夜に開く
ドラゴンフラワー
神秘的な誕生の儀式
月下美人は
二日は咲かない
花三つ
煮こんで食べた
蕾漬物
枝天麩羅
果実はまだか
ヒトつきかかる
龍がごとき
実は眼の ....
その痕は
痛いほど澄みきった
マイナス42℃の夏空を覆う豪雨のよう
歪みきり揺れては
捻れ滲んだピンク色の粒子
に
埋め尽く
された聴覚は光化学スモッグで視るアリゲー ....
ねぇ、いつになったらやってくれるの
もう頼んでから2ヶ月も経とうとしてるよ
いつもみたいに私から
連絡入れないと 思い出してもくれないの
ちょっといじけて電話かけてみた
思い出したつ ....
視界のおくのほうからずんずんと迫り来る
あなたは知らない人。
今日は、の変わりの言葉は
「今日はいかがなさいました?」
できることならすがってないてしまいたい焦燥
何もしらない人 ....
病気になると みんな
入院すると思ってる
ずっと入院されていたんですよね
お見舞いに伺いたいのですが どちらの病院ですか
病院にいた方が 苦しくないんじゃないか
病院にいた方が 安心なん ....
あたしがあなたのことあいしてるのは、
一年くらい前からずっと変わらない。
もう一年だって!はやいなぁ。
二回ほどあなたの生まれた日を共有した。
あたしが落ち込んでるときは慰めてくれる ....
{ルビ劈=つんざ}いてほしいんだ
掻き{ルビ毟=むし}ってよ千切り取ってよ
口元をあんなに汚して
僕はそれを醜いことだとは思わないよ
{ルビ肖=あやか}りたいね
その無限の感情 ....
目を伏せるほど途方もなく
君には無駄な事もなく
僕の両目は焼け焦げるように熱く
空欄ばかりの空に埋める言葉を探している
半額にもなれない適当に上手な林檎菓子みたい
真っ黒なワン ....
ラ ラ ラ
って、雨が降り始めた
数える 頬に当たる奇数の雨粒だけを
次第に高揚していく私の手は
洗面器に張った水を揺らして減らしていく
掻き乱して、掬いあげて、
零れ落 ....
今アメリカと日本が戦うとすると
小生は屈強な米兵にライフルを向けられるのだろう
争うなら差しで戦えばいいではないか
首脳同士で殴り合いでも撃ち合いでも罵り合いでもして下さい
あなた ....
歳経てその泥亀が石となったのは三世紀の事であった
アレクサンドロス大王がしばし馬を休めてチグリス川に憩うた時
その亀は大王の右足の傷を認めたのであった
亀はたちどころに卜し、大王の死の近い事を知 ....
夏は恨めしかった太陽が
こんなにも恋しいだなんて
朝もやの景色に舞い降りる太陽の光が
こんなにも美しいだなんて
そんな何でもないことにふと気付いたら
なんだかふんわり幸せでし ....
また一段と濃くなる静けさに
救いのかけらが混ざり込む
求めても求めても
得られないものの正体を
つかめずに
失っても失っても
なくならないものの正体に
呼び止められる
また ....
硝子を失くした窓の列を
鳥と花と草木が通る
ここは痛みを知らぬ胸
ただまなざしに焼かれるところ
道から湧く音 光まじる音
重なりを解いてはつなぐ音
....
暑くもなく 寒くもない
昼と夕の変わり目に見る太陽は
ぼうやり として
霞み懸かった空の川を
漂うように 浮かんでおりました
このように 繊細な秋の日には ....
たとえば
信号変わりそうな横断歩道で手を引いてくれたり
たとえば
受話器の向こうからあなたの声が聞こえたり
たとえば
後ろからぎゅっと抱きしめてくれたり
たとえば
日記にコメ ....
今日も酒を飲むよ
日本酒2リットル飲み干すよ
ワッハッハ
生後三ヶ月を風呂につける
いきていやがる
いきていやがる
生後四十七年が
血の繋がらない孫のようなもんを
ゆにつける
あくびしやがる
いねむりしやがる
はねやがる
うりの ....
海と空は手を合わせ
真っ白で
ふわふわの
雲のじゅうたんをつくっている
風はごうごうと
じゅうたんを
夕日にひきわたし
夕日は
やさしく
オレンジ色に
染めている
通りか ....
夜、夜はキライ
やなことばかり
頭に浮かんでは
私の心を
食い尽くすんだもの
早く朝が
くればいいのに
ながいながい夜が
またハジマル
よどみない涙の音がする
あなたはいつも隅にいる
渚の色に似たものよ
深海ににたあなたの涙よ
やわらかな光があって
それを与える指がある
雲は陶器のようだよ
空も風ももう優しいよ
....
夕暮れる
市街地におりてゆく
桃いろも紫いろも
うすく煙って
青と灰白が溶け出している
街明かりが
星のように滲んでいる
15分もすれば
あの光のな ....
裸足で歩いておりましたら
誰か聞き覚えのない声で
僕の名前を呼ぶのです
立ち止まり振り向くと
そこには小太りの
白いワンピィスを着た
婦人が一人おりました
もうすぐ雨が降るから
....
夕陽の色
果実の匂い
合成化合物のワックス
ピカピカに磨き上げられた窓に
時代を反射する
七色の油
骨と骨の接続部から
体液と見られる潤滑油が採取される
清潔に加工
真空パックで無味 ....
朝の笑顔を迎えた日曜日
夢紅葉
雑誌も吟味、眠れないままに
秋色のフリーペーパー
君の趣味趣向
時事ネタの展開
絞っていくプラン
H2Oに近い水が
流れるような呼吸 ....
私は深い深い湖の底にいるみたい
そこは光も届かなくて
でも
ずーっとそこにいる。
淡い淡い
小さな泡が
私の周りを取りまいている。
もう
もがいたりしない。
神様、
助 ....
青が光る
息を殺せ
穴に漏る
恥と憂鬱
僕は夢の中のカウチでうとうとしていて
隣にいる人が
僕の髪を撫でていてくれて
触られてるのに
ちっとも嫌ではなくて
お ....
空は そっと倒れこみそうだ
深い雲がみえて
時は静かに止まってしまい
庭先に灰は降りて
やわらかな綿毛が吹き寄せて
湿った窪みに時を
ゆっくり積み重ねている
凍るように
音 ....
色づいた葉のステンドグラス。
紅茶ポットの林檎みたいな影。
窓際に置いた、観葉植物が陽を受けて輝くさまは
幸福の感情を形作ってくれる・・
たいていはそうだけど。
でもたまには、 ....
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