シーツは空気を切る音を響かせながら秋空にひろがった。
わたしはそれを物干し竿にかけ、
丁寧に皺を伸ばした。
子ども達は一面に広がる秋桜畑で笑い声を上げている。
家の中からはラジオの音が漏れ ....
今日もひとりで笑う
歩む速さで、けれど遠ざかっていく灯りを知らない振りして
どうして誰も剥がしてくれないんだろうか
皮じゃなくて中を見てよね
そうして同じように中身を見せてよ
剥 ....
どうにもならんことを
どうにかできると
拳をにぎり
どうすればいいのか
考えに考え
手をにぎりしめ
向かう先がどこなのか
確かめる支点を
持ち得ぬこともまた知らず
その方法で ....
こころが風邪をひくと
遠いどこかへ行きたくなる
誰かとバスを
待ちたい気持ちになる
まだ幼かった
あの日の僕と母のように
むかえに来たのが
バスではなかったとしても
見知 ....
月を見てはいけないよ
満月は特にいけない
これからは欠ける一方だからね
引いたり満ちたり
妙な引力を感じるだろ
ああいうものに惑わされちゃいけないんだ
走っていると月が追いかけ ....
国道の上で
灰白色の雲たちが
渋滞している
その下で
私の行先はどこにも
決められてはいない
恐らくそれは
初めから
私はひととき
歩みを止め
道の脇でそれぞれ ....
おまえの腹を枕にして
大の字になって
昼寝としゃれこんでみるが
いやいやいや
ぱっちり開いた
おめめは
青いフィルターのかかった
大宇宙に
ストップ光線かけられて
瞬きす ....
願望の涙
荊
終始累々と線路のように
そこで止まった列車
鉄の轍と共に錆行く
秋雨
コスモス
花びら潤し
雫をおとし
歩いていく
それでも歩いていく
生まれたから
進む
押し ....
(やり過ごせばいい)
あなたのメールで
それはわかる
もう
心はここにない
口惜しくて追いすがり
問い詰めてみたいけど
そんなこと
(夜半にかけて
局地的な大雨に)
....
「生きるには辛すぎる」と語るすべての人が流す涙の味を
私は理解する術を持たないが
しかし私はただ一つの言葉を、確信を持って言う
(あなたに死んでほしくない
あなたは絶望を心の内に溜めこんで ....
りんごが食べたい
泣きながら
りんごを食べたら
美味しそう
わたし
泣きたいの
身体から
毒をみんな
出したいの
青い車の隣で
真っ赤なりんごを食べてみたい
今の、この気持ちを
表現してくれる言葉や音が
どこを探しても見つからないのです
なんだか世の中のたくさんのものから
見捨てられたようです
でも、わたしには命があって
心の叫びを紡ぎ ....
ビルは氷柱(つらら)のようであって
交差点に、滴る微笑の鋭角が
夜はひときわ映える
空は無限の海にはあらず
月のマンホールに、僕らは吐き捨てる
ばらけた感情語
それを生 ....
トクトクと流動性を失うことなく
橙色の結晶が僕の掌に注がれ溢れ
眼下の成層圏プラットフォームである飛行船が
久しく忘れていた雨になり
天を貫通します
雨はやはり結晶のままで
気ままに熱層ま ....
君の瓶が悲しみでいっぱいになったら
僕がふたを開けてあげよう
ほら、みんな出ていっちゃうよ
そして僕は今度
楽しいことをたくさんつめて
瓶のふたをギュッと閉めるんだ
君が二度と悲しまないよ ....
夜汽車が湖のほとりで
誰かを待っている
夜は静かに寝ているだけで
何も気づいていない
誰が予約したのか
夜汽車の切符を持ち
風がやってきた
誰が破いたのだろう
座席番号の部分が欠け ....
サンドイッチマンはぼんやりと佇立している
「青い春」の原っぱで
ちんどん屋はのんきに演じている
「赤い夏」の海原で
ペガサスのつばさ ....
落ちてゆく
夕陽の触り方を
知らない子どもが多い
つるりと
何のためらいもなく
なで回すと
とたんに飽きてしまう
そうして
バイバイと手をふって
見送ってしまうのだ
そんな
少し ....
発症
気化
たこ焼きを買うといつも
棒が二本添えてあるのは
何故だろう・・・?
屋台の太ったおばちゃんよ
ついこの間
惚れた女に逃げられた
寅さんみたいな俺さまに
ずいぶん気が利く ....
この地上では
人を豊かにするために 汚れを生み
それを重ねていること
そしてそのことすら人の記憶には 残らない
汚れを疎み 排除する
まるで雨のように
そして森のように
....
そこまで行くのは ずいぶんだったよ
道があるとかないとか もうそんなんでなくてね
靴は 靴はまあいいのを昔買ってあったから
こう こうさ ざばあっと こう かきわけていくと あるわ ....
「水酸」の現前で針のやうに視覚が得られた塩づけを淡い
表意文字のようにこんなよるはこんなよるを淡水のほとんどはゆるさない
そして過度の人体の60%から70%程度は低温の固体を用いられないを割れた植 ....
ラボアジェに泡がぬれた輸入している実験可能は祈りのように
燐然と発生生物学的の神話からを凝結に言おうか
それこそ表意文字のように熱情は水面とかかゝっての数滴のウォータースポーツ、潜水、水泳、古式泳 ....
1920年の総和が染めてくるさびしい
もっと騒音の複眼と単眼の眼鏡を急ぐことはない
この恒常的な年間約35,700億m³の迷信さがせばよかった小型林よ
核や細胞質が病気の水の物理的性質 ....
彼はサイボーグ
小鳥を見ては
美しいと驚嘆し
魚を見ては
汚いと吐き捨てる
川の一部が
ガラス張りになっていて
魚たちが泳いでいるのを
しかと見える
彼はサイボーグ
魚 ....
ひとつの
あいまいな
それでも
確かに
ちいさな明かりに
包まれていた
吸い込んだ潮風が
いつの間にか
冷ややかで
胸いっぱいに
広がるから
{引用=もう少し
....
モノは溢れているけど
食い物は買えない
そんな風になるんだな
来月そうなったって
オカシクない状況だよ
アメリカで雪崩がはじまるから
生き埋めだね
資本主義ってさ
なん ....
菊月下旬の
日が落ちかけの
酉の刻
平野部のだだっ広い
桑畑の海から
ポツネンと有る
古墳の丘
「古事記」に出てくる
のだそうだ
登ってみたら
四角柱の戦没者碑
五十基ぐ ....
隣に人がいて
私が座っていて
秒針の音が無いからカレンダーを見て
生物として命があるのは自分か他者か
無機物の中に有機の何か
生ある胎盤から抜け出して
へその緒を切られたけど
眉毛の ....
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