なぜ 耳が二つあるの
なぜ 汽車の中をころがっていくの
なぜ 夕方になると存在を消すの
なぜ つねに何かを見ているの
なぜ くもの上にのぼろうとするの
なぜ 茶わんをひっくりかえすの
....
近頃寝付きが悪い
そうなってから、部屋の電気を全部消すようになった
小さい頃から暗闇が怖くて、豆電を付けた薄明るい部屋で、枕に顔を埋めて寝ていたのに
近頃は部屋の電気を全部消して、まぶたを閉じて ....
たぶん、あの夜の、ファミリーマート狭山台南店は
俗にいう時間のねじれに迷い込んでしまったせいで
風に飛ばされたトランプみたいにいろんな感情が
それは、言葉というフォルムをまとう前の姿で、むき出し ....
人殺しのカクテル
絞め殺した女の子の幽霊と交わる
ブルーレイよりも鮮明な快楽へ導く
一字一句なぞるようにディック握る手つき目つき
突き出した唇の内に住む堕天使
精神と生と死を整頓したいが ....
1
私がただ、
眩しくて手をのばすなら、
日の当たる場所に、
古く乾いた存在があってほしい。
美しく光る埃が、
波の気を引く、
ときめくような、
昨日のプレゼント。
ビーチでスキ ....
耳朶 矯正せずに生活している人間 に 複眼と単眼 の 去る ゆうべ が 腐敗してゆく
浮かび 呼ばれるたび の 活動
誰か の 光受容細胞 ....
猥褻という言葉 で 大きな 跡 の 闇 から
塩 を 砂漠
仮死のなか を 世界 から ....
火矢 は 進化論の否定的な例の引き合い に
それら で 無拘束物質 が 何十年 の
それ を 死体となるのである ....
誰もが歩いてきた道を
君はこれからも歩き続けるのか
安易に妥協を受け入れて
苦痛も知らぬ
その時を君は過ごしていくのか
闇の深淵に漂う恐怖を
君は知らずに歩んでいくのか
いつ ....
久しぶりに会った
友人は相も変わらずで
夜中
ぐだぐだと話など
していると
近くの公園まで
散歩しようかと
いった具合で
出かけてみたりする
ふたり
満月に出逢う夜と
曇り空
....
何もかもが嘘
工業用の米が
いつの間にか
最高級肥後米になっている。
それを食わされる
入院患者
もうければイイジャン
イイジャン
イイジャン
見逃せば金
だも ....
肺の中で泳ぐ金魚を僕は懸命な慟哭で逃がしてやるのだ。
これは美しき嘔吐か、春愁なる喀血。
生殖機能を持ち合わせておらんこの{ルビ膚=はだえ}を寄せ合うのは罪かい、神様。
お前の不思議な ....
死んでしまおうかと思っている
来ないと思っていた明日が来たから
死んでしまおうかと思っている
来る筈のない今日が来たから
ドアがあればあなたが入ってくる
壁があればあなたが生えて ....
{ルビ鰭=ひれ}
少ないということは
時に惨めなことだ
僅かということも
なんだかみすぼらしくて
心細い
単純ということは
なんにも飾りようがなく
寂しいことで
易しいという ....
春さきやらぬ秋に沈みえんやー重いやぁ
めざしく三十路歯向かいエッヂ匂って劣化する胎盤は
小人たちを毟り取るニッパーの重低音ここいらじゃ電気式
日本丸め赤痢規範じゃあ到底解けぬ謎おしっこもその顔で ....
夜にだけ開く目蓋
過去の痛みを抱いて眠り
囚われたままの羊
棘が脚に食い込んで
そっと伝う紅
翠の眼の果てに映る
永遠の蒼は止まらない
堕ちる月を睨んで
民を殺すと誓っては
振り ....
ふたりで
ずいぶん夏を歩いてきたね
波打ち際を振り返ってみると
たくさんの足跡が打ち上げられていて
見えないところまで続いている
きっと想い出になる時がきたら
一斉に海に帰ってゆくんだ ....
許せないのって泣きわめいてみてよ
血が混じった
ピンクの涙が流れるまでさ
許せないのって泣きわめいてみてよ
ぼくの胸ぐらをつかみながら
ケモノみたいに乱暴にさ
誰かの目を覗きこみな ....
私の気持ち知ってるんでしょ?
それなら早く
早く言ってよ
私の目を見て
好き
って言ってよ
ほかの男から私を隔離してよ
私の気持ち
....
ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ
初めて ....
ずっと一緒にいたい
離れたくない
私は何が寂しいんだろう
何が不安なんだろう
つながっている感覚ってあるのかな
泣きそう
泣きそうだよ
どうして空しいって思うんだろう
どうして満た ....
真昼に死んだ雀の葬式が埼京線内で行われた
ガタンゴトンと無機質なレクイエムに合わせて
小さく焼かれた雀がタレに漬けられて
綺麗な漆黒の皿に乗せられていた
電気の走った頬 ....
永遠何てないと思ってた。
傷付き傷つけられて
もぅ…ウンザリ
心がそう叫んでた。
時計はあの時間(とき)のまま
ずっと止まったままで。
だけど…ひとりは寂しくて…
前に進まなきゃい ....
太陽
焼き畑の煙りに燻された銀の空
風の音が広がる胸
不意に繋がる記憶
雨雲
キラキラと眩しい朝露と指先の冷たさ
静かに閉じる瞼
雨音に溶け出した糸
夏の残り
線 ....
あぁ、そこから自生するのか
君が手に汗握ったその瞬間
生命線の根っこから
泰然とした風貌で
嘘八百の芽が生えている
緑陰に目をこらしても
あるのはハンドメイドみたいな葉と
縫いかけの葉脈だった
ぼさぼさポニーテールの女子高生が
自転車で脇を通りすぎた
うなじからラム酒のような香りが
ひとつの束となり ....
時間がたち
クリームの底がオレンジ色に発火している
そのオレンジ色を知っていて
西 って…
はじまらないけどそこにある
夕焼け なんてとめどない が
その うち おえてしまう
....
ここが好き
机と本棚の少しの隙間
すっぽりはまって
ほっくりゆったり
ここが好き
縁側に干した布団の上
ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ
ここが ....
揺るがない自分であると信じること
それが「自信」
相手の言葉を見聞(けんぶん)すること
それが「謙虚」
心のうちに秘めるべきもの
それは「信念」
黙して行うべきもの
そ ....
何か掴んで
握りしめた手
開くことさえ
できない僕は
プライドだけに
腕を通して
いつものように
服を着替えた
行き先書いた
破れた地図も
部屋のどこかに
忘れたままで
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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