僕の初恋は
とてもとても遅かった
僕は口下手で
人付き合いも下手で
不器用だった
そんな僕に
君は笑いかけてくれた
隣に座ってくれた
思い切って食事に誘った
君はきてくれ ....
鋼鉄の強さが欲しかったのではない
柳のような強さが欲しかった
何もかも跳ね返す強さが欲しかったのではない
しなやかに受け流す強さが欲しかった
黒と緑
ひともとの曇
月のきざはし
忘れられても うたいつづけて
笑顔に割れた夜の下で
いたたまれずに背を向けて
ふせ目がちに風を見る花
光のなかのまばらな道 ....
喧嘩してたんこぶできた
悔しくて暴れたら
たんこぶできた
幼い頃は親戚のおばさんに抱っこしてもらって
撫でてもらったっけ
もう大人だけど
私の頭のたんこぶは
ズキ ....
君は
いつだって優しくて
まっすぐに私をとらえてくれる
一緒にいると
とても楽しくて
とても勉強になるンだ
そんな今を
笑ってくれる君を
とても愛おしく思うから
このりんご
....
いつも迷惑をかけて
ごめんね
ありがとうじゃ
伝えきれない気持ち
照れくさくて
言葉にできないケド
本当は、ね
一緒に何かを作ったり
ばかして笑いあったり
何だかんだ言いながら
....
髪を切った
古くさいと言われるかもしれないけど
欲求を吐き出すために
私は昔のドラマの女優のように
髪を切った
誰かと性交した
『性交』という表現は昨今では聞かないが
確かにセックス ....
波はゆれる境界
なかば砂に埋もれた
頭蓋骨の眼窩から
蟹が一匹入っていく
風は不確かな時間
すり硝子のように
薄くなった骨を透かして
蟹は太陽の輪郭を見る
そこは廃れた教会であ ....
ふと君のことを思う人がいます
椅子にすわりながら
悲しい目で
僕は病院の待合室
病人の自分と付き合うのは大変だろう
その人は思います
君は
頑張れとは言わない
ただ
見守 ....
あの子にも
あなたにも
幸せが
いっぱい飛んできますように
有り余ったら
少しだけ
私にも分けてね
彼女の左腕には無数の傷跡がある
彼女はノースリーブを着れない夏が嫌いだ
些細なことだった
18の時に親友と祇園祭りに出かけた
祭りの熱気が冷めない河原町を深夜ふざけて歩いていた
....
真っ白な雪が降ったとき
僕は子供のように喜んだ
冷たい雪に埋もれながら
僕はそんなふうになりたかった
真っ白な雪と大地の間で
わずかな温もりを感じたかった
四月 (始ま ....
たとえ上辺だけの優しさでも
なくなってしまったら
この世の中
上手くいかなくなっちゃうんだよ
時に心を隠すことも
人間の世界では必要なんだ
私は思い出す/つめたい夜に/カルメンの盗んだ/赤いワルツ!
/或る冬だった/私はもう目の前を何度も旋廻していた/震えるように足拍子を刻んでいた私を席に着かせ/踊り狂う赤い靴をホットミルクで切り落 ....
週末で退屈だから
とある国の話でもしようか
そこはわりかし自由な国で
入口はいつでも開かれている
入国拒否なんかめったにない、もんだから
とにかく誰かを捕まえてインネンつ ....
あの人は空
降り止まない雨が私を叱る
この世界の青は
空と海が一緒で
想像はすぐに
溶けてなくなる
もしかしたら海
それよりも
もっと青なのか
不安になって
また
あなたは還る
....
へのへのもへじみたいだねと問いかけたら
「へへののもへじ」が正しいんだと
あのひとは言った
―へのへの
叱られて家に帰れなかった
夕焼け空に
ロウセキで描いた
へのへのもへじ
....
一生「お母さん」と呼びなさい
お母さんは
「お母さん」と呼ばれる人 ひとりじゃないこと不思議じゃない
でもあなたがお母さんと呼べる人はリアルタイムひとりしかいない
離れたって
ず ....
地平線の向こうに
沈みゆく陽の輝きをうけて
盲目のピアノがある
そこから
三歩先に
思い出を失くしたチェロが腰掛けている
盲目のピアノと
思い出を失くしたチェロとの
ちょうど
五 ....
嫌な事ほど
かえって忘れられない
思い出すのも嫌なくせに
何度も何度も繰り返し反芻して
自分をムカつかせているのは
なぜなんだ
もう思い出したくない
意識すればするほど
日常生活の ....
しとどに濡れた
森の中で
目覚めたのは誰
ふんわりシーツで
目覚めたのは誰
朝露光る
草原で
目覚めたのは誰
泣きながら
目をはらして
目覚めたのは誰
おはよう
....
僕らは
何が永遠かも知らずに
永遠を求めて
走り続けた
今
辿りつけたのだろうか
輝く永遠に
果てしなき
幸せな永遠に
早く桜を咲かせてと
小さな心で願う
満開でいられるのは
ほんの一瞬
移ろいゆく日々が
育てた輝き
今確かに愛が
桜と同じ色に染まって
微笑む桜が眩く光る
たったひとつだけ ....
住所を聞くように
ブログのアドレスを訪ねて
これで大丈夫と安心する
また話そうねと文字を塗り重ねて
実際に会うより
大切にしているかもしれない
何かが起きて
アクセスできなくなったら
....
その娘は頬を赤らめることができる
ただそれだけのわけで
マートのレジを叩く少女を愛おしく思った
何故人は人を求めるのかね
一人ではないという幻想
届くことのないテレパシー
真空の宙 ....
孤独な旅に早くもくたびれて
テントの中で アパートの椅子を思う
食卓に一脚の椅子
雨に煙った三日間
バイク乗りは手を差し伸べあうが
届ける花束はない
明日はもっと 寂しい所へ行こう ....
口の中に微かに鉄の味がある
コートの袖口が擦り切れている
錆びたドラム缶からはいだして
月下の廃工場を後にする
奏者を失って久しい機械が
ほの青く光る一群の風琴になっていた
鳥が飛び立 ....
ふわふわの朝靄に
あなたを見送る
消えていく後ろ姿は
ふわふわと
朝靄に包まれ
見えなくなってしまう
早く帰ってね
って言ってみるけど
朝靄に邪魔され
あなたのとこまで届 ....
悲しいだけ
とつぶやいたカメレオンが鳥居にぶら下がっている
雷に打たれていたのは
乾いた老木と夜の帳
指先に切り傷
問題になるのはザクロの色ではなくて
あなたへの愛
水蜘蛛に絡め取ら ....
剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に
*
やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
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