拡散する意識のなかで
三月の
浅すぎる海底に揺れている
季節は傾きながらも
横滑ることなく
白い軌跡を轢いてゆく
街路樹の切り口に
ひたり、しみ込む優しさ
僕はきっと
臆病な ....
自分不器用なもんで
飯がちゃんと食えません
なんだか茶碗を持つ手がおかしい
なんだか箸をもつ手がおかしい
ものを口まで持ってっても
なんだかべろが先に飛び出す
なんだかおかしい
おかしい ....
からすは桜の枝に留まらない
花が落ちてくる
花びらではなく
雀たちが花を切り取り
蜜を吸い落としている
くるくると
くるくると
花は 回り 回る
幾つも 幾つも
....
濃密を増した この空
重力の強い 会話が
男 と 男 で 交わされ始めて
口ごもる低い声が 雨のように漏れて 滴り
あの木々も ビルディングも
積もりに積もった 垢 落とし
排水溝は汚 ....
この世に善も悪もない。
あるのは、それを決める人の心だけだ。
鼠を捕ってくる
雛のために
木々の根を掘ることで鼠は
さらに土深く、広く根付かせるのだが
ささやかな営みは永遠に中断された
雛は、くちばしとかぎ爪で
鼠を裂くことを覚える
肉塊と ....
降り止まぬ雨
私の味方
晴れの日は嫌い
だってみんな楽しみ方をよく知ってるし
私はいつも仲間外れだから
暮れかかる夕日
私の味方
朝日は嫌い
だってこれから辛く悲しい一日が ....
ねえ君は
どうしてそんなに喋り続けるんだい
何かから逃れるかのように
何かを一時でも忘れたいかのように
その身体を
いま/ここに繋ぎ止めるために喋り続ける
軽くなる言葉
....
{ルビ瑞香=ズイコウ} {ルビ結香=ケッコウ} {ルビ沙丁魚=シャーディンユィ}
香る花には毒がある
棘だったのは舶来品
針千本は呑めたとて
毒を飲むのは難しい
難儀な波が津 ....
"ネットでの出会い"
近頃の事件が
皆のイメージを
悪くしている
でもね
素敵な出会いだって
もちろんあるんだよ
一つの運命
一 ....
耳をふさぐと
潮騒が聞こえる
その向こうから
誰かの悲しい
声が聞こえる
耳をふさいでいた
掌をあわせて
真実に触れてみる
変わらないことと
変わることは ....
{引用=
天体観測者に告ぐ
赤道儀を解放せよ
}
赤道儀を空の中心に合わせると
僕は地軸を手に入れる
グリニッジでも
マウケアナでも
野辺山でも
誰かがそうやって
手に入れる
....
なりたい
なりたい
小学校の卒業文集
車掌さんになりたかった
なりたい
なりたい
中学生の頃のタイムカプセル
音楽家になりたかった
なりたい
なりたい
高校の進路相談
高 ....
世界が
よくない方角に
倒れこもうとしている様は
ちょうど
伐採される老木の
ゆっくりと
森に倒れる姿にも似て
何もかもがスローな速度で
笑い声も
ブランコも
つないだ手と ....
柔らかい雨が降っていた
右手を空にかざして
雲の向こう側から届くだろう
君の言葉を待っていた
冷たすぎることもなく
温かいはずなんてない
冷静に考えてみれば
いつもと同じ雨だけど
....
夜
泣きたくなるのは
哀しいからでは
ありません
部屋に
サカナがいるからです
窒息すまいと
パクパクと口を開け
泳ぐサカナが
いるからです
水を求める
青いサカナが
水を ....
光の天使が突然僕の前に現れたところから
僕らの小さな物語は始まる。
そのころ
小説を読みまくっていた僕は
学校や、同級生や、先生や、その他の
世の中の大多数の大人達に辟易し、半ば馬鹿にし ....
ねえどうしてこんなに胸が苦しいの
ぼくたちを巻き込んでは、はなして
くりかえされるのは、夕立
あやまちをおかしたのは
いつだったか、もう
おぼえていないのです
きみが好きで
....
あなたの童話的世界
森があってお城があって
わたしがいてあなたがいて
自然とこぼれる微笑み
わたしの童話的世界
壁の目がひらき地面の口がひらき
のみ込まれてゆくうつくしいも ....
びんぼう びんぼう
いつだって
びんぼう どれだけ
金があっても 恋をしても
びんぼう 埋まらない
びんぼうな ココロ
どれだけ 歩いても
どんなに 泣いても
ビンボウ ヒマなし
....
どこかのひるがえりに花が咲きますと
はじめの足跡が海からバサって上がってきます
空にはたくさんの巨人が腕をのばして飛んでいる
巨人のTシャツには
春風とか桜とか
或いは一番とか神風とかプ ....
すくい上げる青色は美しく
胸の奥まで入り込み
すくい上げた青色は
先の見えない「透明」だった
悲しくて悲しくて
指の隙間から
寂しく寂しく
こぼれていった
世の中に
たくさんのスナックがあるのには
理由があるんです
おんなじ店で
なんども哀しみ見せられないでしょう
今夜も女は男に狙われ
身体を手で○○てゆくようです
....
いつのまにか気がつくと
おなじ出口にいきついてしまう
人生ゲームのルーレットも
カラカラとおなじ音をたてるだけ
でもわかった
きょうわかった
ほんとうは迷路なんかじゃないってことを ....
頭を撫でられながら読んでいた物語のこと。
宇宙船の中では電気の力で四季が生まれるという。
ならば、どうするの? と問いかける。父の膝。温い。
真っ暗闇では、ヒトの体は胸から眩い光 ....
あなたの横顔
あなたの香り
私を惑わす低い声
不器用な指先
じらすような返事
抱き締められたときの暖かさ
私を見つめる視線
自分を見失うほどに私はあなたの虜だった
....
あなたはいま、幸せですか?
君の単純な問いかけに
イエスともノーとも言えなかった僕は
不断桜の幹に身体をあずけ
枝先の小さな葉を気にしていた
こいつも光合成してるんだなあ
陽ざ ....
桜を見て綺麗 と言う君
そんな君を見て
僕は何を思うか知ってる?
桜より君の方が何倍何百倍も綺麗だよ
なんて言うつもりはないから安心して
ごめん桜の方が綺麗だ
だから
....
***
そらをおよいでは
不確かなものをさがして
真白なひかりをのこしました
きみはもう
ちいさなちきゅうでした
***
水晶のグラスを
シャンパンの泡
昇っていく
ナミダ浮かぶ夜
甘い地平線
求める冷たい雫
使えるようになったんだ
おとぎばなしの魔法
ディズニーランドのパレード
ラッキ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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