君のその胸に空いた穴
穴のあちらは澄んだ空
僕は今日も君を通して空を見ている
そんな君にも雨が降る
影が射さない日
僕はちょっと君を笑わせてみる
すると次の日には決まっ ....
青いのは庭の芝生だけじゃない
投げやりな悲しみも
いつか煙になって空へ昇っていっちゃうよ
焼却炉で燃やしているのは誰かへではなく自分自身
教室に
グランドに
体育館に
....
宇宙の闇に
希望のようにあいた
かすかな鍵穴
くり返される旋律
クレッシェンド
哀しみとは
そういうものなのだ
最愛と別れることのない
時代
....
夜の始まりは
もうそこまで来ている
この夕刻の佇まいに
街よ 街よ
幾千人の人が
整備された
君の歩道を歩む時
街路の樹木も色づき
寂しげに 落ち葉も 舞う
この風に
....
わたしが
わたしを忘れるようになって
それでいい
あなたの声がする
欲しいものなんかない
わたしは空を見上げて
空の
落ちてくるのを待っている
運がなければ果物のひとつも
ねえ
言 ....
どうしても、という気にはなれない
コンクリートジャングル
文明にさらされた、俺はターザンだ
結婚の話になると
いつもこうなってしまう
どうしても、という気にはなれ ....
私はあなたが不安です
あなたが不安だと言っても
あなたを信じていないとか
そういうわけでは決してないのです
私は私が不安なのかもしれないですね
私は私を疑っているのでしょうか
....
君を黙読する――ご自身のカナリア(声帯)でお歌いください
(声帯は真空で、ぼくは空っぽの透明なインコ咽喉を絞める。音紋が体内の歯車から空気中の歯車へと樹状に噛み合って鳴り響くためには、頚部にかかる ....
おはよう と言うよりも先に
十二歳になったよ と
報告をする朝
きみはまだ翼の下
生まれてきて良かった? の問いに
素直に微笑む
きみのまだ知らない
悲しみと苦しみ
平坦な道のりを願 ....
生まれてこなければ
本当はよかった
みんなもそれを望んでいる
そっと瞼を閉じる瞬間に
白い羽がこの瞳に張り付いて
視界を失くしてくれたなら
眼はやがて解けて
空のアイホールに花が咲く ....
鳥は何故水面ぎりぎりを飛ぶの?
「気持ち良いからだよ」
「疲れるからじゃない?」
「いけない」としかる私も
「それでいいんだ」と褒める私もいない
滑走路を飛び出した
機体は青い眩しい空に溶けそうに
ぐんぐん速度を増す
このままいくと、そう時間もかからず
あの場所に着くことができるだろう
しばらくして
勢いがつきすぎた機体 ....
水のなかに
水と同じ言葉が落ち
跡は皆
光にくちずさまれている
降る水のにおいが
道を流れる
砂に埋もれる火を映し
鏡は旧い水を横切る
知らずに光を呼吸しな ....
踊るクレヨン。
薄っぺらいやみを
のたうち回るクレヨン
頭はばくはつし、炎をもやし
うすよごれた体には
雷のさきっちょが落っこちて、
まっさかさまに
突き刺さっている
その ....
やっと休むことができたのだ
静かに寝かせてやろう
お前がいるから
私も、私達も尊いと
泣くことができるのだ
お休み
また新たな門出で、お前には世話になろう
その時
....
四角い箱の中
ポツンと置かれた机には
記号と数字が並んだ本
白紙のノート
一度も開いたことのない辞書
折れた鉛筆
真っ黒の消しゴム
破れた写真
....
071115
身近すぎるバナナを食べる
バナナの成る木を背にしての
古くさい記念写真
赤銅色の肌から
こぼれ落ちる笑顔が
バナナを美味しくするのだ ....
からっぽになった私が
書きあらわせられることなど
なにもないのだった
誰もいなくなった私が
これ以上はなすことなど
なにもないのだった
静謐な図書室の
窓辺に寄り添った椅子は
....
言葉が通じない感覚に囚われている
雨の日はいつも
雨音ばかりが断続的に耳を被うので
言の{ルビ音=ネ}を見失い
意味も地に叩きのめされたみぞれの様にとけ
やがて排水溝に飲まれてしまう
....
真っ暗で、怖い、液体の中に
わたしは、在ります
そこが、
『胎内か? と、問われますと
「いいえ と、お返し致しますが
『何処か? と、問われますと
「わかりません ....
其はまた喰らう
其は吾
吾は其
其は原初より
吾に纏いて
また
吾は原初より
其を纏いて
喰らう
尽きて果てるまで
其は飽きることなく
止むこと ....
メールのだるい
やりとりが嫌になってくるから
メールとか手紙とかあんまり
気が進まなくて逃げていた
もしくは
仕掛けたりして
逃げられたり
嵌められたり
だれともつながってないと
な ....
いつの日も真実を追い求めた
朝も昼も朝も昼も朝も昼も朝も昼も朝も昼も
神や道徳が僕に揺ぎ無い信念を要求した
朝も昼も朝も昼も朝も昼も朝も昼もそして夜も
母親は僕に言った
「優しいだけでは駄目 ....
車のテールランプに照らされながら
独りバス通りを歩いていた
馴染みのバーには足が向かず
辿り着いたはアイツと来るバー
独りで来るのは初めてだ
そんな事に気付きながら
店の扉を開 ....
夜中にヤカンで湯を沸かそうとした
ただカップラーメンを食べようとしただけだ
ふとヤカンの内側に汚れを見つけた
汚れは小麦粉のようだった
何十回も湯を沸かしても剥がれなかった汚れ
嗚呼そうか、 ....
走って走って
「ちょっと疲れたな」って
言えるような口すら
持ち合わせてない君
君は若干勘違いしている様だが
僕は君のそんな
強がりなところが好きなんじゃない
支えたい訳 ....
その家には寛げる椅子や
笑って囲むテーブル。
眠れるベットに
洗い流す洗濯機
外界に繋がる靴やらが
何処を探しても見当たらなかった
あったのは身を護るだけの服で
何枚も山積みになったそれ ....
例えば明日が疑いようのない明らかな未来なら。
運命は自分で切り開くものだけどでも、
少なくとも舞台は絶対に用意されるなら。
安心して良い夢が見れるかな。
それとも夢を見ないかな ....
薄暗がりにぼんやりと浮かぶお前のシルエット
振り切れそうなフーリガンが俺の中で騒ぎ出す、堤防は決壊
濁流の中に投げ出された思春期の残り香がもがきながら見えなくなっていく
あらしの ....
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