楽器を操る人から
音楽が聞こえてくる
ジャンルを語る人から
うたが聞こえない
欲しいものはなにかの名前
なんかじゃない
百科事典が世界を壊していく
たとえば民族
....
{画像=080608010301.jpg}
ああ
雨だ
初夏の
今から暑くなろうとする時の
私の心を静め
鎮め
濡らす
雨だ
初夏 ....
物心がついた頃
私の首には、細い紐で作られた長い首輪が掛けられていた
その時の結び目は確か、みっつ
毎年、誕生日に紐が切れる
だから毎年結び目が増える、ひとつ
そして毎年、少しずつ短くな ....
月光を手繰る振りをしていたら
どうやら海が釣れてしまった
窓を開けているんじゃなかった
部屋に溢れたいっぱいの海は
両手で抱えられる所かますます増えて
わたしは飲まれた
手 ....
季節の変わり目は
こころのどこかが騒がしい
きちっと折り目のついた夏服を
着ている君はいつもと違って見えて
気持ち良さそうに風が吹いてる
話しかけたら
振り向いてくれそうな距離 ....
ふと・・・
冗談みたいに
あなたの心をナイフで切りつけた
ふさがることのない傷口をおさえながら
なぜかあなたは自分を責めた
恥知らずな私は不条理な道徳をふりかざした
ふと・・・
われ ....
両の人差し指でぱたぱた
ニワトリが餌でも突いているようで
思わず吹き出しそうになるけど
なにやら真剣に打ち込んでいる
あなたの横顔
見方によっては男らしいとも言えそうで
古いやつだ ....
{引用=
真夜中のはなし
ぼくは窓辺で涼んでいたら
ぼくのピックが
(ポケットからこぼれ出て)
となりで眠っている女の胸を裂いた
そうして
闇がひろがっていくのを
ぼくはただ見ていた
....
遠くの爪に
みつからないように
黄色花を押さえている
茶色の小枝を拾う
被告はどなた
しきりのような小声
さえずる陽射し
火と火の違いもわからぬうちに
わたしたち とは語らぬように
言葉への畏れを絶やさぬように
入口にある目は
実の奥にある目
森をひとつ逆さまに呑む
水を見たら ....
この{ルビ季節=とき}こそと
一点の曇り無く
嬉々として
降り注ぐ陽光
風おだやかに
黒髪戯れる
木漏れ日揺れ
うつらうつら
遠退く意識の中
手招くまぼろし
誘われるまま
白 ....
衝動が体を揺さぶる
衝動が頭を揺さぶる
それはヒトが獣である証明
霊長類と言う動物である証明
理性は衝動を抑える
衝動を抑え虚無を残す
理性は動物を人間に変え
衝動は人間を動物に変質 ....
泡沫のような時代の中で
大切なものを一つ見つけました
移ろいゆく景色の中で
いつしかガラクタに変わっていました
夢
その輝きを
誰もが追い掛けて
誰もが掴みかけて ....
眠ってる場合じゃないぜ
ある午後
気が重たい電子音が浅く
光る地平の線が向こうの方で
本棚の背後から
脱走して拘束する両耳から
貫通するガラスの欠片のその輪郭が
つま先から冷たく繰り越し ....
私は売る
大切なもの
私の
私だけの
世界は
最初から決まっている
レアメタル
危険水位
少ないもの
限りあるものに
価値が
人がひれ伏すのなら
私には
あるじゃ ....
十七歳のわたしは
高校という檻の中から抜け出せず
今日もこうして
いましか出来ないことがあるのだと
信じていたのだけれども
一つも無いことに気付いてしまった
疑 ....
母のいた畑に 花が咲いて
緑のつるが 今も空をめざす
木綿の空から雨が降る
やわらかな しずくは
ふくらみはじめた えんどう豆と
強い夏を育てるために
静かに 静かに
あれは 白 ....
窓から切り取られた青空
雲がふわふわと流れてく
あのひとは元気にしているだろうか
たゆたう雲をみつめながら
あの雲のようになれたらと
どこに向かうか分からなくても
この青空はひ ....
ベランダに鉢植え
やわらかな大気がゆっくり空に侍りつつ
曇天は寝息を立てて
温浴の風 静かに降りて
ビルディングの静かな午後が始まる
鳥のさえずりが空間を示して
立ち木の常緑は静か ....
鶏がらじゃないよ
うさがら だよ
煮るのは禁物
跳ねるから
なきがらじゃないよ
うさがら だよ
赤い目だけど
元から
ぬけがらじゃないよ
うさがら だよ
からか ....
停留所の影
鳴くヒグラシ
模写の中で
+
石の階段
落下していく
ランドセルへと
+
夏時間の早朝
別に区分される
地下茎と言葉と ....
意識の底の光と影 互いに背を向けあい
太陽は私 三日月は君
あの香りがすれば君は微笑み
私を連れて行きました…鎖を巻いた楽園に
私を連れて行きました…詐欺紛いの笑顔で
私には君がいた ....
くちばしが作る青空がある
ストイックな
灰色の水たまりが震えていたな
もしかしてー、でも、
ミミズが鳴くといったのは誰だろう?
院からの態度のデカい実習生
ツンツン頭を嗜められた
合コン来てるんじゃないんだぞって
気にする様子は無さそうで
焦点の合わない目で校庭を見ている
おせっかいな協力者
善意と ....
駅ビルのミラーに夕陽が泳いでメールが飛び込んだ
都会の炎が抱き合う声を 早足で抜き去った
分解されてく真夏の星じゃ
不安や嫉妬の波から明日を予測してやいないか
楽しいこと
面白いこと ....
僕の心は遠くまで行ってしまって
誰かの呼ぶ声も聞こえなくなってしまった
ベッドに括り付けられた
僕と僕の意味を連ねたもの
誰の残酷か、優しさか、
僕の目はよく見えた
零れることなく ....
どうして僕は生きているんだろう
空はどこまで続いているんだろう
ふと見上げた果てしない空に
様々な疑問が浮かんでくる
堤防で揺れるコスモスや
水面に反射した夕陽
様々な事象 ....
新しい芽が出る
それは心に生まれるわが子
おはようという
答えはない
それでも生きていると答える
葉っぱが答える
上を向いて、生きている
上だけを見て、生 ....
悲しみに落ちてゆく
ご主人様を待つ為の時間は
あまりにも長く長く
孤独な世界に傷が増えて
手首に貴方の標を
――お願い、もう独りは辛いの
首筋に当てる冷たさで
生きていると言い聞 ....
何時の日からだろう?教えてよ
僕がその距離を誤ったのは…
誰も彼も僕を指を指し嘲笑う
人という輪郭の醜さ
その中で信じられたたった一つの声 心から叫んだ
鼓動は闇に鳴る
全てが立ち止ま ....
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