緑の屋根のあの小さな施設で、暮らしていた人たちは、
上手く言葉を紡ぐことも、
二本足で歩くことも、
自分で用を足すことも
食事を摂ることも、
出来なかったけれど
私が悲 ....
圧倒的に小さな手を握り
子供の
底知れぬ存在感と愛おしさを知る
段々小さくなってしまった手
母親の
底知れぬ喪失感と別れの時を知る
犬でもなく猫でもなく
人間に生まれ
大陸ではなく
島国に生まれ
今という
時代に生まれ
五体満足で
生まれてきたこと
When we can express our g ....
広い夜空を見上げる
戦いの拠点になった場所から
眺める秋夕の満月
ゆるやかに弧線をえがく
霞をかけていた雲も
どこかへ消えて
満月が高く高く輝く
月を見上げて
土の上に横た ....
声はできたら出さないで
奥の鼓膜が興奮しちゃうから
壁を叩きすぎて血まみれの左手
これじゃあ愛を確かめられないね
長い舌で慰める
動脈の臭いが鼻を擽った
震える睫毛に偽りの味
....
ゆらいでいる
風もないのに
傾きかたが分からなくて
ゆらいでしまう
その人の傾きかたは
とても美しいから
なんとかその人と正対しようとして
ゆらいでしまう
もともと僕には
....
鉄器風鈴の舌が鳴く
舌先に垂れる短冊
声量のある長く響く歌声
一匹はある夏風の布が
短冊を揺らすように
ゆっくりと流れ行く
風鈴は夏風が
めくる手紙にはさむ
しおりみたいなもので
....
母の子宮の中には地球がある
僕はその地球で生まれ
この地球に生まれ墜ちた
いつしか大人になった僕は
新たな地球へ旅立とうとする
しかしその地球は
あまりにも小さすぎ ....
*
黄昏のおわりの瞬きに、大いなる怒りにみちた光の星雲
が交差しあう天蓋にむかい、傷ついた男たちが大声で叫
びあう。その声に応じて晴れてゆく天空には、たえず
うつくしくしみわたる遠い霧のような ....
080920
なんかお忘れではないでしょうか
風速25メートル/毎時の暴風雨
タイフーンの忘れ物
大きなお腹に小さな臍が
ぐるぐる回る天気図に
昼の休 ....
信号の前で車を止める
「スリップ注意」の看板
今朝も家を怒鳴って出てきた
(胸がざわつく)
見慣れた通勤路
消えていく感傷
たたずむ白い看板「スリップ注意」は
いつものお立ち寄り
....
アルコールが分解されて
漠然とした不安が押し寄せる朝
太陽の容赦なき絨毯爆撃が
俺を痛めつける
あと二時間もすれば
いつも通りのつまらない光景が
映画館で上映される
なにもかも消えてなく ....
{画像=080731005030.jpg}
それは組み合わされ回転して行く主旋律
強い流れ 弱い流れ
停止する感情
全てを巻き込んで流れ
大きな河となる
山間に蕩々と湧き出る泉から
....
080920
すらりと抜いた
一尺五寸の長脇差しを
ギラギラギラと
光らせて
めーとるほうだと
えーと
えぇぇっと
・・・・・.. ....
いろいろな映画を作る。
本を買う時間を作る。
映画を買う時間を買う。
本を買う時間を作る。
映画の話を買う。
本を買う時間を作る。
本を書いていく時間を作る。
映画の話を買う。
本を作 ....
しまいには獅子舞と化し騒ぎに騒ぎ
ローズマリーの壁へ荒ぶりを叩きつける
荒ぶりの後「を」省略するかしまいか
妹と小一時間協議するなどして日が昇る
入らない入っていない
砂漠の ....
片足を曳いて
空を登る
これは頂上から下げる予定の頭
導く、斜陽は赤く、大きく
目を伏せる、花は白く、不気味に
大きく
わたしを
きみを
祝福して
大きく散るだろう花の学術名を手探っ ....
チャイムが鳴って
ひとの数だけゾロゾロと
若いからぼくらは
気付かないふりをして考えこんでいる
湿った日常が
青いアトモスフィア
目にかかるフィルタ
線形 ....
あなたは
誰かにとって
母であり
妻であり
恋人であり
友達であったり
ここは
誰かにとって
日本であり
ポルトガルであり
宇宙であり
....
バビロン
システム
イズ
ザ
バンパイヤ
この言葉を読んで
ピンとくる奴なら
プリントT−シャツなんて
着やしないよな
ボブ・マーレーの言葉なんだけどね
ドレイだオ ....
あなたの世界のお隣に
私は住んでいるのです
普段は{ルビ静寂=しじま}と暗闇に
潜んで生きているのです
あなたが出合った誰そ彼は
{ルビ現=うつつ}と{ルビ怪=あやかし}棲む世界
あな ....
わたしから
こぼれるものは
いくらでもある
けれど
わたしはそれを覚えない
まるで
狭い空き缶さながらに
空をあおいでは
たやすく空に
うばわれて
ゆく
....
戦いに敗れた男達が帰り
生き延びた女達と
ポコポコと夫婦になり
生きるためにガツガツと働き・・・営み
そして 父や母は
俺たちを生み育てた
ご多分にもれず俺たちは
こっちが多いの少な ....
歳月 の 瞳の色 の 刻々に 横たはつた 告発 の しかないのだ
勇敢な だれ を トルソ に ドライアイ の 出す
また 祈りのように それ ....
完全に 蜥蜴の夢 を 斜面 の
エゴ を 総和 の 反射板 に そよぐ
時点 が 震える
めぐりめ ....
冷ややかな 私たち である
耳朶 の 傷ついていない
矜持 では 大きく
群棲 の 流 ....
杉林の深底に
光も届かず
一輪のすくっと
立っている
鬼百合
こんにちは
お元気ですか?
なんとかね
返答された
腹は減らないかい
大丈夫さ それよりも
蜂が来なくて
....
日が暮れた
台風は過ぎて
雲はまばらで
今日最後の青色が
西の空に透き通っていた
その時
始めて僕は
空を実感した
多分
僕の眼の濁りと
どこまでも続く青の深度が
一番星 ....
水へ空へ振られる手
野に沈む鉄
鉄に湧く花
近づいてくる曇の光
すべてを縦にずらした景が
樹から樹へと伝わってゆく
氷と浪をくりかえし
光を光の外に置く
....
揺れるのは
花だけじゃない
ひとひらに広がるもの
ひとひらにそよぐもの
風に踊る葉の反射
水に映るありのままの景色
誰かの歌に傾けた
心と耳のしずく
どれだけち ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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