やーい、おまえの父ちゃん
自称詩人なんだってな!
えーっ、まさかウソだろ!
自称詩人って、あの自称詩人か?
そうだよ、こいつの父ちゃん自称詩人なんだよ!
イヤだーっ、だから何だか臭いのねー
....
昔ステージで歌ったことのある歌に出て来る女の子の名前が何だったのか思い出せなくて海に溺れて助けを呼んでいる夢を想像して好きだった人の顔を忘れようとしている悲しいでしょそんな歌なのよ悲しいでしょ悲しいで ....
花を生けずに
花瓶に水をはる
絵を入れずに
額ぶちを吊る
そうして
北向きの六畳間の窓を開け
風だけを 入れる
雪光る 比良の山稜と
湖の流波に
....
あけた白から 空を還せ
赤と分けて
てのひらが 帆船
とじたりひらいたり
的のよに
切りとれ
穴に落とせ 嫌がらせるな
星は
連射しろ 隙間なく
カメラを不許 ....
谷を降ると 邑があり
邑の奥には 娘がおり
鳥に囲まれ 竿を矯めていた
旗を嘗めるのは 炎
少年を 馬に 飼わせていた
閉じこめられたんじゃない
自分から 入った ....
足が言うことを聞かない
聖地に赴くはずが
とある浜辺に着いてしまった
あの日
地面は大きく揺れて
その日
夜空は異様に瞬いていた
おそらく
人がたくさん流されたからだ
そ ....
○「地方荒廃」
地方破れて山河あり
住民年老いて鳥獣生き盛ん
米価は下がる一方
石油、肥料農薬代等は上がる一方
高齢者の迫田まで借りてくれて米を作っている農夫は
嘆く
「あと五年した ....
夏が終わりそうな頃
あなたと行った
海の側にあるリゾートホテル
今は寒い冬真っ只中だけど
思い出せば少しだけ暖かさ感じる
何故今
思い出したのだろう
自分でもわからない
楽 ....
ぱらぱらと
はらはらと
剥げ落ちていく
すべての意味が
あさひ、あさひ
まぶしく あびて
その熱、
ひたひた
感じながら
剥き身の私 今、此処に生きて
波を見ていた
波だと思った
黒い人影
波でしかない
その人は
波になろうとしていた
波になりたかったのか
ずっとそうだったのか
わからないけど
その人は消えた
波になった
だから ....
いつだって手元が狂うと
落としてしまう
君の人生だったり
ぼくの・・
きれいに晴れた日も
水の足りない葉っぱには
残酷だ
ぼくの中にはない
誰かへの愛情も
身体の中には
....
黙って眠っていたかったのに
喋らされた
火焔をつめた この水殻に
うまく着火してよ 音をひく
かくん うなづいて
眠りながら
なにか もの欲しそうだったから
感情に群がる ほそ長い舌 ....
雪の日の朝
母屋の裏手のちょうど陰になった辺り
誰が訪れたのか
その道筋で
その深さで
大きさで
振れ幅で
その心に去来したものを
知る
驚きを、知る
ひもじさを、知る
戸惑 ....
○「この道」
この道は
母におぶわれて
通った道
この道は
友と遊びながら
登下校した道
この道は
遠くの大学へ入学する日に
祖父母が杖ついて見送ってくれた道
この道は ....
歯ブラシを
買い換えるタイミングで
別の人を
愛し始めると
冬タイヤを
履き替えるタイミングで
綱渡りの
綱が
揺れる
おはようとも
こんにちはとも
違う時間に
コップ一杯 ....
奇妙な輪郭が重なる、
年老いた額の皺
若々しい筋肉の隆起
青年と老人のアンドロギュノス、
世界を観察し叫びを上げる
世界を観察し歌をうたう声
銀色のアルペジオ
打ち下ろ ....
晩の嵐の止んだ朝
どっぷり濡れた
舗装道路を進み行く
街路樹の折れた枝が煉瓦の上に
太さのちがう枝を見る
散り落ちた若葉が煉瓦の上に
柔らかな緑は目に強く
レンガ色と ....
タイムスリップしてる途中に、
私が落っことしたiPhoneが、
アダムとイブの元に降っていき、
そこから死ぬほど、変わりまくる歴史。
フィアンセの姿が自販機になったけど、
そのまま挙 ....
心不全だった
未明の6時45分
享年35歳
奇しくもその日は
私の70歳の誕生日だった
娘は私の丁度半分しか
生きられなかった
これで
見舞いに赴く ....
安易な正義に乗れるほど
わたしは
知識はないし
自信もないし
時間はないし
興味もないし
強くはないし
弱くもないし
正しくないし
安易な正義に乗れないので
今日もわたしは
....
鉛筆は握らない
それでも
胸の中で尖った芯を
マスカラに
変えられたら
あの子みたいに
可愛くなれるの
変わりたい訳じゃないし
今のままで良いとも思えない
時間だけが賢くて
....
一点を眼差す おまえの瞳、
黒い三角が積み重なり空色になる
分離不可能な神界と感覚界の切断
青く輝く円 おまえの瞳孔、
夢見の意識から覚醒の意識へ
アーリマンとルシファーの真ん中で
....
水平線のそこから上は
鳥たちのかつて見た夢で埋め尽くされ
彼らはそこを掻き分けて進まなくてはならない
なので鳥は決して落ちることがない
夢が助けてくれるのだ
もしくはその浮力で
落ちること ....
やさしいどらごんにくるまれてねむりたい 「れ」がうまくかけないので ははのしきゅうはもう必要なかった おおきなものがほしいおおきなものはねむりをさそう とぐろのなかでおれはいのりたい おれだけがながい ....
一つ二つとまた溢れる
僕の頬から今落ちる
土に落ちて染みる
染みて落ちて川に溢れる
川を落ちて海に溢れる
海を落ちて空に昇る
空から溢れて君に落ちる
君から溢れて ....
知らないうちに
パンがふくらんでいる
予言者が記したごとく
町の胃袋を満たすため
欲望は時に静かで
時に神聖だ
夜道の中で
誰かの自慰の音がする
あなたは横目で聞く
豚の出身地に
旦那から逃げたメガネの女
私もつれてって
ブスではないけれど
ニンニク食べても
どうでもいい人
木漏れ日という ....
○「もう2月」
どうしようもう2月だ
何の成果も挙げられず
ただ時間だけが過ぎた!
年寄りに未来はない
あるのはただ今だけだ
○「僕の思考癖」
僕は
人のことを
悪く考える癖があ ....
火を吐く タイヤの山から
長い欠伸で
鉄砂を見
遠くの街の 粉っぽい音が
吸いこむ胸 空に游ぐ
鈍い輝きを握りしめ
泥濘に踏みこむと
匂いが違う
あと少し の繰り ....
時々 要らなくなる
大人と不実
沈黙する子ども
身を伏せたところ窪みが
分かれはじめた
校医の胸の尖で
放送室の鍵を回す これで
訪れる別離
別の組を 遠くに眺めた
学年の差 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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