鼓動
もみじ
ぬいぐるみ
雨降る夜に
裸体を曝し
けぶる地平へと
走っていく
滾る思いを
冷雨に濡らし
逃れられないと分かっていながら
夜闇のなかを走っていく
ひたすらに、ただひたすらに
無数のヘッドラ ....
カタツムリは人に好かれる
歩みは遅いが滑らない
どんな所でも前にしか進まない
アクシデント時は殻に入ってしのぐ
食べ物は草木の表皮だから無限
殻の維持に必要な炭酸カルシウムも
コンクリート ....
鍵のない耳奥に
埋葬された子どもたち
老いた風鈴の乾いた表層から
剥がれ落ちる沈黙の音韻
つめたい水面を渡る巡礼
つかみ損ねて溺れてしまう
耳目は濃い光と影に
大気の心臓は屏風の ....
期待外れにも所持している体躯は永久に若々しく、蛤の殻を積み上げて、浜辺に打ち上げられた。ほんのささいなオケージョナル・ドレス、銀杏の季節の後ろ姿ばかりを見送っている。運悪く雨に心つくし、幸いにのまれ ....
旗が揺れている
静かに
朝を迎え
微かな北風、吹き
通り過ぎる人々
眠りの世界から
頭をもたげ
たましいを現に
投げ入れる
見目麗しい
一日の始まり
....
君を殺すのはやっぱり
僕じゃない
謝るよ
あんなこと言って
ゾンビのはびこる街で
気持ちのいい嘘と友だちになろうとしてた
誰もいないんだ、って言って
部屋に連れ込んだだろ?
君 ....
今日は流れがいい
と思う時ほど油断禁物なんだ
思わぬ罠が息を潜めて待っている
運任せに流されてはいけません
確立で勝負していきましょう
イー リャン サ ....
あなたはわがままなくらいがちょうどいいですね。どうしてもたにんのことをおもうあまり。だまってしまうのですね。ことばのおそろしさやこわさをしっているのですね。すばらしいかんがえかただとおもいます。けんそ ....
ことばでは描けない朝に
置き忘れたものがたりみたいに
君に額にスキを落とした
なんて柔らかさが
眩しい光で私が歩く一日を照らすのは
なぜだろう
なんて台詞に疑問符をつけさせないから
....
鯉
さらさら
午睡
私は不思議でたまらない
土に種を蒔くと
芽が出てくるということが
私は不思議でたまらない
うちのワイフが
私と何十年も付き合っているということが
私は不思議でたまらない
私がこの世に生を ....
ああ
初々しい顔して
夜が来た
ひんやり涼しい
風も吹く
向かいの家では橙の
灯りが点り
人影が
それは忙しく動いている
わたしは独り寝の床を整え
さっきからじっと座っている
昼 ....
....
納骨で
あの方の骨は
粉々だった。
病気をしたからね
おつかれさまでした
どの道
私も
お空へ行って
骨はのこす
今までありがとうさまと
お空を
見つめて ....
みぞれ雪が 都市に注いで
ごくすみやかに歌となる
その疾さで のどがかわいていく
煙草を 二口 吸う
毛皮のコートを着て出かける
コーヒーを飲みぼやけた頭で考える
完璧な受け答えと言われても
受け答えた覚えがない
自室に一人居り
それでも客寄せパンダのようになった
手足よ
僕はもう正しいとか間違いとか気にはせ ....
自業自得の悲しいのは
仕方ない
でもね
ほんものは
ずっと一緒だ
みんなへ
ありがとうさまと
伝えたい
気持ちはどこか
宙に浮いてる
青空に
流れる雲は
....
たおやかな街並みに
天空は青く広がり
わたしの腹底の不安の核を
渦巻く宇宙へ投げ入れる
何処までも、何時でも
つきまとう漠たる不安ならば
この青き街並みに歯軋りし
道行く人の歩速とな ....
あなたはいつもせのびばかりして、あしをつらせては、またむりしちゃったなっておもってるけど、あなたはそうやってすこしずつもてるにもつのりょうをふやしているの。だからすこしずつあるいていけばいいの。だけど ....
ショピングセンターにいた
福島から来た君は
18時24分の特急で帰るよと
バスの出発時間を心配していた
花屋の紫陽花の
青を束にして、素敵な憂鬱を飾りたい
ゲーム機が置いてあるのは3階 ....
「なんのために生きているんだろう?」
答えがみつからない人が多い
学校を出ると
答えのみつからない問題に
多く出くわす
答えがみつからなくても
いいんだよ
やっぱ、私、T君、好きだわ。
彼女は、あの後、そう言った。
君は、あの日、東京に現れなかった。
君のことを半日、高田馬場の駅で待った。
君は、怖かったのかな。
広島に帰っ ....
会頭
快投
解凍
日々がどよめいている
宇宙が波打っている
『遠い遠い』と手を振る君
何かが湧き起こり
何かが爆発して
すべてが終わり
すべてが始まろうとしている
名状しがたい何物かが流動し ....
詩に制限はない
書き方に制限はない
自由しかない
想いのまま
詩というものが生まれる
言葉の雨が降り注ぐ
スムーズに詩の形になる
詩の雑誌を読む
オリジナリティが
光を得 ....
瞬間瞬間を生きる今に
思い出している
あのお方が言ってくれた言葉
「支えられて支えている」
今に生きる瞬間瞬間
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい ....
古い教室の机の落書きのように
六月は音も無くひっそりとしている
机は時々降る雨音に聞き耳を立てて
暗い机の隅に棲む名もない蜘蛛と
会話を楽しんでいる
すでに廃校となった校舎の屋上で
昔 ....
毎朝、ぼくは朝日を浴びて日光浴をするのが日課だ
人間はまだ寝ている
そう、いびきをかきながら
足も広げちゃって寝ている
ぼくは立派なネコだから
そんな寝方はしない
足は揃えて、お行 ....
気晴らしを服毒してぺたんと座る。
うんうん言いながら伏し目がちに窺う
鄙びて果てる安息は、
ピロートークにもならないから
縫いつけられたように目が離せなくなる
足は縺れて転んだようだった ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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