夕焼けを
陽が沈むまで見ていたい
そう思いながら
いつもかなわない
夕焼けを見るのは
いつも帰り道の途中
遠くの森は
暗く沈み始め
自分の影さえ
別の生き物に見える
世界のすべてが ....
殺人事件のあった部屋で
終始悲鳴をあげている誰か
飲み込まなくてよかった何か
気にとめないでよかった在りか
眼のかすみだと思い込んで
そこに居た影を忘れた
たちくら ....
青空に開いた無数の穴
そこからこちらを覗く眼球が
光はねじられ裏返され
それは星々の唾液
地上を焦がす
宇宙が足元に広がって
臭気を放つ
俺はその上を
サンタのそりに乗って滑っていくん ....
紙の水面から沈んでいく
鋼鉄の季節、眼はあなた
乾いた舌で皮脂の
履歴が記された頁を朗読する
排水機場の細かい部品が
錆びて赤茶けていく
ざらざら、その過程
時間はあなた
教会の壁は白いものだ
僕はそう思う
緑色の夏の池の前に立って
池の向こうの森に
屋根と十字だけが見える
教会に行こうとしないままに
*
よく晴れた休日には
出歩 ....
もはや不味くなるばかりの煙を吐きながらその渦に、下手な嘘をマジな顔で吹き込んでみるたびに君と少しずつ時計の針の振り幅がずれてゆく。
僕はそんな秒針を飽きることなく眺めている。
「あれはいつの日のこ ....
誰かと一体として生きることを望むのは
愚にもつかない愚
皮膚一枚を隔てた男(ひと)の中には
わたしへの異物が渦巻いている
さて思い切ってその内臓のなかに腕をつっこんで
あな ....
私は薄暗い部屋に閉じ込められていて、毎晩(ここに来てからずっと晩なのだ)、手探りで秘密の通路を探す。私はいつもそれを見つける。通路を辿っていくと私を閉じ込めた奴の寝室に出る。秘密の通路は無数に穿たれて ....
コーヒーに角砂糖を入れる
ろうそくの赤い光
サイホンの音
半日を振り返る
BGMに癒される
楽しくなる
何も考えない
脱力する
歯を食い縛り
気合を入れる。
午後も頑張るぞ ....
5月というのにこの寒さだ
風邪をこじらせてしまって微熱が出ている
昨日バウハウス展に行った
ドイツワイマールが生んだ芸術は無機質で冷たい
芸術は時代に生まれ、伝統的な技術が加わって新し ....
風船
たくさんふくらます
ぷうぷう
ふうふう
赤や
黄色や
青色や
マーブル模様は
お気に入り
全部自分でふくらます
今日のお天気よりも
私の気分が軽いか ....
環状線にぽつぽつと
浮かんでは消えていく煙草の灯かりをじっと見つめながら、
続け様に潰してみた青春は
涙では遅い、と呟く
煙草を消す仕草のような生き方をして
最後はやっぱり煙になんのかね
....
泣き疲れてのぞきこんだ空も雨
たわ言が散らかった僕の部屋
窓を叩く春の音は春のままだった
今日は木曜日
朝顔のツルが絡んだ夢をゴミに出さなきゃ
手 ....
秘かに微かに
静寂の
濡らして浸す
足元に
広がり狂う
透明な
心の野原に水が湧く
叫びは深い
悲しみに
孤独は深い
黄昏に
心の情緒を知るたびに
心の無常を知 ....
失ってしまった何かを探しに俺は旅に出る
といって玄関を出て、2歩で見つかった
俺が失ったもの
それは
鋭さ
ユーモア
若さ
好奇心
向上心
ルック ....
080510
生まれたばかりの赤ん坊
歳を喰った赤ん坊
仲良くならんではしゃいでる
これから通る寄り道は
怖いお化けが威張ってる
拳骨 たんこぶ 雛あ ....
生き死になんてものが
畑に植わっているから
せめて軍手をはめて
つばの大きな帽子なのだ
黒い土のにおいのなかに
かきまぜられもしない
軽々しさを聞く
ぽこんと泡を抱いた
空々しさを ....
ものの名を知ることは
世界ととけあうことだ
曇天の下
すべては自らを中心に
分断されている
その心がかなしく
またこわいのだ
誰も知らない場所で
花が落ちるように
周囲から急速に暮れ ....
自分にできることなんて限られている
何もできないくらいだ
でもじっとはしていられない
何でもいい
何かしたい
助けたい
言葉で素直に言えればいいのに
素直になれない
本当の家族 ....
恋をした。
消しゴムから出たものを手ではなくて息で払ってた。
その息で、
耳の中まで、洗われた気が
した。
小学校3年生の、夏
恋をした。
英語のテストの点数を負けたと言って悔し ....
パスカル、
それは
小さくて
切ない
君みたいな
方向音痴は
つきあってると
つかれるからって
こまかく
きざんで
パスカル、
こんな僕をゆるして
いつまで ....
空のすみずみまで血はめぐり
いつもの午後が
今日も静かにあくびする
ふと目が合って
空の心臓が
止まりそうになった
手を繋いで歩いたら
真っ赤な大きな心臓が
名残惜しそうに ....
散文は「私はコレ」であり散文詩は「私のコレ」である。
と明治の哲学者兼文学者兼畳職人の増臣武人は言った。
詩と小説の違いは目の逸らし方にある。
と18世紀ヨーロッパの作家モント・ノッペルは言 ....
ながいあいだおもいえがき
こころにだいて
よびかけたものを
いまはおもいだせない
すなのもじがかぜにけされて
あれちにはだれもいなくなった
かたすみにさくカタバミのはなににて
ねがいのよ ....
激しさの夜を覚えているかい?
立ち止まる君はうすい雨に濡れていた
月が照らしてた
灰色の月がそっと
流れゆく雲は魚の群れのよう
風の音は映写機のようにまわり続けて
吐く息は花のように咲 ....
満月が赤い夜は
ホットドックのケチャップもきっとあかい
あかいあかい
あかい靴ひもが私のお気に入りだと笑ったあなたの唇はなぜあかい
それはトマトを食べたから
....
{引用=(いつでも、何もないえがおでいてほしい、無条件に)}
近づきすぎると見えなくなる
遠のいてゆくとさみしくなる
他に、どこも、どこにもみつからない
てさぐりで、探した宇宙 ....
残像を組み立てていました
それは最果ても永遠も知らぬ 孤独な作業でした
自分の醜悪さと隅っこに残った光 それだけが材料だったのです
それで あなたを 作れると 思っていました
思い出の ....
一週間後に脳の手術をする
八十八の祖母の部屋に
慰めの言葉もみつからぬまま
顔を出そうとした
{ルビ襖=ふすま}の隙間から
すべての恐れを一時忘れた
安らかな寝息が聞こえた ....
ライオンさん!
こっちでは愛が降ったよ
久しぶりにあなたの、
ライオンさんのタテガミ
見たいなあ
どんなに濡れてもライオンさんのタテガミは風にふわりとなびいていた
どうしてなのか尋ねた ....
4160 4161 4162 4163 4164 4165 4166 4167 4168 4169 4170 4171 4172 4173 4174 4175 4176 4177 4178 4179 4180 4181 4182 4183 4184 4185 4186 4187 4188 4189 4190 4191 4192 4193 4194 4195 4196 4197 4198 4199 4200
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.02sec.