫のよ ....
彼女は明るい細部をしている
指が超高精細ロケットの
明るい反射光にきらきら
光っていてまぶしいんだ
原っぱでみんな風船もって
色とりどりの風船もって
さあとばそうよすぐとばそうよ
....
サンガツ
山月にたなびく、かすみぐも
岩石層に堆積した破片から
雲母を削り出した
三月の夜
月は出ていた
犬が遠吠えていた
猫はこたつでまるくなっていた
かもしれない夜
....
凍えそうな世界の最果てで
人等の悲鳴は今日も水晶の様に透明だ
裂帛たる幻影の集積から苦悶が雫の様に零れ落ちる
不確かな肉と骨と心臓を抱えるが故の煩悶
静寂に鼓膜を破れれぬように ....
あなた
あなたは夕焼けの罪で
無期限に
私の記憶から
逃げ出すことは出来ません
あなた
私の胸に
秘密を差し入れた
私はあの日どうかしていた
いえ
それはあなたもきっとそう
....
忘れない。
そんな嘘をよく言ったもんだ。
あなたの名前をもう呼んじゃいないよ。
あなたのこと、忘れないなんて別れて。
何年もの歳月のせいにして。
忘れかけてるよ。
....
めをつぶると
しん と
みえる
それは暗い水に浮かぶ
水銀のようなひかり
それをすくい上げると
すこし かなしいおとがする
とうめいなうみの底で眠る貝殻
いつしかそれら ....
最初は平凡なライトフライだと思った。
しかし、白球は八月の太陽に吸い込まれると、思いのほか、その滞空時間を伸ばした。
右翼手がスローモーションでそれを見送る。
やがて、白球が静まり返った観客席中 ....
久しぶりに聴いた唄は、声は。
そのゆっくりなリズムと一緒に。
僕の胸を打つ。
とん、とん。
打たれる度に思い出す。
思い出させてくれる。
幸せのリズムを。
そ ....
バスルームで
容赦なく濡れた孤独、もはやバスタオルの
吸水性の問題ではなく
それをどれだけ濡れたまま、濡れたまま抱えあげるかということに
アテイチュードはテストされ凍てついた
....
たまには温かい日もあるさ
いろんな温もりに包まれて幸せな日もあるさ。
考え方次第さ
ちょっとしたことが、あるいは見落としてた幸せなのさ。
映画みたいな日もあるさ
素晴らし ....
雨という予報で
雨合羽を着込んでの
葉取りの作業と
覚悟は決めていたのだが
袖口をカバーしたつもりでも
やがてしみこんでくる雨水
顔に落ちる雫に
少しづつ体温が冷える
まだ こ ....
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