乳白色の爪が引っ掻く
さきであずきがぱらぱらこぼれて
湿気た空気に波紋をなげかけ
私の鼓膜をふるわせました
窓の外では不安げな空が
徐々に緊張を解いてはいても
枝々の先は芯が堅くて ....
まったくおまえは屈託ない奴だ
食べたと思ったらもう笑っている
もう少し味わえばいいのに
笑い声、雲に吸い込まれ
雨が降ってきた
銀色の滴
みみずくの神様のお出ました
厳かに神 ....
三日月のポーズで夜を待つ
指先から足先まで
血のめぐる音が聞こえる
無音の闇に呑み込まれぬよう
しなやかに たおやかに
三日月のポーズで夜を集める
U字磁石みたいに
N極とS極が ....
白、白、白
白い雨に縫われ
この女の、この
表面が微かに夢見るぬるい穢れへの夢は
さらさら、さらさら
消毒されてゆきます
あ、
あの夜、あの、
うっ ....
ひき肉を買った
何だか退屈な日常を少し変えたくて
冬のわりには暖かく
スーパーは少し込んでいる時間帯で
特売ってわけでもなかったけれど
料理レシピのサイトでふいに思い立ち
ひき肉
....
000126
チャシャーキャット
教えておくれ
緑の子猫は
どこにいる
あの油絵の向こう側に
君の描いたクロッキーが
歩いているだろう
あの ....
少年と手をつなぎながら
寒いねと言い合っていた
もうすぐ陽が落ちる帰り道
ふと手がほどかれる
目をやると
さっきまでつないでいた手に
綿毛になったたんぽぽ
この季節には珍しい
....
淡い硝子の底の
蒼い水溜まりへ
注がれゆくわたし
なにかをすべてやりつくし
かたちだけが残った
透明な輪がいくつも
浮かぶ水面
もしもそこに
一輪の花が咲 ....
キリキリ
「止まった音しか見えないね」
呟く俺の声に再びの詩
心の底で見つめる目に嘘は言えずに
少しだけ触れて水を注ごう
此処は忘れてしまったのか
不味い光は塗りつぶす場所
....
<付喪神 (つくもがみ) 三体>
どこか
ここではないどこかへ
自分探しの旅に出た君が
改札口をすり抜ける頃には
自分は自宅で留守番している
ここではないどこかで
....
<♪
タンタタン タタンタタン。
にゅうどうぐも にゅうどうぐも
たそがれ たそがれ
しんこきゅうするシンコキュウ
あのれいんぼう
せぶん/すぱいらる/れ ....
ビルから突き抜けた
夕陽の線の先に
プライマルを描いてゆきます
堕落してゆく人々に
街はよだれを垂らして
今かと憂暮れを待ちわびて
かきみだす、
群青のにわか雨に
アパートの洗濯物 ....
お前と俺とは
繋がった
ビクンと
震える
指先に
伝わる
激しくのたうつ姿
伝わる
肢体の中を流れる
血流の躍動
波がもうたら
絞り込まれる
波 ....
ほっといてくれ
もう
悔やむことはなにもないのだから
汚れたガラス窓に
映るこの街をなぞって
私は
ラヴェンダーの空に泣く
そうすれば、もう
明日を謀ることさえ困難だ
さ ....
ピサの斜塔を見てから
頭の中が傾いてしまって
たえず修正しようとする意識が働いている
倒れない限り
傾けば傾くほどいいらしい
小説もしかり
詩も ....
だれかがわたしに言いました。
今一瞬の私を忘れないで
と。
たった十八文字で出来た寂しい言葉だったけれど
確かに私の肺を揺らした
つー、つーー。
血は手首を流れてゆきます。
それをザラつ ....
{引用=
生きていることの意味を問いなが
ら、生きそして死んでゆく。それ
が解らないまま、ある朝のベッド
のなかで、遠くで船出する警笛を
きく夜に。
....
(乱太郎)
この空は
海の青
この海は
空の青
見えない鏡で映し出す
決して重なることのない肉体
....
薄灰色の表面に
何年 何十年もの波が
刻まれたとぐろ
私が知る由も無い
遥かな海の記憶を
この生命の抜け殻は
確かに持っている
未知の眠る
この渦の奥には
もう一つの海があろ ....
襞がポストから生えていて冠婚葬祭と呟き続ける赤白帽の男の子が転んだ
痙攣する舌先で
路上には緑色の壁面が泳いでいる
冷たい指先に触れた油彩画
方向指示器の余熱に耳を焦がしては性的な魅力に満ちた ....
明日も明後日も
素晴らしい日になればいい
笑顔が集まり、心が満たされる
そんな日に
幸せの塊がいっぱい集まれば
未来はきっと
もっと素晴らしい日になるだろう
「夜に星は輝く」って あの娘は俺に言うけど
おそらく俺には 見えやしない
呆れるくらい まばゆい空に
ピンクの星が またたいてる
あの娘がくれた星座盤
寄り添う2つの星は
手垢にまみれて ....
水ッパナが止まらない。
だから油断してるとキケンなのだ。
一週間分の眠気が一気にやってきたようだ。
だから油断してるとキケンなのだ。
それはつまりアレですよ。
アレはやっぱりアレな感 ....
涙が出る程眩しい空の下の
君と猫をそっと盗み見ていた
暖かい街並みに似た君の笑顔
猫と僕は何も知らない振りして
気が狂う程優しい風の上で
最期の色をきっと今見ている
繋がらなくてもいい ....
夢の中で私たちは
幾度もくちづけを交わした
あなたの唇はいつも濡れていて
舌を入れると海の味がした
まるで水中深く落ちてゆく
立ち昇る泡が遠く遠く輪を描いて
はるかな岸辺へと
夢 ....
ひよこを食べる猫がいて
あるときひよこが
噛みついた
それからひよこは
猫を食べたり
ときどき親を
食べたりも
する
※
ひよこをだます猫がいて
おかげでひよこ ....
One coin
Two coin
The Bell tolls.
The Bell says,
As if he was a horse.
If he was a lady,
He ....
夕暮れの町外れの道を散歩する一組の老夫婦
妻は杖突く夫の手を取り転ばぬように支える
寒風の吹く中風邪引かぬよう二人丸々着込み
一歩また一歩と歩を進める
道すがら隣家の庭を眺め南天の ....
どんなに忙しくても
心の余裕をなくしたくない。
爪をキレイにしたり、
耳で音を楽しんだり、
口元が緩むような物を食べたり、
日常においてマンネリ化するような、そういう ....
とくとくとく
ガラスコップ
なみなみ注いだ酒
口を最初に持っていく
そんな奴等が集まる暖簾下
肴は
からっからに渇ききった
それでも棄てきる事のできない夢の断片(かけ ....
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