本たちが静かに歳を取っていく。
僕は白いプールのような一室で音楽に浮いていますが、
隣の宇宙であなたは今この瞬間、何をしていますか?
この眼で確かに見るようなのです。
ゴッホの、汚れた塗り ....
ディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』を読んでたら
アリストンという名前の哲学者が、ハゲ頭を太陽に焼かれて死んだって書かれていた。
べつに、ハゲでなくっても、日射病ぐらいにはかか ....
わたしと
あなたは
きっと
きっと
たった
これっぽっちしか
離れていない
はずなのだ
たった
たった
それっぽっちしか
離れていない
はずなのだ
....
(ご注意:以下の詩は、暴力的で不快な表現を含む場合があります。苦手な方は読まないようにしてください。)
「崩壊」
心が崩壊している
何もかもがうまくいかない
闇の中で迷い、絶望している ....
ポツリと雨が降ったと思ったら
また止んだ
傘を畳んだところなのに
またポツポツと降り出した
今日はそんなことの繰り返し
それでも傘を持ってきて良かった
だって今日は少しだって
雨に濡れた ....
どの子もどの子も
バサバサの毛
のそり
ゴロリ
目を細めて
マイペース
みんな一緒に
マイペース
ああ、みえる
銀線だ、
無数の半透明
見える 視える
降りしきる雨、
ああ みえる
*
鎮まりゆく現に
心落ち着き
時流に己
委ね預ける時、
線形時間の
進行の裂け ....
宅配でーす!
おれはガラガラと玄関の引き戸を開ける
この一軒家の呼び鈴は一度だって鳴ったことがない
ずいぶん前から壊れたまま、修理されていない
おばあちゃんは出てこない
おれは靴を脱ぎ、玄 ....
頭の中に渦巻いているにごり濁ったぐちゃぐちゃな感情の嵐を
乱暴な線で書きなぐったいびつな直線で
あ と叫ぶ
歌にはならない音で
自分のものではない何かの絶叫で
すべてを壊したい衝動と
すべ ....
○「離婚」
姪が離婚した
これから4人で再出発します
というメールが届いた
力強さを感じたけど
やっぱり残念だった
離婚というものはおそろしいもので
別れればまったくの他人になってしまう ....
あくびで一度とぎれた
ぼんやりとした想像が
ふたたび春らしい匂いをおび
洗われるまま
はなびらとして降る
爪先から土深く送り帰す
耳に触れる波を渡り
押し殺した時間を還す
語感で変 ....
1
目覚めた時に
あるはずの枕元が
きみの鎖骨の中で
蒸発していた
(そういえば
(春をしまい忘れてたんだっけ
2
全ての
歩行者信号が
赤になっている
雨の季節の始まり
....
夜の雨に置き去りにされた眼孔ふたつ
うらめしげに空を見上げている
空は覗きその身を映す
今朝は薄曇りを着ている
一羽の烏が横切った
互いの胸中を ほんの一瞬
実像と鏡像に引き裂かれて
....
会社では広大な敷地内を 車と自転車が往来する。
歩行者には「さわやかあいさつ通り」と名称される
アーケードの歩道が設けられている。
東の正門で守衛室に社員証を提示しても
配属先の ....
のらりくらり
家事をする
切れかけの電池
ちょっと待ったり
転がしたり
そんな感じ
やめるギリギリで
少し続ける
そのくり返し
普通の日曜日の朝
退院したら ご近所さんから苺をもらったの
毒々しいほど熟して 濃い赤色の甘いやつ
それはとても幸せで 嬉しい出来事
でもね もう貴方もいないし
一人で2箱はしんどいね(笑 ....
ああでもない
こうでもないと
よく悩むわ
暇だからじゃないの?
と、姪
生意気に言うな
と、わたし
だってほら
悩むのが
趣味と かしてるからさ
いま
そこ つか ....
contents.
WE
・self-similar
・sea
・lemon
MYSELF
・imaginary
・gospel
・reverse
....
隣で叫ばれる「危ない」の一言が
渋滞を引き起こすしていることに
気がついていないんだ
滞っているのは車だけじゃないんだよ
だけどさー
でもねー
そ ....
出会う前のあなたも好きとか
別れて十何年経っても好きとか
連続体というだけの他人を愛そうとする
汚れた水中眼鏡
雨の音がする
呑みすぎて目が開かない
公園の木の下
ブランコから誰か降りた
指の間で消えた煙草
祖母の弔い
黒い闇に輪郭を落とした、実、物音一つなく
幽寂の太陽が、結末に遺したものが、ここに
終宵を宿し照らし続けている今 手元だけを
疾走らせる風の 少しの私の姿を囚えている。
筆跡は乱れ然し、轍 ....
満員のバスに
押し込める体の
内側で
すこし壊れるたましひ、
これは本当に
きみに抱かれるのと同じ
体か
曇る眼鏡
街を打つ、
倫理的ではない雨
知らない人の手が
ピアスを掠めて ....
内蔵が捻じれ
視界を失い
地に足がつかず
手をつきたくても
手もつけない
息も吸えず
泣くことも出来ない
そんな瞬間を思い出しては
君が
ただただ自然であればと願う
自然に任せ ....
目覚めたときに窓の向こうから聞こえてくる雨音は
気分を憂鬱にさせることこの上なく
身体のなかに少しばかり残っていたやる気が
一つ一つの雨粒によって流されていく
なんのやる気が残っていたというの ....
時無き持続に
吸い込まれ響く
声 は
遥か遠く近く生々しく
天使が大地を蹴る午前三時、
暴力に支える理性を超えて
何かにナニカに 近付いて
自在に使える腕が欲しくて
....
汚い部分、
排泄しながら
汚れた部分、
吐き出しながら
私たち人間、
進化して来た
鉱物を植物を動物を突き落とし
最初は一、一体
初め始まり
今では
はっきり別の界
....
日が差した日傘した
木に貸した機逃した
目を閉じた夫婦した
絵が推した笑顔した
夢の底を揺蕩えば
思い出の予感に
陶然となる
夢の向こうとこちら側
遠く近く狭まって
底の底に横たわる
わたし独りのたましいが
融通無碍に踊り出す
進む夜の青い時
深い眠りに揺蕩って ....
ひとにも会わない
歩いても歩いても
だれもいない村で
とてもなつかしい
しろいろのけものに会ったんだ
子どものころには
野原を走りまわっていたよ
....
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