ぼくに幸せをくれたきみに
どれだけ返すことができるだろう?
きみがそこにいてくれるだけでほんわかで
冬でも春がなってしまうよ
きみが微笑ってる姿は
どんなあったかい景色より幸せで
....
太平洋沿岸を舐めるように
季節外れの台風が横切った日
67歳の親父は
嵐の中かっぱを身に纏い
今朝も警備の仕事に出かけた
63歳の母ちゃんも
食事のかたずけを終え
....
「 抵抗することに疲れた 」
そう言い遺してある友は
自ら世を去った
思い通りにならない日々の
不自由な鎖を巻いたまま僕は
しばらく横になっていた
ランプの灯りの下
....
僕達は容易に
たくさんのものを失ってしまう
取り戻す事のできないものですら
時計はその時を
刻み付けたまま沈黙している
瞼の裏に
残響だけを刻み付けて
無くなってしまったものを ....
この街をいくら歩いても
こなかった「いつか」は迎えにこない
二人で住もうと決めた古屋の縁側には
今日はやわらかく雨が落ちているだろうか
「約束はしたけど守るとはいってないよ」
なんて ....
呪いをあの人にかけてあげよう
神様に祈りを教会で捧げて
災難に見舞われますようにと
ロザリオを提げながら
十字架に祈りを
この胸の痛みをどうか
あの人にも伝わりますように
私だけを見 ....
確かなものが欲しい、と泣いた
そんな日々には
野良犬たちも
たんぽぽも
いつもの帰り道さえ
他人だった
君の小指と僕の小指を何度絡ませて
....
これ以上 きみの声を聞いてはいけない
これ以上
もう
これ以上 きみの歌を聴いてはいけない
本当に
はまってしまいそうだ
きみのその詞を油断して聴いていると
ぼく ....
糸の光が
階段をのぼりきり
壁にもたれて息をしている
痛まない傷が増えてゆく
気づかないまま
熱が流れ落ちてゆく
水に立つ片足
からだをすぎる火の粉の
ひとつひ ....
今夜もあと少し、夜が明けるよ
こうして座って、また話せるといいな
いつもこうやって
もっと近くで、もっと遠い会話をしてたのに
可笑しいね。
悔しさも、悲しさも、恥ずかしさも今じゃ全部溶け ....
よなかになくのは
ほととぎす
あっ
おどろいた
ちいさくなってきくこえ
れいぞうこが
まんたん
ほととぎす
まよなかのさえずり
とおくへ
いっちゃった
でも
まだきこえ ....
埃がつもってる
それは雪にはならないので
もうすぐ季節がかわる
電話ばかりかかってくる
かけているのは私自身
足音だ
建物というのはおかしい
きのこの形をしたタワーのようなひとり ....
たんぽぽの
綿毛の浮力で生まれた
子供たち
あたらしい夏を追いかける
その先の
風に乗って
走っても
走っても追いつかなかった
今は春の終わり
見たこともない土地の空
....
おんなのひとに
なんにも感じなくって
おとこのひとに
何にも感じなくって
人間にキョウミガナイカラカナ??
僕はいま
薬の力で動いてる
晴れ渡る空と
遊ぶ雲のしたで
一人ぼっちを感じながらも
自分とは違う考えを持っている人間と
本当は仲良くなりたい
人と人が近づくために必要なのは
互いに歩み寄る心 それだけ
歩み寄る ....
流しのしたで無事見つけた
ゴミ袋は
みるみる膨らんで
いくつも部屋のすみに並んでいく
たちまち汗びっしょりになる
シャワーを浴びたい
冷たいお茶を飲みたい
などと考えないよう
片時 ....
朝、直らない寝癖を気にしつつ外に出る
夏物の服をまとめ買いする
雲行きが怪しくなる
寝癖はまだ直らない
昼、直らない寝癖を気にしつつ外に出る
一週間分の家族の食糧を買いだめする
寝癖は ....
下を向いて歩いていたら
五月がおちていた
かたちというほどのかたちもなく
いろというほどのいろもない
けれどなんとなくそれが
五月だということは感じられた
そのままにしておくのもあ ....
隔てなく続いていく太陽
幾度となく続いている遠遠
たたいたら 裏返って 裏廻って
神が両手を広げて涙を流す
それが為に頬を食らう
棒立ちの自動の風
地球の青さはいく ....
昔から、さよならをするのが下手で。
死んでしまった友達の携帯番号とか手紙とか、
いつかきっと、と思いつつ
大事に握り締めて薄くなるのを待っていたりする。
記憶は上書きされる ....
寝室に、あなたの髪の毛が落ちている。
それだけで毎日、布団は暖かい。
あなたは今、幾つになったのだろう。
なんと言う時代に生まれてしまったんだ
この先の人間もそう言うのだろうか?
先人たちもそう嘆いてきたのだろうか?
便所の落書きより劣悪な情報で
魂が蝕まれているんだ
言いたい ....
靴に足を入れて爪先をとんとん。
空からの階段を何かが駆け下りてくる。
ガラス瓶の中の住所から
尋ね当てた先のドアをとんとん。
無口な透明人間たちの声なき訪ない。
いつの間にか
大人になっていた
少年の終りが
大人への裏返しみたいな
知らぬ間の不意打ち
大人になって
子供の時間を捜す
小さい頃 理由もなく
大人みたいになりたかった
幼年の頃
....
強い風が
いろんなガラクタを
吹き飛ばして残ったのは
からっぽの青空
どこまでも視線を
深く高く運んで行けそうな
純粋な空色をたたえた
からっぽの空
からっぽの空から
吹き下 ....
人はどこへゆくのだろう
このまま このまま
みえないところまでゆくの、
こころが
ふらふら
さまよって
今日も
きみのもとへはゆけない
太陽よりも
強く輝きたい
もし運命というものがあるのなら
運命なんぞ
張り倒してしまいたい
心から
心から
強くなりたい
星々よりも
たくさんの強さを
月よりも
優しく清らかに
....
悲しみやら
目につけば
水に腕をくぐらせ
滴のきらきらと落ちかがやくさまが
この雨降り以外
かわかし続ける陸のうえ
路の上で
美しくなどないよ
とりあげられたある日は
何 ....
好いた女に逆立ちさせて
床を舐め取らせる
女はみんな子宮にサイクロンを飼っている
そいつの威力によって
泣いたり喚いたりしやがんだ
お前の髪が一番床を汚してんだよ
ええそうね、そう ....
寂しい日には鏡の前でうずくまる
そこには彼が必ずいるから
やあ
僕は手をあげる
彼は黙ったまま手をあげる
彼は何も語らない
ただ
僕の言葉をぱくぱくと飲み込む
彼の糧は僕の言葉なの ....
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