そのころ、クールラントの聖騎士フランキスは、
一人たたずんでいるエインスベルに声をかけていた。
「アジェスの森では、アイソニアの騎士には出会えなかったな。
いつ、今生の別れになるとも分からぬぞ ....
「敵の攻撃が止んだだと? 一体何が起こった?」
アースランテの軍団長、エリス・ガザンデは叫んだ。
それに対して、一兵卒であるシュティンガルト・デイが答える。
「は。敵は退却を始めた模様です」
....
その前日、「ナッチ・アカリ」と呟くと、部屋の照明が灯った。
オスファハンは一人呟く。「兵士の数は問題ではない。
問題は、どこまで勝つか、勝たないかなのだ。そのためにこそ、
このヒスフェル聖国 ....
バスタブは白いのに中のお湯が水色もしくはアクアブルーに見えるのはなぜでしょうか。私たちは長らく父の作る青いばらの花をちぎって食べてきた。父を土に埋めた瞬間、全員が安堵した。あの青い花びらをもう見なくて ....
鼓膜にささる
音のかずかず
視野にとびこむ
画のもろもろ
このリアリティは
どこからくるか
夜に寄るもの
やさしい闇
夜に拠るもの
言葉のことごとく
いまあ ....
ねばねば
暗闇
地面
さいおうがうまー
たっ
暗がりでくそをして、
暗がりで手を洗う
洗面台にも、
浴槽にも、
魂しいのおきどころが見当たらない
たしかなものはタオルだけで
そのタオルもひどく汚れてるのはいったい ....
壊れ物を抱くように
そっとその旋律を運ぶ
引き裂くような白んだ空
幼子の不協和音
私たちは未完成のまま生まれ
未完成のまま躍り
未完成のまま去る
翼の下に鳥が憩うとき
私たちは ....
もうだめだと思いながら
何年も続いてきた
お互いの立ち位置もあの頃と変わってきた
変わることこそ変わらないこと
永遠はないけど
信じたくなる
私を見つけてく ....
時刻は午後四時で、僕は見知らぬ部屋の中に居る、マンスリーマンションのような、生活に最低限必要なものだけを揃えた味気のない部屋の中だ、玄関を開けるとすぐにキッチンがあり、木枠にアクリルガラスをはめ込 ....
あの存在とはもう
縁は切れた。
こう思うのは私の思いすごしか
本当のところは
本当にしか わからない。
この宇宙を生んだのは
何かだ しかし
その何かを生んだ(?)のは
何だろうか。
....
「撤退だと? まだアイソニアの騎士と一撃も交えていなというのに!」
フランキス・ユーランディアは、足元の小石を蹴りながら、憎々しげに言った。
「はい。そういう命令です。ユディアス・ガーランドが後陣 ....
ヒスフェル聖国からの早馬が到着して報告し終えた後、
カイザー・ネルの側近の一人が言った、
「小生に一つ考えがあるのですが、発言をよろしいでしょうか?」
「なんだ。なんでも申してみよ」カイザー・ネ ....
アースランテからの援軍が出発したという報せは、
半日ほどで双方の軍団にもたらされた。
アースランテの兵たちが活気づいたのは言うまでもない。
一方で、ラゴスとクールラントの軍勢は焦慮した。
....
○「一貫性」
言葉と言葉の一貫性だけでなく
言葉と行動との一貫性も
よく観ていかなければいけない
○「アンケート調査」
「戦争に行く」と答えたら
ほんとうに行くのだろうか
○「お ....
ねぇ、想い描いてみて?
言葉がまったく通じない世界、
彷徨いたどり着いた
行き倒れの『私』だから、
じゃなくて。
この国で、
同じ言葉を話す人々と、
話しても話 ....
ゆき
かぜ
つめ
残雪の雪堤に生える、枯れた大木の一日は、花曇りの朝にはじまる
若い山毛欅たちの、狂おしい花粉が、残雪の上にばらまかれ、禁断の春をむかえている
息をしなくなって何十年も経つ、その山毛欅の大木は、すで ....
このだるい気持ちはどこからくるのか
時間が経てば消えてくれるのだろうか
そんなことを考えて夜も眠れなくなる
浅い眠りが過ぎてぼんやりと朝が
きてくれるのだろうか
私は一体どこへ向かっているの ....
夢魔一途にも昨年の夏、ほっとしたような
華やかな紛い物で甘い苺 目の前には
乏しいほどジタバタと、羊の群れ、穏やかにも
従わせるドアにすとんと抜け落ちて
穴があくほど /心臓の鼓動 ....
嘘つき、って
世界がわたしを、そう呼ばなくなって
嘘をつくのがとてもたのしい
こころも今日も
どこまでもひろがる
わたしはピアノ
憧れの黒鍵
花火を見ている
山のはしで 海のさきで ....
キラキラしているね
キラキラしているね
大地を歩む人々が
降り注ぐ陽光を浴び
笑いを弾けさせている
キラキラしているね
キラキラしているね
喜び溢れ陶然と
初夏の光 ....
私が独裁者だったら
世界中の自称詩人的人間を
殲滅するために
東京ドーム100個分の
ガス室作りを部下に命じる
自称詩人殲滅こそが
世界の安定化に繋がる
確信があるからだ
捕らえら ....
アースランテからの援軍と、ヒスフェル聖国の軍団が
出立したのは、ほぼ同時刻だった。
それぞれの起点から、アジェスの森までは、約二日の距離がある。
アースランテの援軍は、「豹の足」の呪文を使った。 ....
「よし、アースランテには宣戦布告の早馬を使わせ。
そして、ラゴスとクールラントの軍には、
我が軍が共に戦闘に参加する、ということを伝えよ」
オアシム・ラ・ハグールは威厳に満ちた声で発語する。 ....
「まず、クールラントとラゴスに不足しているのは、
歩兵と騎兵の数です。しかし、これは問題ないとも言えるでしょう。
我が国からは、五千ほどの歩兵と騎兵を派遣すれば良いかと思います。
問題は魔 ....
開店
土竜
標
二〇二〇年三月一日 「夢」
けさ見た夢。10人くらいの男女がいて、ひとりの男が女の頭に大きな岩をぶつけて殺そうとしている。べつの男がナイフをもっていて、ぼくのほうに近づいて腕を刺したところ ....
雨をふらすようにわらうから
雨乞いのように
見ていたんでしょう
でも、春だから
軽率に片付けてゆきます
{引用=
みじめなあたたかさだった
うしなわれる可能性について考えると ....
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