朝一 電線が雪を溶かす。そこには五千二億ターブの熱がある。
鋏でちょん切れば分かるよ。溢れ出た言葉が
地面できらきらするから。地面を溶かすから。
何を言っているかさっぱり分かりはしないけど、
....
狼よ、
何ゆえ人を憎むのですか
丘の上の孤独な魂に
真っ赤な月が涙を落とす
愚かなる二足の獣達は
私の愛する者を連れ去った
二度と帰らぬ影の為
喉笛を切り裂き ....
風になり、花になり
ずっとそばで―――
今日は街に雪が積もって
めったにないことだとニュースでも騒いでいました
わたしはそのことが少しばかり怖くて
あなたの手を握ったのです
やわらかく ....
朝ごはんを食べている
私は
朝ごはんを食べながら
パレスチナの報道を眺めながら
今日の数学レポートのことを悩みながら
今夜のサークル飲み会の時間と場所を思い出そうとしてい ....
同じ高さの
等高線を歩いてたら
あなたに出会ったので
二人は等高線を
同じ色で塗り潰した
眼下には
果樹園の地図記号が
広がっていた
まるで恋のように
山頂を示す記号は
....
歌が歌えなくなった姫は
この喉元に誰もが眠る夜に
そっとナイフを当てた
もう私が私じゃなくなって
しまう、と
恐れて。歌えない私など
誰も見てはくれないと
独りきり部屋に閉じ篭り
....
記念品の万年筆で
山脈なぞる
インク抜いたボールペンで
モンタージュ写真をトレース
ほころびがあるはずなんだけど
あるとおもう
線をつなげて 森林から指名手配
....
伝えたいこともなく君は背中の彼方に
誕生日はただの24時間であり
裸もただの曲線であった
一つも通じないランゲージが
シーツの上で収束していく
こうしてまた季節は過ぎるのだった
今年は ....
牌にさわってしまえば朝まで麻雀
好きでなくなった愛人でさえ
会えば卑怯な純情で愛してしまう
もったいぶった冷たい男さ
キースよオレを粉々にせよ
牌にさわってしまえ ....
血と、ローズダストの色彩が濃く染みた粗い石英の粒子。そしてジルコンを含んだ研かれた花崗岩の階段がつめたい光沢をともなって果てしなくオリンポスの山の頂から薄紫の色に滲んだ淡い雲の間にのびている。エーゲの ....
もうおしまいさ
君はタバコに火をつけた
僕はそれをただただながめてる
君は一人呟く
俺の人生なんていつも
負けてばかりの捨石さ
なぁ そうなんかなぁ
どうなんだい
なぁ も ....
既に少女は
轟音にときめいて
空に吸い込まれた
指をさした先の
何万光年に
恋をしたこともあった
音が漏れてしまった世界は
ぼくに萎えていた
空中の{ルビ煌=きら}めきは
そ ....
夢の中で口付けても
隣で眠るきみの唇は乾いたままだ
いつか
きみの背中がぱっくり割れて
そこからシロツメクサがぽろぽろとこぼれてくる
夢を見たことを
思い出したけれど
やっぱりき ....
肩と肩を結ぶ橋がある
とても近いのに
隔たれた距離を
牛が渡って埋めに行く
雲はあんなに白いのに
空の青さはこんなにも切ない
橋から見える景色が
いつもそうだったように
この部屋も ....
花咲きしころ
悲しみをしる
花枯れしとき
嬉しさをしる
夢みしとき
あなたをおもふ
夢さめしとき
あなたをわすれぬように…
スノーネットワーキングサービス
雪がふるふる雪がふる
さっきより大きな白片が
歩道をねっとりと濡らす
SNSが発動している
スノーネットワーキングサービス
....
今宵の酒は美味い
お前の優しさを肴にして
飲む酒は最高だ。
明日あさっては休み
本は買ってきた
あとは覚えるだけ
あと3週間の辛抱
歯を食いしばる
後は各地で講演して
大宴会 ....
外へ出ると一面白の雪の世界――、そんな所へ行きたいものだ。
戸を開くとその願いをあざ笑うように、暖かい風が吹き付けてきた。さんさん光る日の下で、蒲公英がのほほんと日向ぼっこをしている。
―― ....
そっと触れた涙に 苦しいよと呟いた亡骸
世界の終わりの鐘が響いて 馬鹿らしい晩餐は始まった
割れた月の破片は飛び散る 抵抗する術なぞ考える事さえ出来はしない
貴女と笑い誓い合った 唯一の ....
三日後なのか
あっさり あしたなのか
一年もさきか
やっぱり また 半年後なのかな?
わたしたちが また
まっしろけで 出会えるのは
いつかな
いつかな
....
甘い誘惑の実を
齧ってしまったら最期
醜い本能を曝け出して
どうぞお気に召すまま
玩具にされて
玩具にして
幾度と無く繰り返す
狂って喚いて果てては求め
お次は如何致し ....
1)
やわらかな
あなたの
てのひらに
ふれる
2)
shizuku
shukusai
shi
sha
s
; ....
海面を
半音ずつ上下させ
間隔を
少しずつ狭めていくと
音もなく
止まったように
張り詰めた海面は膜を張り
そのずっと深くに沈んだわたしを
柔らかく包み
すくい上げる
....
着想 が生まれるまで 待つ 押し続ける 穏やかな 侍 放棄する インドの先端 ....
渇いた瞼に浮かび上がる人影
昇り損ねた月が沈む辺りで
ひと滴の涙も見当たらない
ノックの響かない扉の向こう
風の通らない廊下で
お皿に並べた低音のハミング
半透明が重なる花 ....
桜の花びらが風と行く
木は不動のまま空に帰る
永劫の時の中に
私達は在り続ける
夢のようだ。
年を取っているから
大人ってわけじゃない
年を取っただけの子供
多すぎるよ
雪
と思ったのは、鳥の羽だった
くるりとやわらかに丸まった羽毛が
風で、路上に転がって
ここで何が起きたのか知らない
鳥の姿も、形も無い
アスファルトには点々と
わずかな血痕が残され ....
十五の時に知ったんだ。
月の中身は空っぽだとさ。
アポロ壱惨号が月に激突した瞬間、月はぐわんぐわんと揺れたという。
十八の時の彼女が「泣ける。泣ける。マジ泣ける」と聞いていたJ-po ....
深夜2時の国道で分かれる男女を見た
タクシーを待たせる男とキスした女
肩と自転車が傾いたそのとき
僕は思った
あの二人は付き合ってる
たとえ不倫でも
たとえ純愛でも
兄と妹でも
....
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