子どもの頃、夏はいつも眩しかった。
川の源と深い緑、僕の生まれ育った町は山あいにあって、
寒さの厳しい分夏は涼しく、
台風も滅多に訪れない、そんな所だった。
山の一呼吸とともに、夏はやって ....
わたしの舟は
海の波間に浮き、しずみ
しみいる海水を 手おけで
くみだし、海原をわたってゆく
舟に名前をつけようという
シャレた気持ちもとうになくし
それでも、
「オマエハダレゾ? ....
プリンのカラメル魔法の口紅
甘い恋にはかかせない
プリンのカラメル魔法の口紅
甘いキスにはかかせない
プリンのカラメル魔法の口紅
濡れない時もかかせない
プリンのカラメル魔法の ....
何回撫でたの
白い天井と、白い壁紙の
模倣ざらざら犯人
眠る前に人格が三つに別れて議論をしているのを傍観してると私は彼に、彼女になっていく
もっと黒い音楽が聞きたい眠れない夜の羊を集め ....
ちょうちょ食べるならしじみちょう
しじみちょうならおみそしる
お味噌入れたら火を止めて
ちょうちょひとふり鍋の中
しじみの滋味はなつの滋味
ちょうちょも豆もオリゼーも
みんなそろって鍋 ....
{引用=そうなんだ。ついいましがた帰ってきたばかり。あんたと電話で話してから10秒ほども経たなかったかな。今手洗いに行っているから、その間にあんたに電話しておこうと思って。ほんとにどうもありがとう、リ ....
聴講生の多くは蛸で満たされて居た
烏賊の訓導が講師を務めて居た
朝に桃を食べてため息をつくと癌が治るそうです、以上
烏賊は手短に話を済ませると既に時の人となってアルプスホルンの穴へ飛び込 ....
失われるものなど
なかったかのように、ここ
では
きみに
味方するものはなく、ただ
運ばれていくためだけの時間のみ
が残されて
いる、途切れて
いる、失われるということ
自体 ....
この世に愛が
なくなったら
太陽のない
地球のよう
生きる原動力
生き甲斐
生きる目的
生きる重み
安心感
守り守られ
心の支え
平常心
夏の青空にサナトリウムの白い壁が
セラミックナイフのように突き刺さる
静脈に流れる爽やかな風を感じるように
鉄格子の越しのひこうき雲は流れて
エアコンの室外機からの水溜まりに太陽が
反射して ....
今でも貴女が好きです
最初に貴女と一つになれてから
良くない噂が耳に入って
会う機会が減っていって
キリキリと心が締め付けられる日が続いて
いつの間にかマヒしてしまった自 ....
水風船をぶつけられて
笑ったけど人知れず泣いてたあの子は
明くる日 きらめく水晶の舟で
だれも知らない金色の国へ だれにも告げず旅立った
水風船をぶつけて
実は謝ろうか謝るまいかと悩 ....
なにひとつ 同じでいることのできない私が
潮に洗われている
洗われているのは 海なのか 私なのか
あなたの口ったら おさかなみたいに うごいて
「ほら みてごらん海蛍だよ」と、教えてくれ ....
物分りの良い頭の子
物分りの悪い男の子
月から雲を見上げる女
月から雲を掬う女
緑のような 腐ったような
愛したような 愛されたような
灰からの接吻
物分りの頼もしい子
物 ....
泣いて嘆いてばっかりじゃ
先には進めないんだ
私が私の味方になってあげなかったら
誰が私の味方になってくれるのよ
夏の日の朝
外はまばゆい光があふれて
テレビのニュースは
原爆の式典の様子を伝える
平和を願う
人々の祈り
そのニュースの後で流れる
外国の空爆の事
沢山の人々が死んだって
こんな矛 ....
玉川のほとりで
豪華客船が座礁し、
1組のカップルが愛をささやきながら、
女のほうは沈んでいった。
深さ50センチの川で なぜ
長らく疑問だったが、
僕は今日職安にいった。
ドラ ....
人と自分は違う
色々我慢して
ふりをする
妥協できない事もある
誉めて
長所を見て
尊敬して
互いにコツを伝授する
でも心の穴は埋まらない
でも満たされない
知って、嘘をつ ....
60歳になったら名前を変えたい
60歳になるまでの名前はもう
意味の零れ落ちるだけのスポンジにして
大事だったものぜんぶいっしょに
タオルのはいったカバンにしまって ....
前だの後ろだの
誰が決めたわけでもなく
明るく積極的に生きてるように見えたら前向きで
暗く消極的に生きてるように見えたら後ろ向き
いつの間にか
そう言われるようになっていた
....
あくびが出てとまらなくなる
そばにカップラーメンの殻がすててある
ピンホールカメラの穴は眺めても飽きない
小さな穴から非日常へ飛べるから
俺は自分自身に好感を持っている
罪を許すことができるからだ
みのむしが
細い糸を
必死に
上がっている
何度も
何度も
上がっている
今日は
風が
強く吹いていた
北風が
みのむしに
むかって
吹き付けてくる
くるくる
....
きらきら
お星様が
光っている
ねぇ
知ってる
流星に
お願いすると
必ず
願いが
かなうんだって
きょう
何を
お願いしようか
流星に
私は
お願いをしました
こ ....
もしも
翼があったら
大空
高く
飛んでみたい
もしも
翼があったら
自由に
空を飛んでみたい
鳥のように
人間も
自由に
空を飛べたら
どんなに
素敵だろう
ど ....
顎から溶けだしてゆく蟻を見ながら
ベランダから落ちる植木鉢のスピードを思う
目隠しの観覧車から 行方不明の子供が 助けを求めてる
クラムチャウダーをかき混ぜるより簡単 ....
「はい、とれました」
耳鼻咽喉科の看護婦さんが
白い両手にガーゼをのせて
ぼくの耳垢を見せてくれた
「そんなにたまってましたかぁ」
どおりで周囲の人の話す声にも
聞こえ ....
網戸のサッシの上 けだものの目で睨んでいたのは、夜の月だった
起き上がって見上げる それほど高くない場所で
私とにらみ合いをしている
背中にへばりついた安物のTシャツをつまんで 惰性 ....
愛が散りばめられて
夜空に幾千の祈りをしたら
ロマンティックパレット
魔法陣を描いて
エンジェルは踊り狂う
坂道の反射のせいで
黄昏色の猫
オレンヂの教会
焼けただれたマリア
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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