空き箱に仕舞い込む影がちらつく
ガウンを追いかける
わたしと長い髪
暗示だけ逃げ出してしまったから
シーツもギブスもゼンマイも
鯨野原の大通りから逸れた巾着から
七曲りの空中散歩の ....
引き延ばされた時のうえに横たわっていた
何度も 何度でも細い管は出入りして
その間何を思うこともなく
何かが出来るはずもなく
ただ横たわって耐えるだけだった
この心臓は何度も死んでは再生 ....
二〇二一年十一月一日 「現代詩年鑑のアンケートへの返答」
現代詩年鑑のアンケートへの返答
詩集5冊
高柳 誠 『フランチェスカのスカート』
荒木時彦 『(Aの一日)』
長田典 ....
昔小田急線の駅で待ち合わせた友人と
顔を合わせることもなくなった 僕は
暗い駅の改札で 今は 手を一人で振っている
光景だけが はっきりと 存在していた
心のようなものを失くした
裸になった
代わりに心になった
裸足になった
切なくなって
よろしくと言った
はじまりはいつもびぎん
じっとしていた
ヨーグルトになった
甘くなくて、懐 ....
風が吹いている
風は絶えず吹いている
新たな行為をしよう
この現実に刻み込む
新たな行為をしよう
この生は死と共に終わる
君は、
生きる気力がどうしても湧かないまま
暗闇にずっ ....
アメリカのボスが牢屋にやってきた
わたしは間髪いれずに口火をきった
「アイム ソー ロンリー」
オウ ユー ロウニ?
「あたなが牢に入れたね」
テジョウビ オメデトウ
「手錠日、おめでたく ....
欲しいものがなくても
コンビニまで走った
あの人の好きなものを
まだ知らないから
お酒も煙草も
ガラスの向こうで
光って見えた
いつかは
扉を開けて
渡せるように
少し ....
眠るために酔おうとして
酔えない夜は
もうろうと想う美しい
風景が3ミリづつずれてゆく、
神さまの
立ちくらみみたいな世界
天使なんているわけないだろ
そん ....
私が走らせた蒸気機関車は、よく知る町を通り抜け
床屋の駅を出発し、歯医者の駅を通過して
商店街が途切れた所で、踏み切りとぶつかった
動けなかった
驚いて見上げた先に
もっと大きな蒸気機関 ....
晴れた日の
坊やの散歩コースは
いつものように
街を一望できる
丘の上の
見晴らしのいい公園
ベンチに腰掛け
秋の景色を眺めるのが
好きで好きで
たまらないから
....
いつからだろう
わたしは
目的をもつことを止めた
ただ気ままに
気の向くままに
いきてゆきたい
そんなことができるものだろうか
そんな風にさえ思ったこともあるけれど
まあまあなんとか
....
時の狼についに追いつかれたようなので
私はおとなしく、魂を差し出しました
でもそんなものには目もくれず
彼はただ私の両手を奪っていったのです
そうして、残された足で
私はまた時の狼からの ....
ひたすらうずくまって眠るが良い
歯が、砕けてしまうまで
宇宙を諦めた猫達が
そう、教えてくれました
声にならない、にゃあで
ひとつひとつ綺麗に刈り取られた満月の
黄金色の 子のキミの
花も実もない雑草の名など
どうでもいいことだけれども
そのあたまだけ齧り、
すこし頂けるとするならば
秋の音も、すこしは
....
私の
何処かに
スイッチがあって
触れただけで
起こること
起きてしまうこと
さて
何?
爆発
そんなもんじゃないよ
もっと凄いこと
試してみてよ
責任は持たない
何処かにあ ....
静かな時計が刻む時間はいつだって死んでいる気がする、死体の時の中で焦点のない日々を生きて空を見上げるころにはいつだって太陽は姿を消してしまっている、ヴァンパイヤのような一日の始まり、でも夜通し起き ....
自称詩人がイイね欲しさに
読んでもないのに
他の自称詩人にイイねを入れることを
取り締まる法律が発令される
違犯した自称詩人は
死刑または死刑に限りなく近い拷問の刑に
処せられた上に
家 ....
表層を滑っていく
知識をたんまりため込み
現実的な人生経験を重ね
ひたすら
表層を滑っていく
君は私という人間を
遺伝子の単なる乗り物だと
運命に支配された存在だと
思慮深げに言う ....
肌をなぜて光るそよ風も
常に新しい
あなたも
初めての時を生きている
初めて また会えましたね
そうだ!
どうにもならない時は
天に任せるしかないと
友が言ってくれた。
....
朝 煙草を吸う朝
コンピューターを開く 血行はながれよく 生政治は正常
けれど無為の情況?
簡単に作ったゆで卵とチリドッグを食べる
食い終えたあとシャーペンをノックしてノートを開いた
今日も ....
大事なのは生きること死ぬこと
この大切な命を慈しむこと
光あれと叫んだとき
光はそこにあった
誰かの宝物だったかもしれないものが
もう地平線の向こう側だ
行ってしまうんだね
露店に並んでた西瓜も
川面に浸した指先も
翅の取れた蝉の死骸も
みんなみんな引き連れて
私だけ ....
悩み苦しみ 辛い悲しみ
瞬いていた星の光
いくつもの眠れぬ夜を越え
人知れず痛めた心
そんな時にどこからとなく
繰り返し聞こえる歌
迷い戸惑い嘆き哀しみ
隠し切れない胸の叫び ....
家族とだったり
友達とだったり
キャンプ場で過ごす
日常生活を忘れる
嫌なこと忘れる
日常では感じられない
日常では味わえない
様々なこと
キャンプ場の雰囲気
賑やか ....
無常なものが花開く
それは本当に美しい
それは本当に醜い
それは本当に恐ろしい
快と不快に身を委ね
気のおもむくままに会話する
すべての鬼火の営みは
過ぎゆくその場の温かみ
....
エリザベス女王の葬送を報道するニュースで
ス────ッと流星がひとつ流れたのをみた
それまでなんの想い入れもなかったけれど
きっとあの方は正しい嘘も
いっぱいついてこられた ....
茜色の煉瓦の校舎のドアが開く
貴女がその向こうにいるのが分かる
貴女もドアを透かして認知してる
「ああ、いるね」「久しぶり」
何も謂わなくとも全てを理解している
世界 ....
キラキラおもちゃの順番が空いて
変わった模様のペットたち
中にはウィンク不可のもあって
作りかけの名もない道に
横断歩道と外国風のシンガー
今日は伴奏無しで歌うね、と
メロロンロン
....
君は座っている
石畳の上、足を投げ出して
急な階段、手摺りに凭れるようにして
座っている
座って、僕を見ている
真っ直ぐに
作りかけの猛獣のような目で
悟り切った爬虫類のような息をし ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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