まるで難破船が発信したモールスのように
大きな不安に
小さな勇気。
この病は進行し
いつかは、きっと。
ぼくを 蝕むだろう。
....
この雨が
濁りきったこの瞳を
くすみきったこの心を
汚れきったこの体を
洗い流してくれないかな
飛行機の窓から見える
あの澄み切った
とんでもなく綺麗な青空みたいに
してくれないか ....
靄が立ち込めて
息を止めるほど
鈍く 濁った 沼
曇りの空を
正確に映し出す
水の留まり
大地の無意識は 静止していた
息継ぎが罪悪のような 静寂に
時として 陽射しは落ちて ....
ねぇ、きこえる?
風が吹き抜ける音が
川の流れる音が。
海の波しぶきの音が。
空にはばたく鳥の羽音が。
雲が流れる音が。
ねぇ、かんじる?
潮風の ....
パパ、ママ、あたし、弟。どこにでもありそうな構成。
それぞれの役割を演じながら赤い繋がりを営む。
大人の真似をしたがる友達の中で、あたしだけが、そのまま子供でいたがった。
好き放題に我儘言ってあ ....
手ぶらボーイがゼブラで交差点
明け方の町
わたしの足長おじさんコンドームの中で死んだ
ヘイ ベイビー グッドモーニング とか言いながら
二酸化マンガン必要としてた
でもわたし 三角フラス ....
つなぎ忘れた何かを探そうとして
それすら不意に
忘れてしまう
星空は
いつでもその名を受け取りながら
毎夜を必ず終えさせる地図
瞳がうつす一瞬を
嘘かと惑い
ときには真逆に ....
冷たい空気は
一人佇む
この、時の流れを
少し切なくさせる。
寝転んだアスファルトは
冷えていて
孤独の闇を誘い出す。
けど、目を ....
そこに ここに
くちびるを置き
すぎゆくものの湿り気を視る
まぶしく消える音を視る
水に映らぬ双つの影
水辺を雨へ雨へと歩む
雨のまことは隠されている
現われても消え ....
救急病院
年配の女性
無理な笑顔で処置室を出てきたそのひとと
隣り合ったレストランで
偶然向かいの席でまた会った
女性はコーヒーを頼んだあと
ハンカチを取り出して
目 ....
ボトル開けてください
マスターは無口で気楽
狭い店内は薄暗く
窓の外にだけ鮮やかな色彩
まだ呑めるまだ夜は浅い
高い酒を黙って呑む愉楽
突き出しの菜はほどほどに辛く
心の中でだけ送る ....
日蝕があった
月蝕があった
地震があった
飢饉があった
父方は山賊
母方は海賊
ロケットが飛んだ
ロボットが呼んだ
冬が来た
春が来た
氷河が溶けた
島嶼が消 ....
青空にぶらさがっていた天使が地上に降りて
ポケットのなかでふるえている
半端にちぎられたコードは宙ぶらりんで
青白い声だけが、あまねくさまよう
電気信号は、いつだって正しい
素早く、正確に、 ....
大切なものがすり替えられている
軽薄なお前の上でも鳥は囀るだろう
猟師に間違って撃たれるがいい
大切なものが蔑ろにされている
薄情なお前の下でも魚は泳ぐだろう
漁師に間違ってモ ....
欺瞞だろう。
罪は償うのか贖うのか誤魔化すのか忘れるのか。
僕が輪廻を否定するのは喩え生まれ変わろうと汚辱に塗れたこの世界は変わらないから。
目隠しは食い込んでいつか目玉を潰す。
望ん ....
地震で潰れたのはお菓子の家だって
1976年に何が暴かれてしまったのか
その皺の無い脳ミソで考えてみると良い
世界が終わる頃には思い出せるかも
三本足のカラスが好きだったのは
時代遅れの ....
鈍器って鈍器
鈍器の中の鈍器
これぞ鈍器って鈍器を
見てみたい
ベランダと猫
ある事情のために
彼は夏の終わりの
しばらくの間
川の近くにある
見晴らしの悪い
アパートで
猫と暮らした
そのアパートの中で
生活、という
よく ....
俺の女は新手のビッチ
日替わり亭主みたいに男を招き
歓楽の一時を過ごす それだけが人生
へヴィーローテーション メイビィ、もうハイテンション
俺の名前は新手のバイブ
日替わり定職代わりに ....
同じ言葉に
たどり着いてしまうにしても
過程というものは
それなりに 大事で
最初から バカ正直に
その言葉だけを
抱え込んで
たどりついてはいない
言 ....
言葉が 無い
あてはまる言葉
囲い込む 境界が 無い
ここから あそこまで と
目印を付けて
歩くことが できない
手で触れるものの中には
見あたらない
....
こわれている
こわれていること
そのことは
ただ こわれてしまったこと
かいがらのなかの
ほんのすこしの くらがりに
ことばを うしなって
うつむいた まいに ....
071026
今年の夏は暑かった
どれだけ暑かったかというと
高校生が練習中に熱中症で倒れたり
お年寄りが気分を害して
政権党の支持を外したり
グラグラし ....
砂糖は山盛り三杯
白くなるぐらいミルクを入れて
少しぬるいぐらいの温度で
こんなコーヒー僕はまさか飲めないよ
甘党で猫舌な君のためさ
あたし ....
時は勝手に進む
雲は勝手に流れる
風は勝手に吹く
季節は勝手に移り変わる
私は今
何を考え
何を信じ
何に向かって
生きているのだろう
どこかの国で悲しみが生まれた
どこかの国で喜びも生まれた
長い時間の旅の果てに僕達の国にも運ばれてきた
僕達の親もお爺さん、お婆さん
そしてもっと前のご先祖もその果実をか ....
棚の上に置かれた
小さい額の中は
去年の祖父の墓参り
過ぎた日の
こころの{ルビ咎=とが}を忘れたように
墓前で桜吹雪につつまれ
にっこり並ぶ
母と祖母
雲 ....
思いっきり見捨ててほしい
着信拒否にしてほしい
電話番号変えてくれてもいい
気づかないうちにマイミク切っちゃってほしい
日記にアクセス制限かけてくれたらもっといい
あたしがどんな ....
歪んだめろでいの汁が髪を濡らし
じよじょに
じよじょに身が悴むよお
おれは濁汁に呑まれきえるひとり
ねえ 身が滲むよお
ただ音ばかりが
さきにいつてしまうから
それと
微かに耳に入る
....
「はかなく散って
可哀相だね」
二度寝に勤しむ
君が言う
千個の瞳で
睨みつけて
「余計なお世話」と
僕は言う
「生命は毎日
燻らせて
結局<燃えないゴミ>行き ....
4407 4408 4409 4410 4411 4412 4413 4414 4415 4416 4417 4418 4419 4420 4421 4422 4423 4424 4425 4426 4427 4428 4429 4430 4431 4432 4433 4434 4435 4436 4437 4438 4439 4440 4441 4442 4443 4444 4445 4446 4447
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.58sec.