無いものは無い
で済ませたい
欲しがることから今夜
卒業します
この小瓶で最後です
冬から春へ向けて流れる川に
舟が浮かんで
こちらへやってくる
柔らかな唇の端から
したたる幼児の涎が
他愛のない笑いで溢れ出して
野山を越え
滾々と
滾々と進み行く川よ
小舟 ....
合格発表の日
彼女は番号を見つけて
あったあった!と
テンションアゲアゲ喜んだ
そしてそのまま
まっすぐ家に帰って
番号あった!と
....
好きではない冬の寒さも
今だけは傍に居たいと感じます
春を先取りした貴方は
冬を抱きしめたままの私を見て
ただただ困った顔をするのです
私がようやく春に手を伸ばす頃には
貴方は ....
夢のような甘い時間は
早くなる時を経て
終わりを告げた。
迷い猫がみる夢は
いつだって
最上級のもので
今が彩られる。
だから、迷っていても
ちいとも、困りも悲しみも見当たらない。
夜は長いから
....
現代の死よりも
近代の死に存在感があったのは
そこに大きな背景があったからだ
記号のように識別され
消費されるように過ぎていく
現代の死にも
大きな背景があるとしても
誰 ....
瞳の奥には
何が見えるの
耳の奥には
何が聞えるの
今日はお祭り
今日は面の奥底に
今日は楽しく
今日は嘘をついて
ニヤけた顔がおさまらず
頬が緩み、喜び、楽しみ
心の底か ....
小糠雨が街に灰色の影を被せていたその日
道の隅でひっくり返ってもがいている亀を見た
差していた傘をそこへ置き
亀をもう一度ひっくり返し
歩けるように直した
しばらくじっとしていたそいつは ....
知らなくても
生きていけることは
知らないままで
いたいものだなぁ
身辺整理は着々と進んでいるのに
心の整理はつかないまま
あなたの言葉は
やさしく
残酷だ
身辺整理が着々と進んでいる中
今頃やっと気がついた
あなたの言葉は
額の中に向けて ....
風の音を聞くように
Yさんの口癖を久しぶりに聞いた
嬉しくなるはずなのに
昨日はなんだか寂しくなって
帰りはとても早足になった
明日の明日がやってくることを
あんなに望んで ....
彼らは同一のまま
やがて二手に分かれて
一方は家に帰ったけれど
もう一方は宇宙船へ
打ち上げの時を過ぎて程なく
夜の帳がおりるように
明るさは次第に失われていき
一つの照明器具もないまま ....
そうか
もうそんな季節か
早生まれか
笑い飛ばさぬよう
口を緩め
回り込まぬよう
肘をついて
撫でるわけにもいかず
目で追っかける
綿埃を乗り越えて
次の家に向うのか
そ ....
バラバラ に
なるのは
久しぶり
昔は
ことあるごとに
ピーって泣いて
バラバラ になっては
いつも
誰かに組み立ててもらってたっけ
今夜は
覚悟のバラバラ で
今までと ....
あなたに
抱きとめられ
口づけをされ
舐められると
もんしろ蝶は{ルビ黒蝶=こくちょう}になった
耳朶を弄られて喘ぐと
ブルーの斑点が顕れた
舌を絡めて喘ぐと
紫の斑点が顕れた ....
たまらなく
無機質。
それでいて
空を掴むかんじ。
シカクイしかくい
その箱の中の住人は
まるでわたしを
嘲っているかのようで
....
見えない時間が 怖くてしょうがない
けど二日前の失敗なんてもう覚えてない
雲の上からの景色は 少し丸みを帯びていた
疲れたのに眠れない 伝えたいのに言葉にならない
もうやだよ 自分のいない ....
木々が踊りをとめて黙していた
夜が青かった
外灯が規則ただしい涙のようだった
リズム&ブルースの
ゲゲゲの鬼太郎みたいな旋律
信号に停止するテールランプが
この世の ....
いつもと変わらない場所で
久しぶりの空の色
空なんて見る余裕が今までなかった
こんなに大きな空は
私の上で実に誇らしげだ
罪深きことだとは分かってる
ただ 心のどこ ....
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている
いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
名前を付ければ
便利になる代わりに
距離が生まれる
一目瞭然
そんな嘘の言葉が
....
恋人でもなく
知り合いでも
なくて
ただ
偶然に見かけた
あなたは
なぜか
美しく見える
まぶしく感じる
そんな
あなたに
何となく
起きた
恋の予感
恋の芽生え
....
平和を
願いながら
少女は
鶴を折った
病にも
苦しみにも
負けずに
少女は
ひとつ
ひとつ
折鶴を
作った
戦争のない
二度と
同じ
悲劇を
起こさないよ ....
あなたに
抱かれて
うれしかった
淋しかったから
いつも
あなたのそばに
いたかった
あなたの
身体に
触れたのは
はじめてだった
はじめてのキス
そして
あたた ....
他の人を
うらやむな
世の中を
うらむな
ココロを
膿むな
希望、生め
窓の明かりが消えた街に
歩く足音
吸い込んで高く澄む
黒く黒い空気
張り詰めた頬
耳を塞ぐ音楽が
どうしても君に会いたいと
叫ぶ
見上げる
高く澄んだ黒に
点いては消える光の名 ....
きみへ
ぼくは今日でおわるんだ
なんて言わないで
わたしはとりあえず
自分の今まである全てのきおくや経験から
とりあえずどうしていいのか
(おちついて/おちついて/)
かん ....
さみしかったんだ
ほとんど狼みたいに毛羽立った孤独を
ずっと人の死角にかくして
宇宙に旅立ったアホウドリの飛行士の話。
最近、ようやくこの星に戻ってきた彼の話によると、
宇宙の中 ....
鉛の弾であれば事欠かない
参観日の次の日に
母は死んだ
細胞状のカーディガンを毎日のまま
地肌に飾り夜の町へと降下するママ
時が経つに連れそんな雰囲気が
僕のマボロシの1パーツと ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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