コインロッカーの側に
コインロッカーがあって
そのことだけが
片隅のようなところで
どこまでも続く
何もない、の人が
鍵を開けていく
と、少しずつ
指はあやふやになり
僕 ....
遠い街の空にふるえる
甘酸っぱい林檎の
かたちをした心臓は
銀色の影にふちどられ
微かに揺れていて
静かにガラスに映る
しなやかなアウトラインのなかで
切ない果実のように
弾力のある胸 ....
置き去りにされた愛のように
ロックグラスはひび割れて
紫陽花のように水を欲しがる
日々の我らの営みが零れて
絨毯に染みが増えてゆく
地球が檸檬だなんて嘘
誰も信じちゃくれないよ
....
黒と赤を敷き詰めて
好きなものだけ集めよう
酷く弱気な日々が続いてる
・・・壊れそう
届かぬ想いが胸を締め付けて
ここから動くことさえできない
あぁ 影になる
太陽が燃え尽 ....
空気がむせかえる
ジャンクションを間違えてカーブしていくおもいきり
アクセルを踏み替えないで俺たちは加速して
絶対に追い抜けない霧もやの中を疾走する
あったかい罪を犯したかったの
サミッ ....
その入り口にある 水溜りに浮かぶ弓張りの月が
太く老いた竹の節を 浅葱色にぬらしていて
ここから先に入ってはいけないと 知っていたけれど
だけど小さな燐の火が
竹の闇間を泳いで ....
大好きでしょうがないけど。
会いたいけど。
会えない。
毎日毎日 想う。
隙あらば 想う。
仕事なかったら 想い焦がれて死んじゃいそうだ。
....
初夏の軒下に凍った氷柱から
こぼれ落ちた六角形の石英は
夕立に濡れた野良犬の毛皮に
すいと吸い取られていった
すえた匂いがする
帰りたいおうちなんてどこにもないと
知った十八回目の ....
僕たちは実は
最初から到着してたんじゃ
ないかな
そこから
いろんなものを失いながら
迷い出て
また
旅の始まりへ
帰るだけのこと
その旅程が
今日なんだ
....
今日は楽しいな
だって今日はサンデー
今日は楽しいな
だって今日はグータラデー
お袋の機嫌が良い
YESだけで話す
楽しい
仲がいい
昨日友達の家で
トンカツを作った
楽し ....
駅まで送ってくれないか
何処へ行くの
いつ帰ってくるの
もう帰ってこないんじゃないの
そんなことないよって言えなかった
八月の明るさがやけに眩しくて
私は瞼をしばたいた
....
真夜中に電気を消して
テレビの明かりだけで見渡す
この薄暗い部屋は
あたしの不安を増して
慣れることもない
この先の光を信じるなんて
不器用なあたしには望めない
だから夢を ....
ちょいとそこのお嬢さん
浮かない顔してどうしたの?
一曲歌って差し上げましょうか?
野暮なことは聞いたりしないよ
ワンコイン入れてくれるだけで
好きな曲を歌ってあげるよ
ある程度のリク ....
しごとがえり
げんかんのちかくで
むかえる
ねこのまなざしは
ききとして
ふぜいがあり
わらってしまう
えくぼはできる
*
あめのひ
いえのなかで
よくねむっていたねこ ....
いちとせ、にとせ
渡世の業
この世で手にする
灘の業
銀の雲が空を占め
風は何かを知らしめる
ただの風
雨は降らない
漏れる日は世界を蒸し焼きにする
夏
子供が笑う ....
向日葵畑で飛び交う笑顔には
スイカの玉が よく似合う
夏を詠む右手に 夢から抜け出た指輪
七夕に見つめ合う男女に 嫉妬して 花枯らしても意味ないし
数多のホタルを 天の川に放つ
真っ ....
かがやなくてはかがかなくては
あせっちゃいけない
カガミをみてみるカガミにテガミをあててみる
ジュシンジュシンジュシン...
パステル調の
ソフトなカーディガンは
空にとけこむもので
....
浸りすぎて沈む身体
宙空に浮かぶ間接照明
隔週でやって来てドアを二回ノックするのは夜からの使者
もうすぐ行くから待っていて
隠れて行う私達
まるで禁じられた遊びみたい
....
――罪じゃないわ!
想いのごとく美しく
クローン再生された
たぶん私は、
受肉したあなた自身なの
曖昧な、あなたから
分離したアニマが私なの
私はかつてあなただったけど
今はち ....
ある日家に帰ると
コインロッカーがあった
お父さんも使っていいのよ
妻が言うけれど
いったい何のために使うのか
僕にはわからなかった
それでも
次々とうまっていく
コインロッカー ....
子供だましの遠足じゃない
帰るところまで遠足、うん、まさに。
ルール
都会の街から郊外の家まで歩きます。
とにかく
はっちゃけること
バカやること
童心をもった大人であること
データを ....
『おはよう、また寝坊してもうた』
『バイトいってくるな』
『あ、今日○○ちゃんがな』
全部あんたに話しかけてんねんで
スルーせんとってよ
まるでひとりごと
....
小さな頃
1日1日が
長く感じたのは
見るもの全てが
新鮮だったから
今ではもう
目新しいものもなく
1日1日を
こなしている、
そんな感じ
このまま
人生の体 ....
赤色を失った消えそうな炎が
ふたつに分かれて、絡まりあい
絡まったまま僕を燃やす
炎は愛し合い、僕は焼かれる
見えない炎は、なにより暑い
僕は少し泣いた
泣いて足りな ....
忘れ物はわりと多い方だと思う
イベントにはさらさら興味が無くて
あたし誕生日なんよねー
とかいわれたら
とりあえずスリッパを投げる
とりとめもない日が好きだ
昨日と今日はず ....
集まり 重なり 繋がり
包み 包まれ
流れながらくるりとまわり
気化し 漂い 上昇し 液化し 舞い降り
なんとまあ絶妙に捻ったら出て来て
飲み干し 染み渡り
組み ....
背景のない世界
遠近感もない
乳灰色の空間に
僕はただ立っている
画素の荒い写真のような
朧気な白色光を浴びて
遠く人々のざわめきが
聞こえるけれど
方角すらない世界の中
ここか ....
一枚の百円玉があったなら
あなたは何をするのでしょうか
小学生のあなたは
遠足のお菓子選びに
悩むことでしょう
部活終わりのあなたなら
購買で紙パックのジュースを
買うのかもしれ ....
まず
嘘だって言ってほしい
下手な冗談を聞かされたときみたいに
顔をしかめてくれれば
本当だって分かったら
ちょっと遠くを向いて
小さく溜息をついてくれるくらいでいい
....
何か大切なものを
過去に忘れてきてしまった
そんな気がする
握りしめた手の中には
小さな鍵がひとつ
それが何の鍵なのか
それも思い出せない
わからないまま街を歩いた
見覚え ....
4092 4093 4094 4095 4096 4097 4098 4099 4100 4101 4102 4103 4104 4105 4106 4107 4108 4109 4110 4111 4112 4113 4114 4115 4116 4117 4118 4119 4120 4121 4122 4123 4124 4125 4126 4127 4128 4129 4130 4131 4132
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.52sec.