ざくり、ざくり、という音で目が醒めた。
白い壁紙が窓から入る柔らかな光を映している。
わたしは朝一番の仕事を思いだし、慌てて起き上がった。
枕元には、寝る前に見なおしていた写真が散らばってい ....
ごらん
空が青いのは
海が青いからなのか
それとも空が青いから
海が青く見えるのかわからないだろ
正直そのどちらでもなくたっていいくらい
確かにそのどちらでもないのかもしれないし
そ ....
同じ様な空の下。
僕は、君の涙を拭えない。
声さえも、届かない。
僕らを繋ぐ電波は、弱くて。
気持ちだけじゃ、時々不安になる。
多分、同じ空の下。
繋がる心は、 ....
どちらだ
介良か
国分寺か
ふるさとは
どちらだ
足の裏をくすぐる
懐かしさと
頭をよぎる
寂しさと
うどんの味が違う
たこ焼きの食感が違う
空が広す ....
手がちぎれるくらいにのばしてみる
空 に
とどくわけないの に
そんなことは知っているの に
ふう、と窓に息をふけば
くもる
・しばらくだけ、くもる
・また、みえてくる
どっち ....
湿った夜の破片が
蝙蝠となって折れ線を描く
低く、低く
やがて来る、雨と
灰色の朝は
かなしい、という色に似ている
里山の懐に
ちいさく佇むそこ、は
永遠の黄昏に向かい旅立 ....
いま詩を書くということに対して詩人は触れれば剥がれる廃墟の塗膜
みたいな瘡蓋を額縁に飾って「この傷は治りかけです」と注意を促す
斜に構えたシンキングタイム理解し合えないことを前提にした会議は
今 ....
0時過ぎの残業を終えた
更衣室のロッカーに
凭れて座る栄養士
青白い顔と体をつらぬいて
うっすらと立つ
ひとすじの葱
誰かにおやすみと言って欲しいのですね
そうじゃないと
また眠れないのですか
せっかく作ったゆりかごから
落ちてしまうでしょう
1本だけ寂しげに咲く
赤い椿
は ....
街を歩く人たちの話し声や、靴の音
何か分からない音、無言の音
音という音が一緒になっているんだ、と雑音は語りかける
目に映る街がチカチカしてのだ
雑音に苛立つばかりではない
真昼だ ....
使い古された祈りのように
どこまでも机が並んでいます
その先には針葉樹林があって
仲の良い母と子が
なくした傘を探しています
木洩れ日が揺れて
ときどき音なども聞こえてきます
「ひでぶ!あべし!あちゃちゃちゃちゃあ!」
歌舞伎町のライブハウスで
登場した幕間詩人の
雄叫びを聞いた翌日
職場への道を歩いていると
古びた赤いポストの下に
「北斗の ....
赤信号になったので
立ち止まり
振り返って戻った壁に
額をあてる
腐った蜜柑になっていた
昨日の自分の嘆きを
冷えた壁は吸いこんで
振り向くと
信号は青になり ....
世界で一番劇的な夜、春嵐の放物線で恋が終わる。誰にも届かないシトラスグリーンの鮮血に、小麦の焦げる匂い、聞きたくない雑音を消す爆音をなくしたまま、漂流しようにも浮かべず、ただ、だらだら弱音 ....
草の葉が
風にゆれて
風景と対峙する
その葉のさきに
とまる爬虫類の眼に
やどるのは人だ
さようなら
葬列のむこうへ
風はゆくが
寂寥とした気配に
残されたものは
石積み ....
街路樹に縫い付けられた
君の叫びが
空に
ゆっくりと沈殿していく
天気予報は午後から雨
いい音は
まいにち変わる
天気で変わる
時間で変わる
気分で変わる
いい音は
うるさくない音
いい音は
静かな音
いい音は
こころにしみる音
いい音は
こころをうごかす ....
火は 一種類のために 婚姻してしまい
又は 燃え尽きるまで 一斉に種を埋没させ
灰すらも そこには かけられない
一本の樹木が 夏に 照らされ
糞を垂らす ゆっくりと
穏やかな 春は ....
きみは知っていたはずだ
いつまでも続く四月の午後
ぐっすりと眠り込んだきみの額に
ぼくの夢は文字をつづった
きみは知っていたはずだ
森はとうとつに緑の下着をまとって
ふりむくと花はひら ....
t he sa me
t he s am e
t he sa me
t he sa me
t he sa me
th e sam e
....
わかるわけがないと思う
あの頃
みんな
もう何をしてもつまらないって知っていた
この先何も
いいことなんかないって知っていた
生き残るため
そう、大していいこともないのに
ただ生き残る ....
黒人の友達のトミーは
話好き
すぐに寄って来る
ジュリーはいつも
ダンスを踊っている。
タップも踏める
レゲエはいつも流れ
パンケーキが毎日出る
手と足の裏が白い!
カモメが飛ぶ海岸線
鳥の下には魚がいると言う
何も考えない
潮風を受け、笑った。
望み、幸福、愛、
痛み、残念、後悔、
好き、嫌い
出会、別れ
くっ付いては離れ
離れてはくっ ....
哀しみの大河に向かい
佇む君に僕が出来ること
荒れ狂う波を鎮める風になって
君の勇気を目覚めさせる
苦しみの山を越える時は
安らぎの導べとなって
眩しい緑の草原に誘 ....
しわひとつないテーブルクロスに、鮮やかな花々。
ポーカーフェイスの給仕に椅子を勧められ、席に着く。
差し出されたメニューは白紙で、けれど彼は静かに問うのだ。
「ご注文はお決まりですか?」
....
なに?大好きが聞こえない
愛はしなやかな放置プレイ
春のかすみは遠浅の緑宝石
風がほどけて翔けてゆく
ぼくは故障した水のよう
いっぽんの煙草を燃やす
なに? ....
夜が燻る
夜が放火する
わるいゆめ
ほんのすこし掠めた
ささくれが毛布にひっかかるような
ひっかかるようなきがして
指を舐める
夜が燻る
夜が放火する
にがい ....
――在りすぎる
――喰い過ぎた
そう言い残して
古い{ルビ貘=ばく}の最後の一頭は
{ルビ爆=は}ぜた
現実の中で生きる
新しい貘たちは
限りある食物を摂り
日々穏やかに過ごしてい ....
人は寄り添い歩くもの
でも頼りになる人がいつもいるとは限らない
知らない街を一人歩いた青春時代
守られ守り強くなり弱くなり
繋がっていると信じることこそ本当の強さ
目に ....
壜詰が中に容れられたものを保存するメカニズムは知られていない。知られているのは、壜詰が腐敗を遅延させる、ということのみである。重要なのは、この命題である。それゆえに、数個の壜詰はまとめて、より大きな壜 ....
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