鳥かごに迷い込んできた蒼い薄翅に、
向こうの空が透けて見え、少女は息を呑んで手を伸ばした
まるで、天鵞絨かオーロラのように煌く翅が、小さく羽ばたいて
鳥の児らの鼓動を早めさせる
加 ....
寒い夜が
自動車の窓を
白く塗り固めた
凍える座席に
うずくまって
眠る冥王星
冷え切った恋が
空調の隙間から漏れ
助手席に当たる
疲れ切ったエンジンが
怨恨に二度空回 ....
封印するも
解くも
操れるほどの孤独
寂しさを嘆いたところで
在りもしない
作れもしない
空想は空想でしかない
生まれゆく不安を片手に
失いし愛情を追いながら
焦りを切り刻む残酷 ....
自殺しようと思った日に、おじいちゃんが死んだ
おじいちゃんとの思い出が
たくさんよみがえってきて悲しかった
ぼくが変わりに死ねばよかった、なんて思ったけれど
そしたらおじいちゃんが悲しむだろう ....
「人間だから」と
宝ものだったあの人が
だからものになってしまった
「運命だから」と
宝ものだった恋心が
だからものになってしまった
「才能だから」と
宝ものだった夢が
だから ....
「愛されたい」と
傍で吐息混じりに呟いた
僕たちの均衡は
愛情が濃くなればなる程に
一つずつ剥がれていく
変化する形状に怯えるが
壊れたらまた創ればいいと簡単に君は言う
会う ....
月よ灯を
雪や雫を
白い夜に犬よ這い回れ
長き夢よりの無形の使者
跪けと唸る永劫の王
雪に埋まる娘は白銀の一滴
雨に声を
雲に土を
欠けた月を眼にうつし
一斉に呟く絶 ....
きっといつか小さなアパートの二階のベランダから
この世で最も醜い青と橙の冷たいグラデーションを眺めながら
冷え切った珈琲を流し込んで
ゆっくりとベッドに沈む
とても美しいその一連の仕草 ....
2月になるとチョコレート買いづらいからさ
いまのうちに大量に買い溜めておくんだ
ミルクチョコもビターなやつも欲しくなるかもしれないし
抹茶や苺 クリスピータイプも とりあえず買っておこう
....
さて詩を書こうといきごんだ。
でも、
すぐに、
ボクはとってもかしこいから、
詩を書こうは
いかんなと思った。
ボクはそいですぐ、
これまたやはりボクらしく、
書こ ....
(カウントして、さあ!)
笑えばいいかみさまのイコン
ついこないだまで生きていたと、信じないなら問題なかろう
すりこまれた誠意
フォルテッシモより馬鹿げたメルシー
ファイ ....
人間の作る直線や曲線は
そのものがかたどる影よりも少しだけ歪んで見える
美しいままでとどまって居たいと望む心が
その指にデジタルカメラのシャッターを切らせる
あまりにも、ありのままの、 ....
隠せない傷跡を見られたとき
後にうまく接することはできないだろう
人との出会いが生み出すメリットとデメリット
両者が生み出す不協和音と神
寂しがりやな僕には
音楽を聴かずには ....
留守番の人が
玄関の扉を開けて
私は留守ですが
もしよろしかったら
と言うので
少しお邪魔することにした
壁にある
ご主人が描いた絵の話をして
ご主人は、と聞くと
留守ですの、と ....
あなたを失いましょうか?
この失敗したサバの煮付けと一緒に
ポリ袋にまとめてしまいたいの
隣の芝生は青く見えるのでしょう?
あたしにも見えるんです
あたしも雌ですから
どうか忘 ....
二番目はずるい。
二番目にするあなたはずるい。
捕まらないのに逃げられない。
逃げられないのに捕まえない。
二番目にするあなたはずるい。
二番目はずる ....
幸福は
刹那なそれを
集めることで訪れるだろう
そろそろ気付いてくれよ
孤独
刹那
幸福
幸福は
刹那なそれを
集めることで訪れるだろう
....
深い深い沼
あなたはあたしが好きで
あたしはあの人が好き
だからこの沼から出してくださいな
もう十分沈んだでしょう?
あの人の居る沼に行きたいのです
さっぱり青々とした ....
起こされるのではなく 自ら目覚める朝
妙に頭が冴え 迷いのない朝
空気に全身(からだ)を浸したいから
コートを羽織り 明るみはじめた外へ
静かな寒さに 顔を上げれば
....
かじかむ理由は
雪ではないね
それは
雪のなかでこそ
探せるものだけれど
雪そのものは
寝ているだけだね
てぶくろは
つかのまの嘘だと思う
夢だとか ....
わたしの夢には
水色の鯨が出てくる
とても綺麗で硬質で無口な鯨だ
そんな鯨にも、夢があるらしい
『誰かの夢に想われたい』
顔馴染みになった頃、そんな言葉をもらした
わた ....
巨人のパティシエの仕業だろうか
車の中から見える景色は、ケーキの上を走っているのかと思わせる程の出来栄えだ
案外遠くにあるのだろう、あの山も
その梺に広がるやや段差の作られた田畑も
国道との接 ....
傍にゃ布 風力発電の日々で干す
遠く霧笛が 聞こえる
目の前を這う生き物の 吐く息と混ざり
無意識が 僕の体を溶かしてく
平原の緑 枕もとには夕日
もう、
電気を消してもいいかな
僕は嘘をつかなくていいかな
「人を愛します」なんて
できないこと、笑わなくていいかな
そう思ってるだけでとっくに愛しててもいいかな
僕の愛を決めるのはい ....
箱庭には僕らだけ、
それから息をするけものたち
いちばん優しかったのは柔らかい雨
幾度と無く願ったっけな、
息絶えるのは美しいイマジネーション
生まれ変われた世界のなかで、
ひたす ....
「教えてもらった刹那とゆうものは、紙のヘリだったり机のかどだったり、引っ張った鉛筆の線の縁だったりしました
もしも、その刹那から指先を差し入れて広げることができたら、それは永遠になるんじゃないかと思 ....
もえる火の中でインクの文字が黒く浮きでたと思うや、寸時ののち、
ひときわ赤くかがやいた。一瞬、炎がわたしの心臓を、わしづかみ
にしようと触手をのばしたけれど、ここまでは届かなくて、わずか
に頬の ....
人生における
たくさんの願いごとを
一から十まで書いてはみたが
なかなか思うようにはならんので
丸めた紙に思いのたけのすべてをつめこみ
えぇぃ 好きにせぃ〜〜〜
....
こうしている
時間がすき
君のことを考えて
優しくなれる時間
眠れない夜も
痛みにも
慣れないけど
なぜだか 安心するよ
明日は
晴れるといいね
....
私の中には海がある
体の中を悠々と
真っ赤な海が流れてる
私の中には風がある
風船のような洞窟を
いつも風が行ったり来たり
私の中には土がある
私の体に根を張って
育つ生き物 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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