いつからだろう
結婚記念日を気にするようになったのは。
多分2,3年まえから。
それまでは日にちを間違えたり
忘れたり、ごめんね。
きみはちっとも不満顔じゃなかったね。
....
死に満ちたものが
テーブルの上に並び
人もそれに並ぶ
生きた日々を語り合えば
舌平目のように
触れあう肩が懐かしい
記憶の一番懐かしいところで
からだをひるがえし
鰭をたなびか ....
籠の中に閉じ込めた
私が飛び出さないようにと
大事に、大事に、まるで子供と接するように
嗚呼、私はもう大人なのにね
貴女を狂わせたのは私
ほっておけば自殺してしまいそうな
私だから ....
歪んだ亀裂のすきまで舌をころがしている、君よ
君の名は口裂け女だ!
まつした君はすかさず切り返す
ぼくは口は裂けていない
ここはすなわち第二のへそさ
諭すように君はぴんと伸ばした人差し指を
....
ある日小さなねずみが言ったのさ
「大きなチーズはこの奥だ!」
小さなチーズに目もくれず
走り出すねずみ達
ある日またその小さなねずみが言ったのさ
「いまならこのチーズを貸して ....
雨上がりの朝は
木々の葉の上で
雲が作った宝石が
きらきら
きらきらと
輝いている
空の上には
雲が忘れていった
たくさんの子供達が
朝日を浴びて
七色に輝いている
その ....
嘘だと思うなら、
止まった砂時計を叩き割ってみりゃいい。
本当に、
溶けないのかもしれないーずいぶん前から、
味はしなくなっているけれど。
そう言って、彼女は
生気を失い灰色となった 渇いた舌を出す。
「それって、固まった砂時計みたいだ。」
そし ....
森を出て 信仰をなくした
ひとびとが むれつどって
安息の日を 消費している
ショッピング街に やおら
慰安のような 綿雪がふる
雪は散りぬる
辺りは静まり返り
ホカロン入れて
外出する
余は誰かと
言う老人
老人はね
心が病んでいるから
優しくしてねと言われる
愛するものの為に
働く
愛するものの ....
ひとひら
白い花びらのように
ひとひら
優しい言葉のように
私の髪に 肩に
静かに舞い降りてくる
思わず手を差し出したら
ひとひら
掌の中 ふわりと落ちた
こ ....
ひときわつめたいものが
のどにさわる
朝、ふとんのなかで
きょうは雪
寝たきりの祖母が一週間の大半を
天井を見て過ごすことがかなしい
私の顔も忘れた瞳が
時にきれぎれの記憶を思い出す
その輝きが
新しく覚えることがらを無くしても
ふと寂しさを宿して見える ....
公園で
電灯に
白鳩が
泊まり
左足を
刺した
針山は
傷つけ
役目を
終えた
役人が
嬉々と
見上げ
これで
ここも
汚れる
事なく
清潔な
場所に
なると
....
新しい扉を開けると
君がきっと溶けてしまう
かわいくて
すこしいばっているヤツだ
遅めに降った雪を
手のひらに収まるくらい
二つ丸めて
小さいのを重ねて
まーるい炭でボタンをかけよ ....
返信のないメールってただの独り言みたいだ
後ろ歩きしてみないか
何かにぶつかればはじけるかもよ
目の前で覚醒してるやつがいる
すげー すげー って 何が?
ぼく固体
動 ....
区切るために未完成で終わらせる
結論の先でも何かに悩む
明日は今日よりきっと怖いから
眠ることにも怯えてる
鮮明な顔に湿度のある物言い
話すことが得意でないと数分前に言っていた ....
郵便局の方から来ました
と言い残して校長先生は
ぼくの枕を盗っていった
庭ではぼくを産んで
その後育て続けた両親が
淋しい冬の作業をしている
三年前、僕の腕を
きれいな形だと褒 ....
この一つの アメ玉
透き通る様に綺麗なアメ玉....
私はそのアメ玉を空に翳し
アメ玉の中から空をみた。
アメ玉の中からみた空は
....
冷たい雪に触れて
反応するココロ
逢える日を指折り数え
スキーを楽しみ
寂しさを遠ざける
でも・・・
冷たい雪に触れたら
あなたの温もりほしくなる
いちばん最初の傷は眼だった
永遠に塞ぐことの許されないこの傷は
時々誰かを傷つける
瞬きを繰り返して
いつまでも乾くことのない
透明な血を絞り出し
傷は余計に広がった
目蓋の ....
一円の雪が降った朝
十円のゴミを収集する車が
難しい顔をして通り過ぎる
百二十円のココアを
二千九百円の手袋で包み
三円分のリップクリームを塗った唇に持っていきながら
それを見つめていた
....
塔のてっぺんにある
暗い部屋の
すみっこで泣いてる
よくわからない機械の
リモコンを握り締めて
ずっと泣いてる
何かが壊れるときの音を
上手に真似できる
それがぼくの特技
....
壁画に眠ったままの物語をいまこそ{ルビ解=と}かそう
子守唄にのせて伝え授けるには今が好機なのだ
塗り重ねられた油絵のように
深みをたたえた一筋の線
その{ルビ一片=いっぺん}にどれだけの ....
俺は心が押し潰されそうなのを必死で我慢した。
誤魔化した。
誤魔化した。
絶望!絶望!猛毒カルマ!!
「貴方って、なんて信じられないの。人間じゃないわ。」
そうだね人間以下だろうさ。 ....
キラキラ星は夢のように歌う
底冷えのする夜には
耳をすませてみる
いつか
胸に手をあて
重なる鼓動に息づくために
仰いではさざめいて
灰としてながれるまで
電球の切れた部屋は薄暗く
机の上のランプだけが部屋の隅を照らす
ゆれる煙草の煙
歪む視界の隅
眠気を切り裂く犬の遠吠えとクラクション
思い出すように右手で銃の形を作る
エアギターエア合 ....
埃っぽい事務所へ入ると
アルバイトさんが
目玉を取り出して洗っていた
ごめんなさい
びっくりしたでしょう
ちょっと埃が入ったものだから
と言いながら
くぼんだ掌に載った目玉は
....
今からはじまる
世界はしらない
いくつの形が
崩れて生まれるのか
今からはじまる
世界はしらない
どれほどの雨がふり
ながれさる思いの数
簡単な言葉を
いくつもつなげて
描 ....
明日海に行こう
ついでに踊ろう
足に触ったよ
いい気持ちになった
臨界はきわきわだった
トントン拍子で事が進んだ
記憶は一定でない
記憶は一定でない
明日カンブリア
ドスン
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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