幾度も夜に月を着なおし
言葉を交わす別れも無く
樹と曇と星の重なり
灯火ではない明かりへ歩む
海辺の突堤に
子が腰かけ何かをつぶやく
聞き取れないまま
子の姿はか ....
目を閉じると 暗闇の中に 無数の蟻が蠢いていた 右から左に 左から右に 幾億の蟻が 幾筋もの列を成し 暗闇の中に 餌を求め餌を運ぶ 幾億の蟻は 俺の暗闇よりも一段と黒く だから 暗闇の中に 俺は幾億の ....
ザーザー ザーザー
悲しいね。
ザーザー ザーザー
苦しいね。
いつも泣く事出来ないけど
今日は雨浴びて涙する。
雨がアタシの涙を隠して
雨音がアタシの声を掻き消してくれるか ....
いつかはここに僕の亡骸が埋まる日がやってくる
それは燃え尽きる灰のように美しくはないだろう
躰から僕がゆっくりと抜け落ちていってからっぽになり辿り着く
独りで逝くのは柄に ....
年月とともに
町並みが変わるように
この畑も
様子が変わっていった
ビニルハウスは
引越しを繰り返し
屋根の下で育ったものは
町へ出荷され続けた
そのことだけは
変わらずに ....
いつまでも
空想してるので
年老いたことも知らない
ランドセルを背負って
横断歩道を渡れば
簡単なことだった
この畑には
背の低い木があったはずだ
僕と年輪を同じくして ....
僕には血が流れている
妻を残して死んだ人の血が
憎しみを腹に据えたまま死んだ人の血が
消化できない思いを残したまま
死んでいった数千、数万人の血が
マンホールから洩れてくる
地下街の音 ....
キスするなら公園がいいな
初デートの朝そう思った
静かな散歩道を歩いていれば
手を繋ぐように自然にできそう
だけどベンチに座ったきり
アイツは格闘技の話に夢中
ジョギングし ....
未来が広がっている
道標など無いその空間は虚無とも似ている
自由が広がっている
真っさらなそれはゼロに近しい
約二年前に得た自由は迷路だった
迷走し瞑想し
自分を保つ事すら ....
僕の言葉届いてホッとしてるよ
あの頃は熱中してたんだって思い出した 詩にもあなたにも
ちょっと恥ずかしくて笑ったけどやっぱり
今でも大好きだよ 詩もあなたもあの頃の僕たちも
これからもきっと大 ....
顔に影さし
世界を影絵に
ぼくが見たのは
宇宙の空
黒かった
淋しくて
自由だった
腰をつかい
恥骨を
きみの草むらに
撃ちつけた
顔 ....
血管取り出してな。中の血全部抜くねん。そのままやったら死んでしまうからな。なんでも好きなもん入れたらええわ。イライラするんやったら牛乳入れてカルシウム摂ったらええし。赤に飽きたんやったら青でも黄でも好 ....
あまりに鮮やかな景色なので
手ですくってみる
途端に枯れしぼんでいく
ちいさな玉になり
突然はじける
はじけた景色はちりぢりに
もとの場所に還っていく
わたしは苦笑し
せめてもと
景 ....
木 木
木 木
木木木木
木 木
木 木木木木木木 木
木 木
木木木木木木木木木木
....
嗚呼私が死んだのちは
海に散骨してください
そして私は
儚いクラゲになるのです
水に溶けそうなほど透明な私は
誰に気づかれることなく
誰かを傷つけることなく
大海原で生きるのです
....
あの日、僕はいつものよーにときわ書房に行ったんだ
最速でレジに持っていったのはもちろん『アックス』の最新号
そしたら、店員の女の娘が「わあ、『アックス』だあ!!」なんてひどく友好的な笑顔とひどく友 ....
・パルス
知って、ほしいと
輪郭をなぞる音が
弾丸のような重みをおびで
摩擦を起こしはじめた
昼の夢は
空に手を伸ばす赤ちゃんが生んだ妄想
何を見つけたんだろう
空気 ....
例えば誰かに伝えたい
綺麗な風景
恋心
押し込めたままじゃ伝わらないよ
上手く口に出せないこと
言葉にならない言葉は消えるの?
例えば誰かに伝えたい
苦しい痛み
流す涙
思い ....
サラリーマンになりました
毎月お金をもらえます
サラリーマンになりました
読書で徹夜はできません
サラリーマンになりました
カード限度額ふえました
サラリーマンになりました
つまらないこ ....
肺の病で
彼はもう煙草が吸えない
禁断症状は
仕事とゲームで紛らわす
けれど
私は煙草を吸う
くわえ煙草で空を睨んで
足元を見下ろして
死んだ灰を捨てる
私の肺は
彼と ....
エリスン、世界の中心で愛を叫んだビーストは
獣だったのか
ケダモノだったのか
核シェルターは未来の竪穴式住居
ネット・コミュは
今の
遠い声、遠い部屋、{ルビI=アイ}の中の{ルビ ....
「ここにいたんですか」
濡れた髪を乾かすことなく、彼はあの空間にいた。
馬車部屋と私は呼んでいる。
重い木の扉を開けるとそこはいつも馬車の中だった。
開いた扉に背を向けて、彼は馬車の向かう ....
とめどない想いが
君を溺れさせていた。
もうとりかえしがつかないと
思い込んで見上げた夕暮れは
歪みを心に焼きつける。
どうかまだ壊れないで
いつか見た
優しいあの日を偽らないで
....
ノってるか?
人生ノってるか? 何事もノリが大事だ
ノリが悪い奴にはおノリかえのご案内です
縦ノリの音楽に飽きたら横ノリの音楽に
ニコニコのりがまずかったら白子のりに
そんな感じで自分に合っ ....
{引用=ただいま}
毎年の
「ただいま」
が年々ぎこちなくなってゆくのを
自分で感じているのに
{引用=おかえりなさい}
あなたの
「おかえりなさい」
は年々なじんで
小川の ....
080619
不動でも
男のロマンと気取っていたが
乗れないバイクはつまらない
どうにかこうにかお金を集め
ユーザー車検も通ったので
玉 ....
りんごを
はだかにすると
あまずっぱい
においが
する
あなたを
はだかにすると
あまずっぱい
きもちに
なる
あなたを
むさぼるように
りんごを
ひとかけら ....
小説家になりたいなんて
この一年、一行も書いていない癖に
新しい新人を呪う
時代のせいにする
居酒屋に行くときにも
ジーンズのポケットに太宰を捩じ込む
カバーを外した新潮文庫が粋か ....
アポトーシス
聞き慣れない言葉だけど
つまり僕達の体は最初から
死ぬために作られてるってこと
テロメアが段々短くなって
細胞が徐々に脆くなって
すべての力を使い果たしたあと ....
耳掻きをしたら
大きな塊が出てきて
それはティッシュペーパーに包んで捨てたけど
なんだか聞こえが良すぎて
虫の鼓動まで聞こえた時は
部屋に入って来て邪魔な虫も
どうしても殺せなくて
埃の ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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