寂しい日には鏡の前でうずくまる
そこには彼が必ずいるから
やあ
僕は手をあげる
彼は黙ったまま手をあげる
彼は何も語らない
ただ
僕の言葉をぱくぱくと飲み込む
彼の糧は僕の言葉なの ....
雑居ビルの中にある小さなライブハウス
彼女が鍵盤に指先を下ろした瞬間
スタインウェイは真っ直ぐに彼女を見つめた
たたみかけるような熱い音の重なり
スタインウェイと彼女の間には
透き間 ....
氷の中でも
トビムシと藻は
生きている。
春を諦めない。
熱には弱いが
寒さに強い
氷でも光は通す
氷でも溶ける。
夢を諦めずに
今日も生きる
命を大切に
生きている。
....
悩むことは苦しい
出来たらいつも美味しいもの食べて
美しい衣装纏って仲間と愉快に
愛情に囲まれている方がいいに決まってる
あえて悩むことなんかない
悩む力を持っている人は ....
夏至、直射する日光の中
未熟な暴力によって踏み潰された草花と
心音だけのその小さな弔い
駐屯していた一個連隊は
原種農場を右に見て南へ進み始める
わたしは網膜に委任状を殴り書きする
....
私たちはいきているだけで
土を汚し
空を汚し
海や川を汚し
人のせいにして
わらつているのだ
汚した土からは
何も生まれず
汚した空は
汚れた雨を降らせるのだ
....
さめたスープを
なべに戻してはいけません
いけません
あたためなおすとき
すぐに沸騰してしまうから
もうそのままに
飲み干すなり
捨てるなり、お好きに
今夜も薔薇の刺に気絶しそう
土深く沈む場所に
根を伸ばして
真っ暗な場所で絡み合いましょう
赤い薔薇に青い薔薇を混ぜましょう
白い薔薇に黒 ....
好きとか嫌いとか
そのような感情と同じ速度で
五月の空はわたしのこころを蝕んでゆく
そして陽射しに揺れる葉桜が
散り行く先など知る縁も無いように
他者への憎しみを
こころの襞奥に抱え込 ....
彼は怒っている
子供の頃から怒っている
彼の父も怒っていた
彼の怒りは彼の父やそのまた父が灯し続けた小さな聖火である
彼はもはや何に怒っているのか分からない
彼はずっと怒り続けている
....
朗読会の司会を終えて
{ルビ塒=ねぐら}となったネットカフェの個室で
目覚めた朝
古びたタイルの便所に入る
鏡の前に
薄桃色の花柄の
トイレットペーパーが
置かれている ....
わたしはたぶんかなり疲れていて
これ以上1ミリグラムだって溶けない
飽和寸前の塩水のようにぎりぎりで
でも
疲れているのは心なんかじゃなく
塩辛いのは涙のせいなんかじゃなく
あくま ....
臨み込んだ剣士 飲み込んだ欠児
傾れ込んだ食物 腹のなかで もう二度通す
痒いんだ身体 地面を転がって
風の蹴りで胸をやられる僕
土から虫の生えた夢を
どうして眠るときの夢 ....
ささら
降る雨は
きらり
きらり
あたたかい
曲線を
なぞって
温度を
中和する
泣き崩れた
君も
柔線
逆撫でて
可愛いよ
と
ちらつかせて
吐いた
かくれ ....
ちらきらぴかり
あふれだす
甘くて
カラフル
こんぺいとう
きみの口にも
あのこの耳にも
ぼくの頭にも
降ってとけてく
甘くて消えちゃう
ま ....
都市伝説の革命が毎秒誰かを殺めている。
リモコンの電池が切れたから僕はそれを見つめている。
ハイヴイジョンの向こう側には名前も知らない小さな世界で、
逃げ惑う子らの悲痛な叫びが鼓膜を震わせ響いて ....
やまのてせん新宿でおろして乗り換え口がいまだみつからない
わらいかたをわすれたどうけたちのぱれーどをみてたかようび
らいむぎばたけでつかまらなかったあのこはまだみつからない
かいだんが怖いといっ ....
忘れるために楽しんで
楽しむために忘れない
チックの消えぬ心の傷を
少しほじくり血を流す
愛なんて重過ぎて
右手の震えが止まらない。
鼓動する
線路上の心臓の
信号ではじまる旅
信号で終わる旅
点滅する
信号の果てにある
命の駅
信号は
出会いの青だから
別れの赤だから
動脈と静脈が
行き交う街に ....
僕の無くした帰るとこで
くずおれるほど夢に熟れる
「迷ったままで いたかったんだ
ふたりぼっちの あの八月の迷路」
ことばをひとつ しぐさもひとつ
忘れていくよ あの夏の夜 だけど ....
電気をつけないままの部屋で だらり 弛緩
久しぶりの死体ごっこ
死体の損壊状況は脳みそが酷くただれている位
胃の内容物は八海山と寒梅、久保田
最後に電話で話した人物は元バイト先の先輩
ホ ....
森の陰に覗く
星の光八方に伸びて
半球を照らす太陽
惑星の輪郭を撫でる
モノクロームに沈む世界で
浮かび上がる心臓の鮮やかさよ
色付く鼓動
夜の淵にそっと燈り
生命の意 ....
一つづつ、落ちてく
硝子の、砂粒
星のように、流れて
願い事、叶えてよ
瞬き、消えてく
光降り注ぐよりも早く
大切なもの気付いてたらなぁ
星降る夜が白む暁
あと ....
ちいさく固めた握りこぶし
こいつで世界にヒビを入れてやる
決まりきった日常ばっか
予定調和に、永遠回帰
嗤う天使
溢れる情報の嵐
何を拾って、何を捨 ....
風化した地名が
風にめくれる
とある地方の砂浜に
長く伸びる犬の影
午後の陰影が
時間を止める
孤立した犬の
悲しい視線を
誰も受け止められないだろう
一瞬
犬と私のココロが
入 ....
瀕死の夕日がこっちを見たままで
もう三十分が過ぎようとしている
愛しさえしなければ
関係は容易に築けただろうに
名前も知らなければ
容易に愛しあえただろうに
昔あった出来事か
昔 ....
どこかのアパルトメントの
窓から下手な鼻歌
握り潰されたマルボロの空箱が甲虫のように転がる
排水溝からささやかなモルツの香り、だけどそれは
はなはだ飲みすぎた誰かの
....
白い砂漠にきみが一人立っていて
目の前には無数の一人が立っていて
言葉も無くきみを問いつめる
詩人らしき男がきみの昨日を責め
破れたジーンズがきみの怠惰 ....
歩くスピードが遅いと言われても
そこで泣いてはいけないのよ
だって キーボードは早く打てるんだから
これで釣り合いが取れてると言う事
バランスが世の中を支えているのと考えれば
お ....
女の子達に追われる友達
第二ボタンを頂戴と言われる。
握手してください。
あの先輩の彼氏ですよね。
根掘り葉掘り聞かれる
チョコは山のよう
手紙は束になって
下駄箱に入っている。
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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