踏み出す街並み。
飲み込む雑踏。
あの頃は あなたがいた。
今は、
持て余した右手を握り締めて
あなたと歩いた道を、
ひとり。
今日も変わらない世界に乾杯。 ....
朝の頭は
子蜘蛛の巣だらけ
顔はいたずら描きだらけ
つるりと洗って家を出る
雨で合羽で自転車で
前しか見えない馬車馬の道
そばを小さな合羽の群れが
わいわい言ってつい ....
逃げるとき
いつもほんの少し、振り返って
目を細めて苦しそうな顔をする
それでも振り切って逃げるんだけどさ
どっかに足のつま先をぶつけたみたいに
無様なの
間抜けな ....
近くて遠い
海底の故郷に別れを告げ
電車に乗って
少しずつ遠ざかる
私の体は群れをなし
回遊魚となって
思いめぐる寒流の
水面に浮かんだ
そこは近くも遠くもない
今の私の終着駅 ....
キラメく 水を飲む朝の
ゆっくりとした 点滅球が
ぼやけて見えない
白 いイヤホン で 遮る笑い声
雨粒の 微動 もしくは波形
ぼんやりと眺める
踏まれている 足の痛み
知らない ....
それは激痛すらも無く
いつのまにか緩やかな時のまにまに
我胸から{ルビ抉=えぐ}り取られた
空虚の闇
{引用=誰もいない深夜の映画館の
スクリーンに映し出さ ....
海沿いの駅のベンチに
腰かけた老婆はふたり
ひそひそ話で
地面を指さしている
そぼふる雨の水溜りに
浮かぶ
誰かが落とした
一枚の切符
やがて聞こえる
遠鳴 ....
曇り空は迷子の心
今にも泣きだしてしまいそう
こんな日は気分まで憂欝になるから
誰かのそばにいたいと思う
遠くの空から雷が鳴ると
怒られたみたいでお腹が痛くなる
私は音が聞 ....
指でなぞる
水の裏側
剥がれていく
記憶のような
古い駅舎
影踏み遊びをしながら
呼吸の合間に
母とひとつずつ
嘘をついた
砂漠に父は
キョウチクトウを
植栽し続け
一面き ....
場末のバーで仮面を外す
背中のジッパーつまんで下ろす
皮膚に新鮮な空気が当たる
嫌なことだってあらぁな
今日も日の出と共に家を出て
さっきまで怪人と戦っていたんだ
けどもうすぐ給金だよ
....
雨に打たれて
溶けて私は水になり
土にしみ込み
消えてしまえたら
雨上がりの強い日差しに
裁かれて
細かな気体になり
空へと舞い上がれたなら
どんなに楽であり
そ ....
白い
白い真白な雪が散る
綺麗で
寂しい、
もの悲しい音で静かに
....
与えられても与えられても
子は愛情に飢えている
与えても与えても
母親の愛情は湧き出るもの
僕が小さかった頃
全ての愛情を飲み干す事は出来ませんでした
その殆どを床に捨てていました
....
それは私にも心当たりのあった感情だ
若かった頃の話だ
私が何気なく褒めた曲を
疑いもせずに聞き続ける君の
ヘッドホン
無邪気に私の本当の声を
拒絶してはいないかい
....
心変わりをしたい
あなたなんか忘れて
知らないひとについてゆきたい
青い嘘だと知りながら
甘い言葉をささやくひとに
さらわれて夜の向こうに
ジプシーなんかのように
なだれこみたくて
誰 ....
ここにおったか
舟入川
汚れちまった
ドブ川の
沈んだママチャリ
アジトにし
今日も生きます
生きてます
家庭排水なんのその
突き刺さったゴミ屑
掻き分けて
ボラも
ボ ....
王宮からの退却
追われる者たちは
神々に俯瞰された
白い妖精のようだった
朧なひかり/
/花の香に抱かれ
性欲より/
切実な物/
/熱帯の影が解け
....
左眼から流れた
涙のひとすじが
君の新品のスニーカーに
落ちる前に
わたしの
心は
気を失いかける。
予想外れの
天気が
わたし
....
夜露がスカートを重たくする頃
ぽつり、と、雨
今夜はもう少しだけ
君を思ってもいいでしょうか
雨音の中のまぶたが重たく開く頃
ちゅん、と、鳥
今朝はもう少しだけ
君を夢見てもいいでし ....
さいきん
女との別れはぜんぶメールだ
この世にメールがなくっても
既婚者の恋愛には
ゴールがかならずあるんだよお
なにか意味でもあるんか
その、なんだ、
....
ただいま 米原駅を通過。
車内に電光の文字がながれた
ただいま!ってな感じ
だれにって
米原駅を通過中さんに!ってな感じ
企業広告やらニュースが
2回ずつながれ ....
暗く 美しい
雨色の漏れ来る
この灰を深く塗りこみ滴る
まだるい色の顔料は雨粒に溶けて
曇天の空を 一つ 一つ埋めてゆき
重い筆勢の抽象絵画のように
空に架かっている
目視で ....
一秒ごとに変わってゆく構造の中で
壊れてしまいそうな歯車がある
行き場を失ってしまいそうな
機械仕掛けの心がある
何が善くて何が悪くて
それでも目の前にあるものだけが事実だって
....
アテネ・フランセの
フランス人のフランス語の先生に
彼は恋をしました
ジュ・テームあなたが好きです
彼のフランス語が通じません
日本語も通じません
ミラボー橋の下を
セーヌ川は流れるそう ....
北へ行く
体が/冬の凍てつきをやり過ごし
獰猛な春のうごめきに
耐えられるだけ
耐えられるだけの力を
回復したならば
北へ行く
氷を
待っているがいい
そこで待っているがいい ....
How many times did you call 119?
Neighborhoods no longer care about you.
They say;hey you got si ....
{画像=080612025137.jpg}
デジャヴ 昔あった情景
窓から見えるカップル
通り過ぎるファミリー
どこかで見たような記憶
*
デジャヴ 昔 ....
『オラァ基督教徒だっぺ』と言うと、大勢の人間から怒られる。「おまえはキリストについて知っているのか?」と尋ねる人から「キリストは虐殺宗教だ」と言う人、様々である。
かつて大槻ケンジが実の父に ....
{引用=
地下の明かり取りの窓から見上げると、五月の太陽の眩しい頃に葉っぱを押しのけるように咲いていたツツジは枯れ萎み入れ代わるように(雪の頃には枯れ枝のようにツツジの植え込みから突き出していた)紫 ....
枯れ色を顕わにした麦畑は
豊穣の実りを得て
収穫を待ち受けている
その風景を見慣れない僕は
寂しい色としか捉えられない
咲き競う花々
明るく輝く若葉
新緑が萌え立つ季節に
....
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