通りすぎる人々
季節は白い季節
眩い青春の雄叫び
そ知らぬ顔の夕方のニュース
誰もが時代の洗礼を受けて
眺めはグレーなため息の街
限りある時間の中で起こる
....
光があまりにもがちがちに直進するので
光に邪魔されて動けない
と思ったら案外簡単に動けた
光は迂回することを覚えたのです
公衆トイレは人が用を足すところ
湿って秘密めいたところ
もよお ....
でんりゅうとまると
しびれるんやて
しびれたら
いたくなくなるんやて
ほんで
いたくなくなるまで
しびれてしまいたいんか
いうたら
そこそこはいたみも
のこてるほうが
ええおもいで ....
午前三時
おれんじ色の世界が始まる僅か前
張り替えたましろな障子に囲まれ
新しい青臭い畳の上で
蛍光灯から垂れた紐の先を
猫のように見つめている
断片的な映像が
時折ノ ....
寒いとき
君が寒いと言うとき
僕の体温で暖められるだろうか
この社会を知らない僕に
愛しい君を暖められるだろうか
またこの季節に
君を思い出せるだろうか
素直に君を
もう怒った
川を流してやる
木を立たせてやる
太陽を燃やしてやる
「あたり」の文字があったら
もう一袋くれてやる
どうだ
世界が正常に動くことは
こんなにも苦しいんだぜ
湖に浮か ....
あなたは ふらり
何の気なしに
立ち寄った旅人のようですね
来訪が嬉しくて 嬉しくて
こころからおもてなしするのですけど
ずっと ここに留まってはくれず
また ふらり
どこかへと旅立 ....
不穏な空気が流れて
ガードレールを乗り越えて
拡がる風景を見つめるが
あと一歩が踏み出せない
新しい生活が始まって
不安と期待は傷だらけ
後 ....
おおはばきん
新しい言葉を一つ作ると
世界から一つ言葉が失われていく音を聞いた
それはながいながい車の衝突音に近かった
下半身が老人ホームにいつも向いている青年
後ろを見たければ目を ....
071228
電流起源の神話があって
電圧起源の御国を脅す
そんなお悪戯はいけません
ホテルのお客はただ働きの
派遣の女将に面食らう
皮肉な喩えで済み ....
イルミネーションの
絆はでんりゅうだった
絆はいともたやすく
つながったり
はなれたりした
しかしそれはまだ
本当の絆ではなかった
イルミネーションの最終日
でんりゅうが止めら ....
(水槽から飛び出した金魚の体温)
煤けたような暗がりで
瞳が開いていく
洞窟の中をずっと迷っているような
コオロギの摺り足
夜には手が届かない
指先が触れる闇の境界線、それは
ひんや ....
人は死ぬ
人はいずれ死ぬ
人は間違いなく死ぬ
この現実をあなたは消化しているか
俺は死ぬ
俺はいずれ死ぬ
俺は間違いなく死ぬ
日々の煩わしさの中で麻痺して ....
数日。
饂飩と餃子と麦酒だけで生活する。
夜更け。
帰ってきたら真っ先にうがいをした。
粗々と水が舌の上で跳ね、粘りを奪い尽くしてゆく。
病魔が、私の身体を狙っているのかと疑 ....
水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです
光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています
....
ねえ
人なんか頼っちゃいけない
たぶん
あの人もこの人も
朝になればすり抜けていく
猫みたいなものなんだから
雨みたいに降っている
落葉をいつまでも見ていたよ
いつになったら止むの ....
理由はありません、っていう理由について
もう少しやさしくあれたら、
と思うんだ
さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした
だ ....
君の予定に合わせられるように
いつも真っ白なぼくの手帳
12月から1月へ
少しずつさかのぼると
いくつか君と会ったしるしがある
君のとなりで笑っている事が
ぼくのし ....
もう何も怖いことなど無いのだよ
風になって
雲を踏んで
好きな場所で寝転べれるよ
光の条が覚束なくて
ぽんぽん淋しげなのは
人間らしく生きてきたからだよ
じき慣れるよ
できるこ ....
まっくろな空のした 愛しあった 右手はどこか遠くを指差して おまえはそこで止まったね
ろうそくを立てよう かまくらのなかで 灯ともしたら ぜんぶ溶けてしまうよ あれもこれも、もっと先まで
あっ ....
嘘でできたケーキ
踊り場を転がり回る
黒い涙で窓を塗り潰した
折れたハートに突き刺さったスペード
錆び付いたら別に欲しくもない
紫に色づく季節の花
手紙を添えて空へと送る
騙し合うな ....
わたしの肩が
知らず知らずに
雪を溶かす、ということ
それは
もしかすると
物語ることを知らない
ほんとうの物語
容易には
何事も信じないけれど
疑うとなれば
....
真夜中
眠らないで
夜汽車の音を聴いてるの
羊が何匹飛んだって構わない
みんなが寝てるのに
ひとり起きてるのって
いい気持ち
あたしは
あたしを探す
どっかに置き忘れた
....
地下鉄の剥がれかかったサイン計画でいとも簡単に私は迷子になって
孤独に酔って人をビンで殴ってしまい簡単に割れた破片が人を壊して
しまっていて黄色いブロックに救われた盲者の白髪がはらりと落ちて
そ ....
ありがとう、と言うと
むねに少し雪のふるような
はかなくて、とけるとしゅんとなる
それはもうこのひとつに
わたしがさよならすることだから
ありがとう、この年
そして今日がすぎる
....
夜、月を見上げていると、誰かがのぞいていた。
ほんの少しの時間だけ、のぞいていたようだ。
僕に気付いて隠れたのか、僕は気配をうかがっていたけれど、それきり何も見えなかった。
月はながめればながめ ....
今日の自分を 忘れないようにしよう
今日の君を 忘れないようにしよう
どうしようもないほど 不幸だった昨日
どうしようもないほど 悲しかったあの日
明日がまた どんな不幸な日であったとしても
....
指で突いて倒れ始めたドミノに
切って配られるトランプの絵柄
外は薄紫に染め上げられていて
伏せられた今は
カタッ カタッ て
倒れる音だけが聞こえている
忙しいけどそれを理 ....
ひとつの世界を数多の人々が共有していて
あるいは 奪い合っていて
あるいは 独占しようとしていて
一日たりとも平和な日がない
常にどこかで何かが起きていて
あるいは 起こそうとしていて
....
わずかな凹凸が言葉をはじき
異なる言葉に積もり重なる
鳥やら 姫やら
肌やら 毒やら
木々のむこうをすぎる紙
たなびきは左へ
在るだけの音へ
まばたきのす ....
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