君の声があまりに優しすぎるので
僕は泣いてしまう
ほら 今 朝を迎えて
少しだけ大人になる
変化を渇望して そして恐れた
いくらでもそれを繰り返すのだね
もうどこにだって行ける
....
寂しい夜が何度も続いた
何も認められず全てから逃げた
その中であなたの声を聞いた
その中であなたの存在を感じた
それは何物にもかえがたい貴重なもの
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った
休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
君じゃなきゃダメなんだ
どんなに優しい子と出会ったって
どんなに綺麗な子と寝たって
心が満たされない
今更気付いたよ
最も居心地の良い場所は
君の隣だったんだね
....
海に揺らめく
街の明かり
潮の香りに
髪を撫でられながら
二人で少しおしゃべり
食事のあと
ビルの上から見た夜景
あまりのまばゆさに
胸が苦しくなった
海に散らば ....
ものかげ
赤目
誰も通らない
アスファルト
うさぎの耳をさがす
こっちに 来て
脇の下を
どうか
触らせてほしいが
いつも
するりと
ささやかな
毛の香りも
丸い糞も ....
公園の隅
ベンチの宇宙
俺はまた
全ての嘘を
イヤホンに押し付けていた
流れる時と
流れる音が
静かに混ざる
混ざって消える
不埒だな
一人呟く
直感的な
嗅覚が正しか ....
いまは
白線の上にいて
アスファルトのはずのあの灰色は
落ちたら
池みたいに
わたしを吸い込んでしまうんだろう
あるいは
どこまでも底のない空の上の
飛行機雲
突然途切れて
飛び込 ....
こんなに穏やかな夜だから、
少し昔の話をしようか。
退屈なら眠ってくれていて構わない。
俺は今気分が良いんだ。
煙草の煙は嫌いじゃない、って、
あの時言ったことを憶えているか ....
胸の上に重石がのってるみたい
重くて苦しい
息はできるのに
お人形、お人形
笑顔を忘れていますよ?
気をつけてくださいな
走ってる
走り回ってる
今すれ違った人 ....
スリップ ダンス 賛美歌が聴こえる
霜に侵されたサボテンが
道に 触れそうな家路です
海岸で拾った貝の殻。
繋いだ父の手の温もり。
ぽつぽつ交わした言葉の端々が、
青いボトルに詰められている。
隣の茶色い瓶の中には、
初めて隣になった席。
染めるたび明るくなる髪の毛。
友 ....
あたしの想いを弾いて
あなたはどこかに行ってしまった
受け取ったとしても私を狙うかはわからなかった。
瑠璃色をした
タイルの上に立って
恋しい人と
着ている
服を脱がせあう
約束をしてから
showerの蛇口を
ぎゅっとひねる
まるでレモンの果汁を
搾り出すようにして
しっ ....
だみ声の低音響き
朝は明ける
味噌汁の匂い
お新香の匂い
波の音
電車の音
木々の息遣い
自転車の列
世の中が動き出す。
頭を下げ始まる
へとへとに疲れて
頭を下げて終る ....
青空高くリンリリン
田んぼは緑のハンカチ
アイロンかけたて
自転車のペダルを踏みふみ
これから告白しに行く
100%駄目って知ってるし
すごい迷惑だろうけど
アイスだってイチゴだって ....
パソコンの周りが埃だらけなので、
キーボードの隙間もなんだか白っぽい
で、暇つぶしにと其奴を打ち鳴らすと
大抵5分もすれば一度くらいはクシャミがでる
当然な生理現象だ
しかし ....
セミダブルベット
アルファベットは外に吹き出し
また自動とかかれた扉がひらき
道路ににぎやかに人混みが揺れ
飛ぶということについて考える
指を折りながら時間を値踏みし
白ビニール袋が後 ....
轟々とひらめく光に立ち
剥がれ落ちる痛みを聴く
壁の上で
ひとつはひとつに終わりなくつながる
こころみではなく
そのままを受け入れ
羽は生まれつづけている
火は ....
自分の体に
同じ穴を穿って
強引に話しを合わせた感じ?
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた
その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする
「みんな」
そして「わたしたち ....
たとえばそれは力
真夏の様な
太陽の力
たとえばそれは優しさ
潮騒の様な
海の力
たとえばそれは喜び
金の稲穂の様な
大地の力
裸足で地面に立ち
両手に海をすくい
肌 ....
深く心に届く景色は
あなたを映す鏡と同じ
哀しい人がいたのなら
頭を撫でてやりたい
君がこれから笑っていられるように
君が悲しい言葉を聞かないように
手をつなごうよ
楽しい話を探しに行こうよ
そんな事を言ったら
キュビズムみたいな笑い顔で
君が笑ってくれたから
僕はバタ ....
君の煉瓦を僕に積ませておくれ
塵と芥でカサついた
むさぼり・いかり・おろかの三毒の漆喰で湿った
業に業を積む 産業廃棄物の煉瓦を積ませてくれないか
もう君が邪見で人を傷つけないよう ....
記憶は夕暮れていく
真っ青に染まり
帰る場所って
これは祈り
12階のベランダから地上を見てる
ナターシャ
得体の知れないものが
あたし達の体の中にある
悪意
諦め
水
脂肪
....
ぼくはほとんど水だ
と彼は言いました
手の水をひろげ足の水をのばす
水は水として生きて
水として果てる
そのとき大気の端とつながり
水からいちばん遠い水と出会う
そこで彼は
はじめて彼 ....
六畳一間のアパートに
むりやりつめこんだそのベッドは
ほかの家具の置き場をうばって
ずいぶん偉そうに横たわっている
そんな君が風邪をひいたというので
お見舞いにいったのだけど
座る場所 ....
あなたの幻を見た
思い出の改札口
慌しく流れていく人々
無表情のまま吸い込まれていく
階段を上れば
滑り込み 発車する電車で
あの日に帰れたら
あの日の二人に戻れたら
....
夜は朝を育む揺りかご
夜のなかで
寝ているのは朝
朝は朝寝坊
夜の寝心地はとてもいい
いつまでも朝が起きないと
いつまでも夜なので
夜は思いきって朝を起こす
朝、起きて
朝、 ....
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