だるまさんが転んだんだよ
土産物屋が潰れたその日に
七色の光を放ちながら
きわめてゆっくりとね
それを見ていたバター犬が
マーガリンを舐めすぎて死に
舐められすぎたマーガリンは
全身 ....
階段を駆け上がってゆく
短靴達のその軽やかな感嘆なしに
私は見る事も 言う事もできないだろう
彼らは見るに違いない
色水に浸されたかつての営みを
緑青の淀みを 泥拭われた黒耀石を
そし ....
・
痣のある猫がいて
部屋の中に僕といる
・
ベランダで風に
煙草を吸っていると
くるぶしに柔らかい体が触れる
・
敷きっぱなしの布団に座 ....
窓が要る
水平に広い大きな窓が
それよりまた少し広い麻のカーテンも
それから終わらない午睡
愉しいゆめ
{引用= (放っておいてね)}
カララ・・・ ....
夜の話の内容は
ついていけない事だらけ
誰も咎めないもんで
周りを睨みつけては
黒く染まり根付かせて
またいつかまばゆいオーラを出せたらと
心の底だけで延々と反響させる
頭の中は自由 ....
私の身体は
ブリキのようにきしみ
もう一人の私が
背中にしがみついて離れない
心を
闇の鎖がしばり
壁の見えない
洞窟の中に立つ私には
消えかけたたいまつの照らす
貧しい灯りしか見え ....
庭に植えた橙(だいだい)を
隣のいい年頃の娘が じぃと見ていた
熱視線で家が燃えるわい・・・
と小声で冗談を言いながら
剪定ばさみを手に持って
「家のは少し酸っぱいんだけどねぇ」
と呼 ....
幸福な家庭が
幸福なふりをしたので
彼は家出した
そうすることで
ふたたび
家庭に幸福が訪れた
彼にも家庭があった
誰ひとり幸福と思わないのに
とても幸福な家庭だった
冬紅葉の点在する山深く
孵らない卵の無事を祷りながら
死んだ鳥たちが青い空から降りてくる
「きれいなからだの時にもっと」
「若い奴らの指は欲しがってばかりじゃ」
その朝に目覚 ....
一人ぼっちでないてたの。
じゃまには、なりたくなかったと。
だから、からだをすてたのだと。
一人ぼっちでないてたの。
「邪魔にならない=関わらない」
「関わらない=忘 ....
あなたの不在がもたらしたのは冬だった
酷く冷たい冬だった
雪が積もり空が閉ざされても
私は知っていたから
春が来ること
あなたじゃない誰かがもたらす春を
私は予感していたのに
桃 ....
世界がひっくり返る時とは
まるで
小さな針の痛みのようです
ぼくはその朝
君をなくしてしまいました
日めくりカレンダーを
破るみたいに
あっけなく
君は失われてしまいました
....
主任のおばちゃんが
残業時間につくる勤務表と
にらめっこしながら
(あの人の性格はああだから・・・)
(この人の性格はああだから・・・)
と頭を抱えていた
なにができるでも ....
尻子玉を叩き売るドラッグストアの裏側で
段ボールを使って失意体前屈運動をするヒヤシンスのような塩化ビニルの馬糞雲丹を見た
書き初めで阿婆擦れのI染色体を半分に割って単腕の方を渡すと
塩化ビニルの ....
土のにおいなど忘れていたのだった
お隣りはもう長いこと空き家なのだって
気付かなかった
きっと幽霊の親子が住んでいたんだよ
瓦礫になった
こんなに広い場所だったのだと
足は止め ....
少しづつ忘れてく恐怖
忘れたくないこと あなたのこと 自分のこと
大好きなこと おいしかったもの 愛したこと あなたのこと
あなたのこと あなたのこと あなたのこと
そのうち日常を ....
雲になった少年は
涙を流して
誰に何を
知っていてもらいたいのだろう
詩人になりたかったのは昨日のこと
今は風に流されるだけ
それだけのことに
満たされている
嬉し泣きしかでき ....
手招き誘われるまま夜道を遊歩
遮断機も下りない時間
どうやらその心は
分離帯に乗り上げてしまったよう
奇数だけを数え口ずさむ
9番目の階段で振り返る
まだ、誰もいない
....
窓の外がうるさいのでカーテンを開けると、案の定、犬が降っているのだった。雨粒たちはみな、犬の姿をしていて、降り落ち、地面に当たると、きゃいんきゃいんと啼いて弾け数粒の ....
詩を旅立ち詩にかえる
詩は私のふるさと
永遠に根づくかなしみと やすらぎ
旋律の青く燃える落日が私へしずんでゆく
私は水平線をそっとほほえみ湾曲する
ふっと行間に足をとめて
....
{画像=080320163452.jpg}
血に毒が混ざって身体を廻る。
ドクドクする血管の鼓動が命の儚さを感じさせた。
やがて熱も冷めて血管が収縮する。
その感触に作り物の身体が ....
別にあなたと
つき合わなくちゃいけない
義務なんかないので
適当に
適当に
適当にしているのに
まるで水飴を服に付けちゃったときみたいに
うっとうしい
もう大人なので
側に来るなとも ....
{画像=071201103612.jpg}
日が沈む時、あなたは何を思いますか?
夕日がビル街に反射して
アスファルトに撒かれた水がきらめきを残している。
静かに息をひそめる温度に、
あ ....
月をしばらく凝視して
まぶたを閉じると
月は暗闇の中で影になって
そしてすぐに溶けていなくなった
街を歩けば骨と骨がぶつかりあって
地面がこすれて悲鳴を上げて
無意味な国に生まれて
....
分かる範囲に囲まれて
安心の輪郭重ねて
もういいかなって思うんだ
人生を旅にたとえた人がいたね
豪雨の中ホームから降りて
道なりに進んだ大使館
絵を描いて
ちっちゃい駅作って
絵の ....
私と同じ名前の
69歳の女性が きょう
軽自動車で踏み切りをわたる途中
特急電車とぶつかって 死んだ
昼のニュースでは
まだ新しい彼女のオレンジ色の車に
鋭利なフォルム ....
なんだかこぎ疲れたから
ちょっと立ち止り休んでみる
無理してこがなくとも良いのだと
あなたは諭してくれたけど
途中でやめるなんてことできなくて
意固地になんかなっていないよ
こぎ続ける ....
灯りを消して
毛布に包まりながら
朝、からいちばん遠い眠りについて
意識の上澄みに漂う
屋根を叩く雨は
僅かずつ肌に迫って
やがて水の中に
わたしを浸してゆく
雨音は
美 ....
終わりでも
始まりでもなく
ただ
膨らんだシャボン玉が
ストローから
離れるか
離れないか
そんな感じ
だから私は
ちょっとした揺れを
感じながら
静かに
....
三月とはいえ まだ雪の残る駐車場から
会社の玄関に入ると 大きなスーツケース
今日 帰国する中国の人達の荷物
十名の三年間 勤めた生活がまとめられてある
タイム・カードをおしてロッカーに行 ....
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