結婚祝いの掛け時計
箱の中で眠ってた
曲がった針のその横で
若い妻と僕とが笑ってた
今は時を刻まぬ時計でも
思い出一杯刻んでる
僕は写真を取り出して
出窓に置いて眺めてた
....
死んでいない
だけど生きてはいない
君は生きていないのだろう
だけど死体ではない 僕ではない、君は
街の中 過ぎゆく笑顔の中の一つだろう
ちがう死んでいるじゃないか
呼吸はどこだ 笑い ....
ボクが子供の頃
コーヒーは珍しい飲みものでした
だから ボクの両親は
コーヒーは飲みません
コーヒーを飲むのは
ハイカラな人達でした
ところが先日帰省してみると
両親がやたらコーヒーに
....
タイ締め横目に謳い人が口笛。
知で知あらうおかしなやつら。
かっこうつけのよろこびにかっこうつけがかなしみ。
悩むなら悩んだ分動け、むち。
弱きが苦しめ、強きは空しめ。
抽象的のま ....
彼女の晩年は
ほんにんの生き恥をさらすものだった
ひとに気を使わせては
かげではひどく落ち込んで
それには素直になれずに
しかし正直すぎるように生きていた
がん ....
舎弟格の男に
姐さんのことで嫉妬した
組の大義名分を叫んで
その男にきつく接した
男は侠として私に惚れていた
私の子をうんだ女は三人いた
私がいちばん好きだっのは
....
夕方の六時に
ミュージックサイレンが鳴る
さみしく愛らしく
いぬのおまわりさん
七つの子のカラスではなく
赤とんぼでもない
ゆうやけこやけでもなく
家路でもなかった
だからとき ....
海岸に人骨が流れついた
それは標本だった
たまたま海岸を散歩していた八百屋が
それを拾いあげた
八百屋は考えた。
「これを、店にかざろう」
八百屋は、軒先に人骨を置いた。
....
なかったことにしてしまおう、すべて
昨日のことも、あしたの顔も
忘れてしまえばなかったことと同じ
忘れてしまえば自由になる
はじめに戻って、無垢なつもりで
なくな ....
駅前の公園で
大人になることをまだ知らない僕は
彼女の帰りを待つ友達のふかした
煙草の煙を吸い込んで
萎れた茎のような心を直視してしまう
どうしようもないから
雲の多い夜空を見上げた
そ ....
{画像=080907104708.jpg}
想いを繋ぐのはいつも
言葉だった。
小学生の時、
友達と口げんかをしても
さよならは忘れなかった。
またね、と別れると、
次の日はまた ....
あなたがしんとしたので
わたしもしんとしました。
大きい紅葉が山の中で鬱蒼と茂っていました。
大きなどんぐりもありました。
わたしが笑い転げたのであなたも
笑い転げました。
....
紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある
何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道
道すがら挨拶をかわした人々
....
高い空から降りてくる
静謐な空気は
体内に残っている熱を
急速に冷ましてくれるので
くちり
と くしゃみ一つが合図となり
人肌恋しい身体を思い出す
おれは狂ってる けれどそんな自分に酔っているんだろう?
虚無を埋めるために憎悪に身を委ね 暴力を揮って日々の活力を得ている
そんな自分が嫌いか? けれどそれ以上に抜け殻になるのが恐いんだろう? ....
太陽が昇った
生温い昼に
わたしは、
真白い夢を見る
細い繊維で
形成される枠組みを
壊さないよう
そっと、
眼を、手を、
幼い自分 を拓く
気付いた時 ....
なぜふたりでねむる
よるはあったかいの
黄金色のお月さまが
くちどけするように
やわらかく滲んでは
ひとつ、星が流れた
ああ白い
横たわるわたしの
鳩尾のしたに耳をよ ....
昨日の誓いは
はや破られて
気がつきゃ
お天道様
はるかに彼方
朝のラッシュは
既に終わって
お魚さんは
今いずこ
ホテイアオイの紫色が
風に吹かれて滑り去り
むき出しに ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが
どうして
美しくないと
思っていたのだろう
みんなの中に居るか
「だれ ....
こどばじゃみにくいこどばのかげら
こどばじゃみにくいこどばのかげら
眉瞼のそこで真っ直ぐに揺れ揺れで
ギラギリに尽きる頭は光っていすぎる
かげら 僕はとうじゃないのか
かげら 僕等と ....
こどばじゃみにくいこどばのかげら
こどばじゃみにくいこどばのかげら
眉瞼のそこで真っ直ぐに揺れ揺れで
ギラギリに尽きる頭は光っていすぎる
かげら 僕はとうじゃないのか
かげら 僕等と ....
雨上がりの
ささやかな庭で
どうしても
名前を思い出せない虫が
りゅう、りゅう、理由と
鳴いている
僕は滞った雲に
力なく視線をあずけて
ありもしない
翼の付け根あたりを
かり ....
青信号の点滅
ギリギリで間に合わない
そんなことは
わかっていた
でも、
君と一緒なら構わない
そう思った
絶望的な結末
それでも今は構わない
君と一緒なら、たとえ
赤信号 ....
「とんでもないことがおきたな・・・」
繰り返し流れる映像
見ながらそう思った
ちょうど遊び来てた
ネエちゃんが
「戦争だよ戦争始まっちゃうよ」
そう目ぇ真ん丸くして言うから
....
この路地裏には
この世界のすべての「黒」が
詰まってゐる―
ナイトビジョン―幻のstreetwalker
この路地裏には、
この世界のすべての「黒」が
詰ま ....
手紙 のようなものを
書こうと おもう
声に してしまうと
儚く 風になってしまうようで
私が
今ここに いることや
この時代に 生きることや
出会った すべての人や
....
懐かしい雨の音がする、俺はとっくに不具合で、伸ばした指先は必ず何処にも触れられないでいるというていたらく、唾液を呑み込むことにすら痛みが走る、故障だ、故障だ、すべて ....
無心でキャンバスに 筆をはしらせる貴方を
私はそっと見ていました
貴方に見つめられた林檎からは
つやつやとした淡い光と微かな香り
独占される幸福を身にまとい鮮やかに輝く
「終わったよ」 ....
たいくつな時間
体苦痛なじかん
おかしいのは
きみのほうだよ
こんなに
とげとげ
斑点もよう
きのうシャワーを
あびて
そのまま寝たからさ
....
ピロン・チューブ。つるつるピンク。つるつるピンク。
ピロン・チューブ。つるつるみどり。つるつるみどり。
真ん中を走るジップアップとそれとファスナー。
ぢゃりぢゃり喉仏が―尿意から―感じ易い ....
4011 4012 4013 4014 4015 4016 4017 4018 4019 4020 4021 4022 4023 4024 4025 4026 4027 4028 4029 4030 4031 4032 4033 4034 4035 4036 4037 4038 4039 4040 4041 4042 4043 4044 4045 4046 4047 4048 4049 4050 4051
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.26sec.